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守備の色【vsFC東京雑感】

17日のFC東京戦で負けてからグランパス界隈がざわついている。

「守ってカウンターなんてつまらない」そんな書き込みがSNSで散見された。ちょっとこれ、同じグランパスサポとしてカッコ悪いと思う。

そもそものサッカー観、指向性が違う中でお互いを良い悪いと言い合う(この場合、こちらが一方的に腐しているが)のはナンセンスだ。「目玉焼きに何かける?」で喧嘩しているのと同じ。不毛である。

FC東京の戦い方はシンプルだ。とにかくボールサイドに対して球際を激しく人数をかけて囲い込み、奪ったら速攻。カウンターと言えばカウンターなのかもしれないが、長谷川健太監督はこれを「ファストブレイク」と称している。

ファストブレイク

声に出して言いたくなる語感だ。バスケ用語らしい。バスケでリバウンドやパスカットから一本のパスで決める速攻の事を言うようだ。しかしなぜ「カウンター」ではなく「ファストブレイク」なんて長谷川健太監督が言うのか?あまり見返したくは無いがDAZNで日曜日の試合を見返した。

FC東京は序盤から下がって守りを固める事に主眼を置いている訳ではなく、あくまで前線からボールを追ってきた。しかも、ボールサイドに極端に人数を掛けて追い込むことを徹底してきた。

リトリートしてブロックを組んで待ち構えるのではなく、ゴールへ向かう為の手段として前線から追い回し、出しどころを限定させ、奪った瞬間に前線にかけていた人数がそのまま攻撃に転じて一直線にゴールに向かっていた。

確かにこれは「ファストブレイク」と言った方が正しい気がする。当日の解説をしていた戸田和幸さんが、その辺の妙を分かりやすくポイント解説してくれている。

完全にFC東京の思う壺だったわけだ。

お互いに自身のストロングポイントを表現し続けていたが、FC東京はグランパスに出来なかった相手のウィークポイントを突く事が出来た。グランパスはFC東京のプレスと自分たちの裏に抜けられる事を怖がってしまった。

日曜日の試合はそういう図式だったのだ。単純にグランパスの選手が自分たちを信じられなかっただけなのだ。

そして自分たちを信じ続けて勝ったFC東京のサッカーを簡単に「つまらない」なんて言うのは、やはり間違っている。そういえばACLで久しぶりに帰ってきた本田圭佑も言っていた。

ディフェンスで色を出すチームがもう少し増えてもいいのかなと思いますね。ディフェンスで色を出すということは、たぶん攻撃でやりたいことを出せなくなる可能性があって……。それでも、そこを挑戦しないと、1歩、2歩、3歩、違う次元の選手になっていけないと思うんで。

FC東京は、まさに守備の色を持ったチームなんじゃないだろうか。そんなチームを更に上の力で捻じ伏せる事が出来てこそ、グランパスは強くなったと言えるんだと思う。それが出来ないのに相手を腐すのは、ただの負け惜しみでしかない。

そんなふうにおもいました。

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