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IPOは出口か? 入口か?~千葉大学・スタートアップ概論~

㈱パワーソリューションズの高橋社長が、千葉大学「スタートアップ概論」にて授業を行いました。

この授業では、起業(スタートアップ創出)に興味のある大学院生を対象にし、社会で活躍中の方々がゲスト講師として招かれています。

高橋社長のテーマは「IPOとは何か?」。パワーソリューションズのIPOとその前後のストーリーについてです。


 IPOは「甲子園に出るようなもの」

IPOは「甲子園に出るようなもの」と、高橋社長。
IPO、つまり新規上場はバンドのメジャーデビューや、ずっと受かりたかった大学に受かったようなことにも近くて、念願叶った先のスタート地点のようだと言います。

一般にIPOは「エグジット」と呼ばれることが多く、出口という終わりのようなイメージがありますが、それはあくまでも投資家目線の話。

事業者側にとっては「これからもさらなる成長を続けなければいけない、終わりの始まり」であり、実際、パワーソリューションズはIPO前も後も着々と業績を伸ばし続けています。

「スタートアップ概論」で講義をするパワーソリューションズの高橋社長

 IPOを実施すると、資金調達をしやすくなるなど世の中からのお墨付きを得られるわけですが
IPO後に大変になってくるのは
①予実のズレがないこと
予想より下にブレたらひんしゅくを買うのはもちろんのこと、上側にブレても好ましくない
②すべてを開示
開示情報によって透明性を確保しつづけること(日本の上場企業に求められる開示情報量は世界的にも突出していて煩雑だといわれます)

など。特に就職活動中の学生にとって、開示情報はよい情報源だとアドバイス。Youtubeでも多くの会社が(個人)投資家向けに情報していますし、Yahooファイナンスなどのサイトも、最新情報が得られやすくておすすめとのことでした。

パワーソリューションズがIPOできるまで成長した理由

2002年に19㎡の一室から始まった会社が、今では上場企業になれたのは
①ターゲットが明確だった
②RPAの波にいち早く乗れた

の2点が大きいようでした。
 
①   ターゲットが明確だった
創業当初は大手SIerの2次請けで利益をつくっていたそうです。
しかし大手SIerの顧客は主に「IT部門」であることに目をつけて、それならばと「非IT部門」を顧客ターゲットにしたのが勝ち目のポイント。
⼤⼿SIerのように複数の下請け企業と連なっての開発体制ではなく、パワーソリューションズ単体で顧客と直接取引しながら開発する仕組みができたのは大きな強みです。

さらには顧客が「資産運用会社」の領域であったことも功を奏したそうです。その業界では人材の流動が活発なため、パワーソリューションズのサービスの良さが広まりやすく(ほかの職場で使ったことがある人が新しい職場で「これいいですよ!」と勧めてくれる)、信頼を積み重ねることができたそうです。
 
②   RPAの波にいち早く乗れた
2016年はRPA元年と呼ばれ、働き方改革や生産性向上を目指す社会的変化からRPAが注目されるようになりました。
パワーソリューションズはここにいち早く目をつけてUiPath(世界有数のRPAサービス企業)ダイヤモンドパートナーになるなど、RPA分野でのサービスを伸ばしたことはよいタイミングだったと言います。

2023年にはラスベガスで開催された、UiPath 社『FORWARD VI』カンファ
レンス内の 2023 Partner Awards にて、業界全体で⾃動化を拡⼤したパートナーに授与される「Industry Solutions Partner of the Year」を受賞。RPA導⼊から運⽤サポートや開発⽀援までワンストップ対応しています。
 
この後はさらなる成長を目指して引き続きBtoBの外資系SaaSのリサーチや、M&Aも絡めながら、武器を増やしつつ、社内大学(通称:ネクスト大学)や産学連携も通じて人的資本強化に向けた取り組みを進めていくとのことです。

パワーソリューションズの成長戦略
「ネクスト大学」という社内研修環境はパワーソリューションズの特徴のひとつ

起業したい学生は増えている!

学生からは「どのように信頼を積み上げて直接取引ができるようになったのか?」や「会社で働き続けている中での"思い"の変化」について質問がありました。
起業が視野に入っている学生も多く、授業後のレポートが楽しみです。
 
さて、大学発ベンチャーの数が躍進しているのをご存じでしょうか? 
経済産業省「令和5年度大学発ベンチャー実態等調査」によると、2023年10月時点での大学発ベンチャー数は4,288社。過去最高を記録し、私立大学のベンチャー数の躍進もみられます。

大学発ベンチャー数の年度推移
大学発ベンチャー数の大学別順位 https://www.meti.go.jp/press/2024/05/20240515001/20240515001.html

最後に、高橋社長から起業に興味のある学生に向けてこんなコメントをいただきました。

――「例えば、当社でいえば「DX」。そういう外部環境が好調な分野では、自身のビジネスアイデアを実現できる良い機会が多くあるように感じます。外部環境の追い風を受けつつ、どのような領域で、どのような価値を提供していくかをよく考えて、積極的に起業にチャレンジしていただきたいと思います」
 
高橋社長、学生の皆さん、ありがとうございました。

DXデザイン研究室の紹介もしてもらいました!(左:片桐先生(スタートアップ概論)、右:高橋社長)


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