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【ライターの仕事】30年ローカルで活躍する女性から新しい視点を学ぶ


パンフレット打ち合わせの現場にて

ある企業のパンフレットの仕事をいただいたので、打ち合わせに行きました。企業の広報担当者とWEB担当者、代理店の担当者、デザイナーさんと私がテーブルについて、今回の企画について概要を拝聴。

すでにパンフレットはかなり進んでいて、あとはコピーだけの状況まで完成したものの半年くらい放置されていたそうで。企業の広報さんが忙しすぎて。

もうそろそろほんとに進めましょう! とデザイナーさんがお尻を叩き、ついに私が呼ばれてコピーの打合せ。

正直なところ、個人事業主として「プロジェクトが動かない」時ほど困ることはありません。特に一人で仕事をしていると、大きな案件を受ければ「それなりにスケジュールを空ける」わけです。しかし、企業の都合でプロジェクトが停止したまま3ヶ月など空くこともある。

その間ノーギャラになっちゃう。

だからみんなマルチなタスクを掛け持ちするのだろうけど、そうするとキャパオーバーになりそうで怖いです。

そのため、スケジュールがきつくても、絶対にお尻が決まっている雑誌系について、「どうしたって締め切りが来るのは、むしろいい」と最近思うようになりました。ありがたい。

※ただギャランティは企業案件の方がとってもいいのでこの世は難しい。

全く関係ない写真ですがちょっと紅葉してますね

なぜ遅れたかの言い訳を聞く

現場では、企業の広報さんから「なぜこんなに放置したか」の言い訳が展開されていました。

広報さんは入社して勤続30年を越え、今では女性の取締役。会社のドン。彼女が「これがいい」と言えば鶴の一声的に会社が動くのです。

しかし。

ビジネスの世界で頑張っていると、社外から色々な仕事を頼まれるのが常だそう。今、彼女は地元信用金庫による女性の取締役を増やそうチームの仕事と、女子スポーツチームの役員と、あと何かもう一個地域の仕事を任されているとのこと。

「信用金庫の仕事がね、今までは月一回集まってボランティア活動とかしてたのよ。でもコロナでそれができなくなって、、、このままじゃ存続が危ういということになって、会報誌を作り始めたの。それが忙しくて」

その会報誌、資金も自分たちで出し合い、写真くらいはプロに頼むものの、あとは本当に自ら編集していくそうで。

さらに、「ビジネス視点での会報誌の捻り出し方」がとても興味深かったのです。

これは浜松の秋の人気イベント、ローカルコーヒーフェスのワンシーン

会報誌発行後の将来の落とし所を描く

まず会報誌の企画を、毎回「スイーツ店」とか「カフェ」とか、女子好みの内容で提案します。

さらに信用金庫の女子たちに「お気に入りのお店」をヒアリング。そこから取材する店をピックアップして取材依頼をかけ、紹介するショップのスタッフさんと、その店を推薦した信用金庫の女性職員のツーショット写真を撮りながら、誌面に掲載するのだそう。

「そうすると信用金庫の女性職員にお店との繋がりが生まれるでしょ。私たち企業のバックアップもあるし、営業に行きやすくなるのよ」

な、なんと!

その設計がすごい!

と、「パンフレットのスケジュールがはちゃめちゃに遅れている」ことへの言い訳から、私は新たな価値観を見たのでした。

ただ会報誌で紹介するだけじゃなく。ただいい誌面を作るだけじゃなく。読者が動くことを想定するだけでもなく。ビジネスが動く展開。

せっかく作るなら、ここまで考えられるとかっこいいなと感じました。

が、「会報誌に力を入れすぎて、本業がおろそか」になっているのも事実で。面白いけれど、デザイナーさんは去年からノーギャラでここまで来たのかと思うと気の毒です。。。

そして、半年放置されたのに「文章はできれば2週間で納品して」の納期付きでした。やっぱりこの世は難しい。。。

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地方の出版社を経てフリーの編集ライターとして活動しています。
○地方でライターの仕事を続けるには
○単価アップを叶えるには
○そもそもライターってどんな仕事?
○編集の視点とライターの視点の違い
などについて、自分なりの解釈をしていきたいと思っています。



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