スピードスター

よくいる普通のサラーリーマンです。だけれども趣味が高じて外車遍歴20台以上。 空想ガレ…

スピードスター

よくいる普通のサラーリーマンです。だけれども趣味が高じて外車遍歴20台以上。 空想ガレージに並べた車たちを、拘りの時計をはめて、駆り出す世界観を描いてみようかとNote始めました。 珈琲とエッジの利いたカレーが好き。

マガジン

  • レディとマシンは俺に訊け(きけ)

    口説き=車 X 時計 の、お・は・な・し。 車の簡単なインプレッションと、時計コーディネイトの一例を添えて

最近の記事

元舞台女優の眼を潤ませて(ラテンの貴公子プジョー406クーペ)

俺は今、信号待ちで大きなショーウインドーに映り込む406クーペの美貌を眺めながら、左腕に纏ったヴァシュロン・コンスタンタンの名作222に、時刻を確認するでもなく眼を向け、助手席の彼女の名前を頭の中で復唱した。 今回のマシンは、プジョー406クーペだ。 うっとりするようなそのボディラインは、フェラーリやマセラティなどで名車を排出してきたイタリアのピニンファリーナ社による。中でも406クーペは「ピニンファリーナが手掛けた最も美しいクーペ」と評される程だ。担当デザイナーは306モ

    • 美しすぎるヴァイオリニスト(哀愁の北欧特急SAAB 900turbo)

      俺は今、スウェーデンのサーブに美しいヴァイオリニストを乗せている。腕には純白エナメル文字盤のジャケ・ドローをまとい。 彼女はN響のヴァイオリニストだ。米国大学院留学の友人が趣味でヴァイオリンをたしなんでおり、その練習会メンバーである彼女が演奏するコンサートに都合のつかないその友人の代わりに行ったのが出会いだ。コンサート終わりに彼女と食事をした。かなりの美人でテレビ映えもするからであろうか、若手ながら指揮者に近い位置に座っていた。空調の風がきつくて楽譜が揺れて演奏し辛かったこ

      • ラテンのリズムで踊ったレディーたち(キュートで気丈なプジョー206CC)

        世紀の変わり目、2000年ミレニアムを超えた頃である。フレンチコンパクトのオープンカーと共に、レディーたちとのランデブーストーリーが吹き抜けていった。 マシンはプジョー206CCだ。 日本でプジョー206は、フランス車としては、後にも先にもないほど異例のヒットを誇った。コスパの良さとスタイリッシュなハッチバックとして特に女性ドライバーから強い支持を集めていたように思える。一方でWRCといったラリーレースシーンでも大活躍していた車種でもある。 その206のオープンバージョンが

        • M&A交渉先の女子社員 (最終FRモデルBMW118dの見事なパーケージ)

          俺は今、ティファニーの文字が入るロレックスエクスプローラ2を腕に、BMW 118dを軽快に走らせている。隣にはタイプの女の子を乗せて。 数十億円のM&A協議。先方のオフィスで会議室へ案内しお茶を出してくれた女性が今回のレディーだ。クロージングの目標期日も迫り、難しい折衝が続く中、交渉相手の面々が憎たらしく見えてくる頃合いでもあった。 こんな素敵な女の子との邂逅があるとは、捨てたものではない。小柄で、ショートボブヘアから、えも言われぬ、まるで”仲良くしてね”とでもうったえか

        元舞台女優の眼を潤ませて(ラテンの貴公子プジョー406クーペ)

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        • レディとマシンは俺に訊け(きけ)
          14本

        記事

          船上のDJイベントに現れたレディ(疾走するライオン、プジョーRCZ)

          俺は今、プジョーRCZ Rのマニュアルシフトをかき回して常時レッドゾーン領域でマシンを唸らせ疾走している。まだ早めの夜の首都高。腕のパテックアクアノートが20時半を指す。隣には今宵もまた新たなレディを乗せて。 プジョーで唯一のアルファベットの車種名のRCZ。このメーカーの通常のファミリーカータイプのラインナップからはおおよそ想像できない、コンセプトカーのようなデザインそのままに市場に放たれたスタリングに魅せられて、衝動的に買い求めた車だ。 実は、ハイスペック限定車の「R」は

          船上のDJイベントに現れたレディ(疾走するライオン、プジョーRCZ)

          エアレースに魅せられた女(フェラーリ599の怒涛の推進力)

          俺は今、ピニンファリーナのデザインによるベルリネッタを走らせている。腕にはヴィンテージのRolexデイトナを巻いて。 ショットガンにはまた別のレディだ。 俺のマシンはフェラーリ599。 このFRのV型12気筒モデルは「フェラーリ599 GTB フィオラノ」が本来の車種名だが、日本では数字だけの名称「フェラーリ599」になった。 「GTB」(トヨタ自動車)も「フィオラノ」(オートバックスセブン)も商標登録されて経緯があり、「599」は、単純に5,999ccのエンジンだからだ。

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          管制官の女。(スーツを着た四つ輪の猛牛、アウディS8)

