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ウクライナ・ゼレンスキー大統領によるオンライン講演会に参加

研究指導教員の伝手で,2022年7月4日にゼレンスキー大統領の講演に参加することが叶いました.
所属大学のホームページ掲載用として依頼を受け,下記の文書を作成しましたが,稟議の過程で主催者・東洋大学の学長から所属大学の学長を通じて「批判は断じて許せない!」との抗議があったということで掲載が取り消されました.
抗議には全く納得できていませんが“学者の政治”やら“敬意を払えハラスメント”やらに嫌気が差したので,ここで作成した文書(加筆修正済)を供養します.


所属ゼミ・○○先生のご尽力により、2022年7月4日18時(日本時間)よりオンラインにて、ゼレンスキー大統領の講演会に参加する機会を得ました。参加の機会を与えてくださった東洋大学の皆様には御礼申し上げます。

大統領はウクライナ語でお話されたため、日本語通訳を介しての理解ではありますが、平和を希求する訴えや戦争終結後の復興に際してボランティアを募るメッセージを発信されました。戦況は改善することなく、同日午後にはロシア・プーチン大統領より東部ルハンスク州の勝利宣言がなされたばかりでした。しかしゼレンスキー大統領は、ウクライナという国のリーダーとして、元コメディアン俳優として、カメラを通じ世界に事実を伝えメッセージを訴えかけるという役目を、我々学生に対しても全力で担われていることが、画面を超えても伝わってきました。

1人の参加者として気付けたことの中から1点だけ、ここに述べさせていただきます。それは、日本という国や社会環境に染まった人にとって、ウクライナで起こっている戦争は正に「対岸の火事」いや「地球の裏側の戦争」という認識でしかないということです。
言い換えれば、当日発言権が与えられた人々の質問の内容、運営側の時間の使い方、演出方法のすべてから、日本の「平和呆け」なるものを痛感しました。

一番には、あの大統領が主催者挨拶の時間にカメラの向こうにいる誰かに、明らかにイラついた表情と怒りのハンド・ジェスチャーをしていたということがあります。(なお、この様子はYouTubeの映像には録画されておらず、当日そのタイミングでピン留めされていない大統領のZoom画面を見ていた人しか分からないことです。)

そして事実として、ゼレンスキー大統領が発言された時間はたったの10分にも満たなかったという結果に最も現れています。ゼレンスキー大統領が参加してくださった1時間のうち、冒頭5分間の日本語での東洋大学学長挨拶を除き、すべての発言はウクライナ語・日本語に通訳されました。

確かに、外交的発信という意味においてウクライナ語で話されることは重要な要素なのかもしれませんが、今回の講演会の意図である「日本の学生にメッセージを届ける」ということを鑑みれば、通訳を排し一部始終を英語で実施することが理想だったと考えます。もしそうであれば、ゼレンスキー大統領から発信され、参加者全員が直接的に受信できるメッセージの量はもちろん、そこにこめられた熱意や切迫感をも伝わるような、濃密な1時間が実現できたのではないかと無念でなりません。

しかしながら、当日参加が叶った日本人学生のみならず、ウクライナからの留学生や他国にルーツを持つ学生の多くが、現在最も多忙なリーダーであるゼレンスキー大統領と時間・空間を共有するという、貴重な経験を得ることができたのは揺るぎない事実です。
その機会の創出にご尽力くださったウクライナ大統領府ならびに在日ウクライナ大使館、そして東洋大学や日本私立大学連盟の皆様にも感謝申し上げます。

末筆ながら、1日でも、1時間でも早い平和な日常がウクライナと人々に訪れんことを願ってやみません。

※講演の様子はこちらから

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