【キッチンリフォームてんやわんや日記】~序章:夫の遺志を継ぐ!~
「Sachi、ずっと先延ばししてたけど僕は決めた!今年キッチンをリフォームしよう!」
2022年が明けて間もなくの頃、夫はニコニコしながらそう言って「こんな感じはどうだい?」と、PCで私にいろいろなキッチンの画像を見せてくれていました。
それから間もなく。
これからバレンシアに春がやってくるという時、彼は突然この世から去ってしまいました。
絶望の2022年
スペインという異国でたった1人、いや、愛猫のロメオと共に残され、これからどうすればいいのか…。
悲しみと恐怖と絶望のどん底に叩き落とされ、泣きながら夫の手続きをこなす日々。
次の人生なんて考える暇もなければ意欲もありません。
それでも日々は容赦なく移ろい行きます。
次の人生なんて考えたくなくても、息をしている以上、これからの生活をどうしていくか考えなければなりませんでした。
生活するためにはまず、収入を得なければならない。
《自己紹介》でも書いたように、ありがたいことに日本の友人の誘いで日本の会社でライターとして働けるようになりました。
でも、ここ最近の円安も影響して、日本からのお給料だけでは心許ない…。
スペインの仕事を探そうにも、なんせ私のスぺ語レベルでは全然話にならない…。
どうしよう。
友人たちの提案と希望の光
「Sachiの家には空き部屋があるだろう?誰かとルームシェアして賃貸料を得たらどう?」
ある日、夫の友人たちがそう提案してきました。
実は夫には連れ子がいました。
でも彼亡き後、子供たちは母親の家に移り住み、もう我が家にはいません。
だから元・子供部屋だった一室が空いているのです。
それはグッドアイデア!
たった1人で暮らすのはちょっと怖かったし、誰かと一緒に住めるなら、きっとこの寂しさも少しは紛らわすことができる!
キッチンリフォームを決意
だけど、ルームシェアをするなら問題がひとつ…。
それは、未来のシェアメイトも頻繁に使うであろうキッチンです。
床のタイルは割れ、壁のタイルはいくつも剥がれ落ちていました。
天井はひび割れ、水道の蛇口も根元からグラグラしているし、結婚当初から壊れて使えなくなっていた建付けのオーブンの中は、今や鍋やフライパンの収納庫と化しています。
控えめに言ってもUn Desastre:惨状でした。
私1人で使っている分には、なんとかギリギリまだいけるけど、見知らぬ誰かと住むとなると話は別。これじゃ酷すぎる…。
ルームシェアで賃貸稼ぐなら、まずは出資だ!
キッチンをリフォームしないと!
キッチンは元々2022年にリフォームするつもりでいたし、ここは私が彼の遺志を継いで、やったろうじゃないの!
そう決意したのが、夫の死から1年後の2023年の春でした。
始動!
2023年のLas Fallasの後(3月下旬)、私は友人の設計士に連絡を取ってみることにしました。
間もなくイースターが始まるから、リフォームはイースターの後(4月中旬か5月)から始めたいと考えていました。
友人の名前はクリスティーナ。
彼女は夫の友人のお姉さんで、実は数年前、彼女には我が家のバスルームのリフォームを依頼した過去があり、その出来栄えとアフターサポートには夫も私も大満足していました。
だからキッチンリフォームも彼女に頼もうと、以前から夫とよく話していたのです。
私も彼女には親しみがあるし、弟である夫の友人とも仲良しです。
意思疎通で気を遣ったり困ることもない。
私の今の状況もよーくわかってくれているから、すべてをゼロから説明する必要もない。
スぺ語もスペインのリフォーム事情もよくわかっていない私の代わりに、すべての交渉事に間に入って助けてくれる。
クリスティーナは私にとって最強の助っ人です。
私は早速クリスティーナに電話しました。
「イースターの後か~。レンガ職人(Albañil)に予定を聞いてみるけど、もしかしたら難しいかもしれないわよ?みんなイースターの後を狙って依頼してくるから、albañilも大忙しなのよ。」
ま、まじか…。
スペインの洗礼?工期のめどが立たない!
特に急いでいるわけではないけれど、4月後半か5月頃にはリフォームを着工して、夏休み前に終了。夏休み中のRebajas(レバハス:7月~8月頃にあるスペインの夏のセール)の間に安く家具や小物を揃え、9月の新年度が始まると同時に学生さんか誰かとルームシェアを開始できれば最高だな…と、ざっくり計画を立てていたのですが、早速暗礁に乗り上げました。
家の天井・床・壁を手がけるalbañilたちのスケジュールが立て込んでいて、一向に空きがない!
それじゃあ、夏休みが終わって9月から。
10月からなら始められるかも。
11月になりそうよ…。
もうすぐクリスマス休暇になっちゃう…。
年内の着工が難しくなってきた頃、私もさすがに焦りが出てきました。
スペインでは、しつこいぐらい催促しないと動いてくれないこと多し!
いくら急がないとはいえ、私もおとなしくしすぎました。
のんきな私とは裏腹に、春からずっと職人たちに催促していたクリスティーナは、もうすでに限界を突破。(責任感が強い人ですからね。)
「Sachi!1月に始めるわよ!クリスマスが終わったら、1月8日に何が何でもalbañilたちをあなたの家に行かせるから!キッチン片付けておくのよ?わかった?」
12月のある日、クリスティーナから勢いよくこんな電話がかかってきました。
「年が明けたら大忙しよ。albañilたちが作業を始める前に、瓦礫回収コンテナの予約も行くわよ。」
「えぇーー?オ、オッケー。」
2023年、私は夏に2泊3日のロンドン弾丸1人旅をしたのをきっかけに、ヨーロッパ弾丸旅行にハマっていました。
クリスマスはフランスで年を超そうと計画していて、スペインに帰って来るのは1月2日です。
「じゃあ、コンテナの予約は4日に行きましょ。」
そして2024年。
フランス旅行の余韻に浸る間もなく、仕事初めとコンテナの予約とキッチンの片付けを同時進行するという、とんでもない激務で2024年とキッチンリフォームが幕を開けました。
次回からは文章、崩れまくります笑
実はこのリフォーム日記、自身のFacebookで身内だけに投稿していました。
ところが自分で言うのもナンですが、なかなか好評でして…。(待てよ?身内が優しいだけかー!)
よそのお宅の、それも海外のリフォームなんて滅多にお目にかかれないし、noteのネタとしても十分オモシロイのでは?と考え、noteへの投稿を決意しました。
気心知れた友人相手のFacebook投稿をそのまま持ってきますので、今日のような丁寧な文章なんかではありません。
だいぶ馴れ馴れしい口調(文調?)になりますこと、何卒ご了承いただいた上で、ぜひ次回からの投稿をお楽しみに♪
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