          俺は今、V10エンジンのスーパーリムジンで女性を送迎している。 3つのルール「依頼人の名前は聞かず」「契約遵守」「依頼品は開封しない」に従って。 映画トランスポーターで、運び屋の主人公が定める仕事引き受けの不文律だ。と言っても映画では、全て自ら破るのだが。 俺のマシンはアウディS8。 ラグジュアリーサルーンそのままの外観ながら、ランボルギーニ・ガヤルドと同じ5.2リッターV10ユニットを積む、四つ輪の猛牛だ。 2シーターのガヤルドに飽き足らず、V10のトルクと回転数が淀み

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          フォトジェニックなレディ (速筋ボディのランボルギーニ・ガヤルド)

          俺は今、ガヤルド・スーパーレジェーラのV10が織りなす鼓動と、カーボンボディのゼニス・エルプリメロの精緻な刻みと 己のリーンボディとを三位一体化させんとしている。 そして今回のショットガンレディもまた、中々の色気だ。 俺のマシンは、ただのランボルギーニ・ガヤルドLP570-4ではない。イタリア語で超軽量を意味するスーパーレジェーラだ。カーボンファイバーバーツを多用し、ベースモデルより約大人一人分(70kg)軽量化されている。目に入るメーターパネルまでもがカーボンだ。 視覚

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          リアシートの女子大生たち (BMW M6グランクーペを駆り出して)

          俺は今、アイスブルーに輝くM6に乗り、アイスブルーダイヤルのROLEXを腕に納めた左手でバックミラーを少しばかし動かした。映り込むリアシートの女子を確認する。 そして左に傾けた俺の視界にもう一人の女子が映る。 伊豆のキャンプ場で一晩過ごした帰り道だ。大学の社会人向け講座で知り合った、年齢もバラけた仲間数人のゆるいキャンプパーティーである。 帰りは、ラグジュアリーカーに乗ってみたいという、女子大生二人の送迎を俺のマシンで請け負う事になった。 アウトドア、特にキャンプなんかは、

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          大手広告代理店の女 (アバルト595の粋な走り)

          俺は今、上下スリムなジーンズにサングラスを掛け、アバルト595を、イタリアン腕時計スクーデリアをはめて流している。 となりには、また新たな女を乗せて。 出会いは、共通の知人の麻布十番のマンションでのホームパーティー。 パーティー中は話す機会が無かったが、タイトなスカートをはき、決して派手ではないが、スポーティーで色気のある魅惑的な女が気になっていた。 二次会の立ち飲みバーで、常連らしき外国人も交え、別々のグループで談話していた。 その魅惑的な女とは、時折、目線があった。

          大手広告代理店の女 (アバルト595の粋な走り)

          字が流麗なレディ (アルピナXD4の美しき淀ない走り)

          “すごいわ。道路が流れていくみたい”  俺は今、アルピナグリーンのXD4で、ヨーロッパ田舎町風情の中を走っている。上質なラヴァリナレザーのハンドルを握る袖下からは、グリーン文字盤のピアジェが顔をのぞかせて。  そして、、、、例のごとく レディが助手席を埋める。 出会いは、持ち寄りワインの会だ。 受付の記名簿に、ひときわ美しい書体が一人あったな、と何となく思いながら、会場に入った。 自己紹介が始まると、当番でワインを持ち寄った人は、その説明もする。 俺は今回、アルピナ・ワ

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          有名指揮者の娘 (アストンマーティンDB9のしらべ)

          ”このすごいスポーツカー、なんだかチェロのような感じね” と、女はダッシュボードをゆっくりと指でなぞりながら言った。 俺は今、アストンマーティンDB9を走らせている。その深いセンターコンソールを隔てた隣にキレイめな女を乗せて。腕にはビンテージロレックスのサブマリーナ1680を相棒に。 DB9のエレガントなボディプロポーションと内装の優美さは、言わずもがなである。だが、そんな目につく部分だけではない、ドライバー本人にしか伝わらない世界観がある。ハンドルを斬り戻し回すときの、

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          エキゾチックダンサー (ポルシェGT3の9000rpmトリップ)

          その長いトンネルの中で、女の口から大きく歓喜が放たれた ”楽しいー!” 俺は今、991型ポルシェGT3のハンドルを握っている。パリで買い求めたヌバック革のドライビンググローブにホワイトゴールド製のロレックスのデイトナをコーディネートして。 GT3は、通常の911カタログラインナップ車種でありながら唯一の2人乗りの仕様であり、公道を走るレーシングカーとも称されている。 そんなマシンには、やはりサーキットから名称を取ったデイトナだろう。中でも、この116519LNモデルのシ

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          レーシングヘルメットの女(風を斬る空冷ポルシェSpeedster)

          ”あなたのその機敏な運転すごく好きだわ。私、トロトロ走る男が嫌いなの。” 俺は今、空冷ポルシェ964型スピードスターで風を斬っている。そのハンドルを握っている腕にはタグホイヤーのモナコを巻いて。そして右隣のシートには、女がいる。 スピードスターとはオープンで乗ることを前提としたポルシェ911の中でもかなりのスペシャルモデルだ。 デザイン意匠としてかなり低いフロントガラスのおかげで、何割増しものスピード感とエアーを肌で感じられるのが最高の特権だ。引き換えに会話が難しいほどに

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