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『路地裏のウォンビン』を読んでから自部分の本質を大切にしようと思った話

この記事は、「#読書の秋2021」の応募作品です。

あらすじ

スラムで育って、いつかこの生活から抜け出すことを願いつつも、生き延びるためにペアを組んでスリで身を立てていたルゥとウォンビンの物語です。

ルゥは両親を流行り病で失って、母の遠縁である叔母を頼って「乞骨街」へやってきました。生まれや育ちによる差別で「自分の食べるものは自分で稼げ」と冷たくあしらわれます。新入りとして、年長の孤児たちに残虐な洗礼を受けていたルゥを助けたのがウォンビンででした。

でもある日、2人を引き裂く出来事が起きます。ルゥが養父母に引き取られて文化的な生活を手に入れたのです。でもルゥは願ってもない別れ方をしたウォンビンのことが気がかりになります。

舞台は昔の貧しい東南アジアのような感じです。熱気のあるスラム街で人と人とが絡み合う人間臭い雰囲気が漂って、人生をテーマにした世界観が読み手を引き込む素晴らしい作品になっています。

プロローグ

いいか、骨のこえを聞け。
お前も知らないお前の聲を、
本当のお前自身の聲を。
血でもない、肉でもない、かたちでもない。
それだけがお前をお前であらしめるのだ。
それが、愛する者を救うただ一つの――。

このプロローグに作品の全てが詰まっていると受け止めました。

主人公のウォンビンは、正義感が強く自分を犠牲にしてまでルゥのために生きようとします。運命をも変えようと人としてのたくましい姿に心を打たれました。

こんなに人のことを愛し、相手の為に行動できる生き方ができるなんて、多くの方に読んでもらいたい作品です。裕福ではないけれど、愛する人がいて心が幸せであれば、人生は幸せなものになります。そういった現在の人々が忘れかけているメッセージが強く込められています。

また、「骨」という表現が随所で見られますが、その人の根源にある本質のとして受け止めました。

人は周囲の人々や自分を取り巻く環境によって、変化していきます。
でも、自分の根源にある大切なものは決して変化せず、「骨」の様に固く死ぬまで覆われています。
変わりゆく時代の中で、自分の持つ本質を問いながら人生を歩んでいく大切さを教えてくれています。

自分の骨は、生きている限り目では見られません。死後に焼かれ、初めてその形が表れたとき、深く関わり、支えて下さった方への生き様として、相手の心に届けられます。
また愛する人への最後のメッセージでもあります。自分の本質を大切にして、愛する人のために生きることに全力を注げられる生き方ができれば、いまよりもっと素晴らしい人生になります。

いいか、骨のこえを聞け。

生きる本質を常に問いただしながら人生を歩んでいきたいと決意しました!素敵な作品をありがとうございました。

著者:小野美由紀について

1985年東京生まれ。慶應義塾大学フランス文学専攻卒。
2015年にエッセイ集『傷口から人生。』(幻冬舎)を刊行しデビュー。
2020年刊行の『ピュア』(早川書房)は、女が男を捕食するという衝撃的な内容で、WEB発表時から多くの話題をさらった。
著書は他に、絵本『ひかりのりゅう』(絵本塾出版)、旅行エッセイ『人生に疲れたらスペイン巡礼』 (光文社新書)、小説『メゾン刻の湯』(ポプラ社)などがある。


※コンテストの応募作品のため、コメント欄は廃止しています。ご了承ください🙇‍♀️

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