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おっさんが美奈代の誕生日に買ったミントをお持ちの方、誰か存じ上げませんが返してください。


ミント


今日の話は、嘘のようなホントの話。

信じるか、信じないかは貴方次第…

では、今日も張り切って本編へ!

その日は、美奈代の誕生日だった。

僕らの職場は、自然と
みんなの誕生日に
それぞれが、プレゼントを渡す。

僕からは、 小学生の娘がいる美奈代に
お家で育てられるイチゴのキット
プレゼントした。


偶然にも、おっさんと若干被ったのだが
おっさんからは
お家で育てられるミントのキット
プレゼントしていた。


美奈代は、元々
職場の植物やお花の面倒を
いつも、率先して見てくれているので
僕は、そういう女性的なところが
あるんだろうなと思い、
イチゴのキットに決めた。

きっと、おっさんも同じで
普段からよく、
面倒を見てくれているのを
知っていたから
ミントのキットを渡したんだと思う。

美奈代は 、どちらのプレゼントも
すごく喜んでくれた。

そして…大切に育ててくれた。

元気いっぱいに育ってもくれた…。

くれた………。

くれた………。

くれた………?

いきなりだけど…
時は、遡ること台風の季節。

その日は…
ものすごい、風と雨の日だった。

僕らの職場の地域も、警報が出て
出勤停止になるくらいだった。

美奈代の家は、一軒家で
外に沢山の綺麗に整えられた
お花や、植物が並べられてある。

そこに、僕の”イチゴ”と
おっさんの”ミント”もいた。

たくさんの雨風を受けたのであろう…

次の日の朝。

美奈代が、いつもどおり
植物のお世話をしようと
外に出ると
なかなか悲惨な状況であったそう。

一生懸命大切に、
育てている人からしたら
すごく辛いよね。

その日のことを
美奈代が、すごく悲しそうに
話していたことを覚えている。

ただ、その日
植物の手入れをしているとき
いつもとは違う違和感が
家の前にあったそう。

おっさんの”ミント”がいない…

大切に育てていた”ミント”がいない…

他のみんなはいるんだけれど
おっさんの”ミント”だけがいない…。

美奈代は思った。

美奈代
(昨日の台風で、
 飛んで行ってしまったのかもしれない…)

だから、朝から大切な
”おっさんミント”を探しに出た。

すごくすごく探したそうだ。

でも結果いなかった。

”おっさんミント”は旅立ってしまった。

正確には
”おっさんミント”だけがいなくなった。

悲しい。

美奈代は、いまだに
おっさんにこのことを言えないでいる…

ただ、”おっさんミント”だけは
水をあげても…
あげても…

芽が出てこなかったそう。。。

だから本当は
”おっさんミント”ではなく…

”おっさん土(つち)”だったそうだけど…。


また次回。。。
 

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(๑╹ω╹๑ )