見出し画像

「自分の気持ちに正直であること」PORTOスタッフ:ゆうこさんのこれまで(後編)

PORTOのことをもう少し深く発信する上で、関わる「ひと」というところからお伝えできれば、とスタートしたインタビュー「PORTOなひとたち」。記念すべき2人目はPORTOの保育士・ゆうこさん(吉田祐子さん)です。

前編では、教育大を卒業後、教員にはならないと決めたはずだったのに、保育士としての道を歩みはじめたゆうこさんの半生を聞きました。ドイツへ海外研修に行った後から、現在のPORTOまでのお仕事ヒストリーをインタビューしました。

結婚、出産を経験し、育児と仕事に改めて向き合う。

ー海外研修などを経たあと、結婚や出産をご経験されたんですね。
そうですね。出産後も、子連れで子どもに関わる場所には色々足を運びました。その頃に家族の住まいを神戸市に構えたこともあり、これまで勤めていた保育園を退職しました。

それからも娘と一緒に森のようちえんに見学に行ってその後運営のお手伝いをしたり、子連れで東京まで表現教育の研修を受けに行くなど、さらに学びの幅を広げました。

そんな中、その後PORTOに繋がるきっかけになる「こどもみらい探求社」のasobi基地というイベントに出かけて、代表の小笠原舞ちゃんと出会い、その後、asobi基地でもスタッフとしてお手伝いをしていました。

-子どもを産んでからも変わらない行動力ですね!そこでNPO法人ママの働き方応援隊にも出会うのですか。
初めは自分の住んでいる地域のママとの交流ができたらなーと考え参加して、その後トレーナーとして赤ちゃん先生授業をファシリテートしたり、保育業界だけでなく幅広いママとの交流を広げました。


企業主導型保育園の立ち上げ、園長として働く。

ーそこから保育園の園長になられたのはどのような経緯ですか。
 いろんな縁が繋がり、新設の企業主導型保育園の立ち上げに園長として関わることになったんです。これまでの自分の経験や育児を通して考え、感じてきたことを形にした保育園を1から作る経験をしました。

ー運営して1年経ち、未曾有のコロナ禍を経験されました。その状況で園長という立場では難しいことばかりだったと思いますが、実際はどうでしたか。
毎日変わる情報に翻弄されたり、分からないことばかりでしたが、とにかくひたすらに日々を過ごしていました。

園長としてそういった緊迫した状況で日々保育を進める中で少しずつ運営の法人とのズレが生じて、とても心苦しかったけれど、保育園を去ることにしました。

ーなかなか濃い時間だったんですね。今振り返るとその経験はどんな心境ですか。
必死で走ってきた日々を思い返して、気持ちが沈むこともあります。でも、葛藤したこと、たくさんの出会いなど、そこでしか得られなかった経験は財産だなと感じています。

ーそう言えるまでたくさん傷ついたりもしたと思うのですが、そう言える強さに心から尊敬します。退職後、これまでの経歴からお声かけなどもたくさんあったと思うのですが、次に働く場所はどのように考えておられたのでしょうか。
保育園運営に自分の全てを注いでいたので、正直しばらくは先のことは考えられず抜け殻のようになっていました。そこに、退職を知った先述の小笠原舞ちゃんから電話がかかってきて、PORTOの立ち上げに関わっていることと、そこで一緒に場を創っていく保育士スタッフを探しているとの話を聞きました。

他園の園長職などのオファーもあったのですが、PORTOの話を聴いて「面白そうだな」と思い、とにかく一度代表の奈央ちゃんと会い、話をするとその「面白そう」は確信になり、今に至ります。

働くって、お金や時間、やりがいなどいろいろな要素があるけれど、私にとってはワクワクできることや、作り上げていく面白さを感じるかどうか、など自分の気持ちがどう動いているかに対する比重が大きい気がします。

一時預かりの一コマ。優しい言葉がけに子どもたちも安心して過ごしています。

ー保育士としての働き口は正直たくさんある中で、この『仕事にワクワクできるかどうか、や作り上げていく面白さを感じるかどうか』といった、自分に問い、考えて仕事を選ぶ視点がゆうこさんの仕事観を表しているように感じますね。

また、ゆうこさんがこれまで好奇心と行動力を持って酸いも甘いも経験されたことが、いろんな方と繋がることで編み上げられ、今のPORTOへと歩んで来られたのだなぁと感じました。もっと聞きたいところ、たくさんあるのでまた聞かせてください。

・・・・・・・・
【編集後記】
ゆうこさんに初めてお会いした時、「迷っていいんだよ。そうやって考え続けることが自分を作ることになると思うよ。」と言葉をかけて頂きました。
(ちょうど育休中だったので、今後の身の振り方に悩んでいました。)その言葉に救われ、悩み、今ここにいることを思い出しました。

自分の「どうしたいか」に真摯に向き合い、保育士になり、そこからも考え、学び、悩み、そして自分の人生を選び取ってきたゆうこさん。自分の気持ちに嘘をつかず、周りを理由にせず、やりたいことを真っ直ぐに。責任の大きさに尻込みしてしまいそうなところでも真っ向勝負してきたこれまでの人生が、しなやかだけれど、軸のブレないゆうこさんを作りあげてきたんだなあと改めて感じました。

次回はそんなゆうこさんと、前回の記事でご紹介したさおちゃん(山本紗織さん)に、PORTOに働いていく中での変化や今後PORTOでしてみたいことなどをクロストークで紹介します。
(聞き手:みほ)