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リアリスティック・ジョブ・プレビュー≪就活生・転職活動者≫

こんにちは キャリアコンサルタントの斉藤ももです

昨日の「白い嘘と黒い嘘を見極めましょう」
の続き的な内容となります

『幼女戦記』という作品(小説・漫画・アニメ)
をご存知でしょうか
そこではこのような募集要項が登場します

至難の戦場、僅かな報酬、剣林弾雨の日々、絶えざる危険、生還の暁には名誉と称賛を得る

『幼女戦記』より

これに対して主人公ターニャは
「どうみてもブラックな求人広告」
エリートは好待遇を望むはず と思っていたため
殺到した応募に対して 理解できない… 
と思う場面があります

小説ではなく現実社会で 
恐らく元になったであろう募集広告が
1914年 ロンドンの新聞に掲載されました

大英帝国南極横断探検隊 の募集広告です
5000人以上の応募があったそうです
そちらの文言が以下

MEN WANTED for Hazardous Journey. Small wages, bitter cold,
long months of complete darkness, constant danger, safe return doubtful. Honor and recognition in case of success.

求む男子。至難の旅。わずかな報酬。極寒。暗黒の日々。絶えざる危険。生還の保障はない。成功の暁には名誉と賞賛を得る。

1914年ロンドンタイムス:南極探検隊募集広告

いいことだけを書いているわけではない
むしろ いいことは最後の一行のみ
それが 人の心に響いた というものです

これは Realistic Job Preview(RJP)
の一例となります
アメリカの心理学者 ジョン・ワナウス
が提唱した
“リアリズムに基づく事前の職務情報” です


話を『幼女戦記』に戻しますが…
この話は 現代日本のエリートサラリーマンが
仕事でリストラ宣告をした社員から
恨みをかってしまい 命を落として転生する
という内容になります

ベースとして転生前の歪んだ人格や記憶が
ある(主人公自身が自覚)からこそ
このRJPな広告に 人が殺到することが
理解できない ということになります
とても現代的 そして日本的 とも
感じてしまいます

日本にはRJPからかけ離れた
リクルーティングがかなり当然のように
続けられています

これをどこかで変えていかなくては
リアルな情報を伝えられる場があり
それをバッシングするのではなく
現実として改善すべきところはしていく
そんな誠実さが必要だと思います

いいイメージだけで入った会社に
現実とのギャップに苦しむ
これは実際に多い話であり

キレイごとだな…と切なくなる会社説明会も
実際に数多く目にしてきています

「入社後状況に関する調査」レバレジーズ(株)

情報を受け取る側も
リアルを受けとめるだけの強さを持つ

企業側も 就活生・転職活動者も
双方が成長していかなくては
そしてキャリアに関わる仕事をする私たちも
その働きかけをしていかなくては

そんなことを
仕事をするたびに感じています

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