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【保存版】注目のバーティカルSaaSについて!業界に特化したSaaSサービスとは!

こんにちは!PreVenture編集です!

今回はバーティカルSaaSについて解説します!
バーティカルSaaSとは特定の領域に特化したSaaSサービスのことです!

2018年から日本でも「SaaS」が急激に注目を集めました。当時はSaaSの新しさからかなりの注目を集め、実際にSaaSサービスを開発するスタートアップも登場しました。
そこから5年がたち、SaaSという言葉に目新しさもなくなりました。コロナ禍には、「SaaSはオワコン」といった声もあり、SaaSの時代は終わったと感じている人もいるのではないでしょうか。

しかし、実際はSaaSはさらなる広がりを見せています。SaaSの中でバーティカルSaaSはまだまだ成長しており、企業も増加しています!今回はそんなバーティカルSaaSについて解説します!

バーティカルSaaSとは

SaaSの中でもバーティカルSaaSとは、特定の領域に特化したSaaSのことです。

バーティカルSaaSと呼ばれるのは、特定の領域に特化しサービスを垂直方向に深掘りしていくことが由来となっているようです。後で詳しく触れますが、医療建築宿泊不動産などの専門要素が必要かつ、ニーズが半永久的なものにマッチする印象があります!
似た言葉にホリゾンタルSaaSというものが存在しています。ホリゾンタルSaaSとは例えばビジネスチャットやオンライン会計ソフトなど、一般的なSaaSとして扱われているものがこちらになっています。バーティカルSaaSとホリゾンタルSaaSは対象にしている範囲が異なっているということです。

バーティカルSaaSの企業紹介

具体的なバーティカルSaaSの企業には、どのような企業があげられるのでしょうか。今回はバーティカルSaaSを取り扱っている三つの企業を例に紹介します。

ご紹介する企業はどれも、専門的な知識を必要とする企業や

株式会社アンドパッド

株式会社アンドパッドはクラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を運営する企業です。「ANDPAD」は国土交通省のNETIS (新技術情報提供システム) にも登録されており、41.3万人以上の建設・建築関係者が利用しているクラウド型建設プロジェクト管理サービスです。

Ubie株式会社

Ubie株式会社はAIをコア技術とし、症状から適切な医療へと案内する「ユビー」と、診療の質向上を支援する医療機関向けサービスパッケージ「ユビ―メディカルナビ」等を開発・提供している企業です。2023年4月にはGoogleが提供するAndroidのプラットフォーム「ヘルスコネクト」に日本国内のローンチパートナー6社のうちの1社として連携し、事業の更なる拡大が見込まれます。

セーフィー株式会社

「映像データであらゆる産業の”現場”をDXする」というビジネスコンセプトを掲げ、カメラとインターネットをつなぐだけで、いつでもどこでも映像を確認できるクラウド録画サービス「Safie」を提供している企業です。小売、土木・建設、製造、医療などのあらゆる現場のDXを率先して推進しており、2023年5月には遠隔業務に必要な機能をフルパッケージした、ウェアラブルクラウドカメラの新たなスタンダードモデル「Safie Pocket2 Plus(セーフィー ポケット ツー プラス)」を6月中旬から順次提供開始することを発表しました。

バーティカルSaaS誕生の背景

なぜ、バーティカルSaaSという概念が生まれてきたのでしょうか?これまでの流れと今後のトレンドを紹介します!

これまでは

これまではソフトウェアのクラウド化が中心となってSaaSビジネスは拡大してきました。従来、企業が、システムを社内に導入して、インターネットサービスを自社で管理していた時代からAWSをはじめとするクラウドが誕生し、クラウドにアクセスすることでインターネットサービスを利用することができるようになりました。このようなサービスはホリゾンタルSaaSに分類されます。

その後~現在

上で述べたようなクラウド型のビジネスモデルが飽和しつつある近年、ビジネスモデルが変化が起こっています。

このビジネスモデルの変化こそがバーティカルSaaS誕生の背景にあるのです。SaaSのビジネスモデルは従量課金制になっており、安定して成長することが可能になると同時に、先の売上が予想しやすくなりました。

そして、法規制の緩和や技術の発展によってフィンテックなどの新しい領域でもSaaSサービスが開発されるようになりました。SaaSの形も柔軟に変容し、それぞれの産業に入り込むことになっていったのです。

先ほど紹介した株式会社アンドパッドは建築業界にフォーカスしたクラウドサービス、セーフィー株式会社はロボットやカメラなどのハードウェアとソフトウェアを組み合わせたサービスを提供するようになったのです。

バーティカルSaaSの特徴

ここではバーティカルSaaSの特徴を三つ紹介します。

①老舗企業がプロダクトを開発

一つ目は老舗企業がプロダクトを開発し急成長しているという点です。

バーティカルSaaSにも新興企業やスタートアップにも新興企業やスタートアップはあります。また、老舗企業が新しくバーティカルSaaSを開発したり、企業から独立した大手出身者が、これまでのキャリアで身に着けた専門性を活かして、バーティカルSaaSを開発するといったことが起こっています。

