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良妻賢母の私が爆音を浴びてクラブ遊びしている話。

私は30代後半の女性で13年お母さんをやっています。
私にはずっと感じてきたことがあります。

「お母さんは、子供をほったらかして遊んではならない」

という日本に蔓延している空気です。

私は子供を愛しているし、母親業をかなりまじめにやってきました。
基本的な衣食住はもちろん、体調を崩さないためのプラスαのケアや、思い出作りまで、常に子供の健康と幸せを願って子供優先の生活をしています。

復職した時は長女の時も次女の時も、保育園に渡す時は1歳の我が子と同じように泣いたし、預ける罪悪感はずっと消えませんでした。
できるだけそばにいたい気持ちと自分のキャリアとのはざまで24時間葛藤し、それでもどこかに終着点を見つけて前向きに生きようとする、まじめで一生懸命なワーママでした。
だから小さいうちは完全に家庭優先だったし、そんな風潮もなんとなく理解して受け入れていたと思います。

しかし、ママになって13年目を迎えた今、振り返るとナゾの現象がいっぱいあったなと思い出しています。

例えば、育休明けのワーママ初期の頃。
ワーママが休む理由は子供のことなら許容されるのに、遊びだとなんとなく「えっ」って思われるあの空気。普段から子供のことで休むのに、有休使って遊ぶの?というあの空気。

別に誰も責めやしないし、当然の権利なんだけど、なぜかそうなる理由も名前もない空気です。

あの空気は一体なんだったのだろう。そしてもれなく職場にもワーママ達自身の中に蔓延していたのはなんだったのだろう。

休みを取る時は大袈裟くらいに子供の体調が悪いことをアピールしたりなんかして。別に有休を取って自分のために時間を使ったって何も悪いことじゃなかったはずなのに。

そして、あの頃から数年が経ち、子供のことが会社で足かせにほとんどならなくなった今、別のことでまたその空気を感じています。

今や我が子は年齢的に留守番もできるし、お友達と一日外出していることもあります。だから私にも自由な時間があるし、好きなことができる。

そして、その私の好きなことや趣味の一つに「クラブ遊び」があります。

私はパリピでもギャルでもありません。真面目だし地味だしどこにでもいる普通のお母さんです。
だけど音楽やダンスが純粋に好きで、ダンスは自分でも習っていたし、クラブカルチャーやダンスイベントにもずっと触れてきました。特に日本より海外のナイトクラブが大好きで、爆音とネオンが私のときめき。

でも、子供を家に置いてそういうところへ行くと言うと、なんとなく「えっ」って思われるし、「えっ」って思われるから私も言うのは気がひけてしまう。親世代はもちろんそうだし、会社でもびっくりされる。同じ立場のママからもだいたい一瞬その空気を発射されます。

でも、これが「ヨガ」や「ウィンドショッピング」や「美容院」だと許容される率は高い。「子育ての合間のいいリフレッシュになったね」と、おそらく100%近い確率で言われるでしょう。

いやいや、私は美容院で2時間拘束されるなら、2時間爆音を浴びていたい。
自分で髪の毛を切るから、その分クラブ遊びの時間に充当させたい。
私の子育ての合間のいいリフレッシュはそうなんだ。爆音に身をゆだねている時間が最高にリフレッシュだし楽しいんだ。

物理的時間的に何の不都合もないし、誰にも迷惑はかけないのに、内容次第でほんの少し感じるその「えっ」に、日本のお母さんはどれだけ肩身が狭い思いをし、自分を偽って振舞ってきたのだろう。

現代では女性の社会進出が進み、そのサポート体制も向上し、だんだん変化してきているとは感じつづ、背景にはいまだに「昔ながらの良妻賢母」像があり、家族のため子供のために尽くし齷齪奮闘する姿が理想とされているんだろうなぁと感じることはまだまだあります。
母親には24時間「お母さんらしさ」が求められついて回る独特の風潮もその一種だと思います。

でも、私は今はもうそういう空気に流されるのはやめました。

なぜならば、我が子は私が私の時間をどう使おうと笑顔で「いってらっしゃい!」と言ってくれるから。

ママが美容院に行こうが、ショッピングに行こうが、クラブ遊びに行こうが、笑顔で送り出してくれるからです。

日本のお母さんの「昔ながらの良妻賢母」を知らない令和育ちの我が子は、私が私の時間をどう使おうと、私の時間を、私の人生を尊重して大切にしてくれるんです。

「いってらっしゃい!ママ、楽しんできてね!私たちも楽しむね!」

大きい声で思い切り手を振りながらそう送り出してくれる我が子の笑顔とその言葉が、長年微妙に存在していた私の中のつかえをアッサリととっぱらってくれました。

その人の時間はその人のものだし、私の楽しみは私だけのもの。
人の幸せはその人が決めるし、大切な人の幸せは自分にとっても喜びであり、守ってあげたいと思うのが普通のことじゃないかと。

私が何か月かに1回、たった数時間自分の世界を持つことを我が子は当たり前のように尊重してくれているのです。

だから、今はどこに行こうと何をしようと、私は自分の好きなことや時間の使い方を堂々と胸を張って話しています。
そして私も家族がやりたいこと、幸せに感じることはめいいっぱいやってほしいし、そのためのフォローを惜しみなくしようと心掛けています。

まだ小さい我が子が、私が私の今を生きるためにできることを本当に自然に教えてくれた出来事です。

筆者:ミイ







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