これは、SaaS市場の成長やビジネスモデルの多様化していることが背景にあると考えられます。

②複数のプロダクトを開発し、トータルで支援

三つ目は複数のプロダクトを開発し、トータルで支援する傾向があるということです。専門性の高い領域でのサービスを何個も展開し、組み合わせることで相手のニーズを解消する場合も多くあるようです。

また、

・複数のプロダクトを用意しアップセルで収益をあげることができる
・サービス連携やデータ連携による利便性を高めることができる

というメリットがあります。

自社内であるサービスをオペレーションに組み込んでしまうと、サービスの変更が難しくなります。複数のサービスが連携しているとよりサービスの変更が難しくなります。

③専門性の高い業界のサービスを展開

二つ目は専門性の高い領域のサービスで展開しているという点です。

専門性の高い領域でサービスを展開することで、すでに大きなシェアをとっているホリゾンタルSaaSに対して競争力のあるサービスを開発しています。

バーティカルSaaSは以下のような業界で良く見られます。

医療

はじめに紹介するのは医療業界です。新型コロナウイルスの流行時、医療×バーティカルSaaSは大きな需要を獲得していました。医療業界は基本的に専門的な知識が必要な上、人々の生活に欠かすことのできない領域です。多くの人にとって必要で、かつそのニーズは永遠に途絶えることはないであろうことから、専門的なバーティカルSaaSとの相性がいいのです。

不動産

次に紹介するのは不動産業界です。IT化がかなり遅れていることで有名な不動産業界では依然として古い商習慣や文化が残っています。衣食住に関わるので、やはり市場規模としてはトップクラスなので、このIT化やDXを進めるサービスはかなりポテンシャルがあるだろうと考えられているのです。これこそ、不動産に特化したバーティカルSaaSが急増している原因でしょう。

建築

三つ目に紹介するのは建築業界です。建築業界は日本に関わらず世界のエコシステムを支えています。建築業界も専門知識は必要で、尚且つ日本の技術力は海外からも高い評価を得ています。バーティカルSaaS市場の中で世界と戦えるユニコーン企業が生まれるかもしれないのは建築業界なのかもしれません。

バーティカルSaaSのメリット

ここではバーティカルSaaSのメリットについてご紹介します!

競合が少ない

一つ目のメリットとしてあげられるのは競合が少ないという点です。ビジネスが成功するには競合の分析は必須になっています。競合が少ない場合、ビジネスの面で単純に勝ちやすくなります。

シェアを獲得しやすい

先位ほどの競合が少ないことにも繋がりますが、競合が少ないということはシェアを獲得しやすいということでもあります。シェアの拡大はビジネスのサイズに比例しているとも言えるので、シェアを獲得しやすい市場で戦うのはビジネス成功までの暗黙の了解ともいうことができるでしょう。

サービスを組み合わせられる

バーティカルSaaSの特徴の部分でも紹介しましたが、複数のサービスを組み合わせることが大きなトレンドになりつつあります。複数のサービスを組み合わせることでサービス同士の連携が生まれる上に、連携することで導入企業は他のサービスに変更しにくいのです。また、部分的なサポートではなくトータルでのサポートを行うことができるので、様々な部分にまたがった課題点を簡単に見つけることができます。このような動きによって顧客のLTVの向上にもつながるというメリットがあります。

バーティカルSaaSのこれから、2023年の展望

バーティカルSaaSは今後どのように拡大していくとみられているのでしょうか。

現状、バーティカルSaaS市場は飽和しているとは言えません。まだまだポテンシャルのある市場です。そのため新しい領域に挑戦するであろうバーティカルSaaS企業が誕生することは間違いありません。

また、早い段階でバーティカルSaaS市場に参入している企業のIPOも進んでいくと考えられます。

SaaSの中でも特にバーティカルSaaSは増えていくでしょう。ホリゾンタルSaaSは比較的大きな企業が多く、すでにシェアを拡大しています。このような大企業にスタートアップが勝ちに行くのは困難です。

ホリゾンタルSaaS市場には巨大企業ができ始めているからこそ、バーティカルSaaSが注目されているのです。バーティカルSaaSで、一つの業界に特化することでシェアの獲得を目指す企業はこれからもどんどん出てくるでしょう。バーティカルSaaS市場の動きに注目です。

まとめ

いかがだったでしょうか?今回はバーティカルSaaSについて書いてきました。専門領域に特化したビジネスモデルは世界的にも器用だと言われている日本人にぴったりの領域となってくるかもしれません。今後も資金調達ニュースはじめ、バーティカル市場は要チェックとなりそうです。

最後に。。。

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参考資料

https://ubv.vc/wp-content/uploads/2022/02/UBVentures_SaaS-Annual-Report-2021.pdf

https://onecapital.jp/perspectives/vertical-landscape-2022


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