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犬を被ったかくれ繊細さんの恋愛


一緒にいる時、自分が猫になれる人。

そんな人が、かくれ繊細さんである私が恋愛できるお相手なのではないかと思います。

今日は、デミセクシャルである私のことは一旦置いておいて、かくれ繊細さんである私の恋愛について書いてみます。

私は周りを気にして、相手に合わせてしまうことが得意なので、″いい子″というイメージを相手の方に持たせてしまうことが多いです。殆どの方が「犬」に対して持つイメージのようないい子。明るい・健気・従順・無邪気、きっとそんな感じ。

よく、「猫を被る」と言いますが、どちらかと言うと私は「犬を被る」タイプのようです。いや、正確には犬の私も私なので、犬と猫のミックス?ですかね。(おかしい表現ですけど伝わっていますか?)とにかく、みんなは猫の私を知らない。

HSS型HSP=かくれ繊細さんは常に周囲を気にしていて相手にペースを合わせます。でも実は、自分のペースも持っています。自由気まま。外で気を張っている分、お家ではだらーんとなる。帰宅するとすぐに睡魔が襲ってきます。

では、具体的に、私が一緒にいて猫になれる人はどんな人なのか?


それは、話し方が優しい穏やかな人です。そんなの当たり前だよ〜と思われた方、おそらくその想像を遥かに超える度合いです。いわば、機嫌が上下しない仏様のような人でしょうか。いつ話しかけても「んー?」とゆるめのトーンで返してくれるような。

最近までずっと私は、私を笑わせてくれる面白い人が好きだ!自分を持っている人が好きだ!と思っていたのですが、どうやら自分で自分を分かっていなかったようです。そりゃ恋愛できないのも納得。

かくれ繊細さんの本の中でも、恋愛は、かくれ繊細さんにとって本当の気持ちを伝える練習になる。と書かれていましたが、仏様のような方でないと、ありのままの自分の状態で話せないし、自分の意見も伝えられません。会社でも、上司に「今、お時間宜しいですか?」と問いかけるのにすこぶる勇気が必要なのです。イライラしてなさそう、忙しくなさそう、を見計らってやっと声をかけます。

例えば、一緒にレストランやカフェへ食事に行って、料理が出てくるのが遅かったとします。そこで、店員さんに対してクレームをつけるなど、相手がイライラしていると、私はどっと疲れます。イライラの矛先が私であろうとなかろうと、一緒にいる人の機嫌が悪いということが、私にとっては何より居心地が悪いのです。

過去に、恋をしていたなと思うあの方も、恋に繋がるかもと思ったあの方も、考えてみると共通点は、話し方が優しくて私に威圧感や緊張感を与えないという点でした。圧力もなければ急かされる感じもない。私が頭の中で考えをまとめたり、選択に迷っていたり、言葉を紡ぎ出す為に時間がかかったりしても、待ってくれる。

だから、私は猫のように、自由気ままにいられました。突然戯れ始めたと思ったら、突然飽きてやめて、気が付いたら向こうで眠ってる。むくっと起きて隣にきてまた眠る。そんな猫みたいに、私が私のペースでいられることは本当に本当に稀です。


そして、もうひとつ。

かくれ繊細さんの特徴として、とても感受性が強く感情の幅が広い、ということをお伝えしてきていますが、その感情って、善悪どちらにも幅が広いのです。

例えば、私は話し方や声質から、”おっとり”とか”ゆるい”などと言った印象を持たれます。そういう一面があるのも本当。でも、その反対の面もあるのが私です。

ぼーっと日向ぼっこすることは大好きだけど、効率が悪いことは嫌いですごく気になる。人の良いところによく気付くけど、人やシステムの欠点にも実はすぐ気付いている。周りに影響を受けやすいけれど、自分の正義や信念の部分についてはとても頑固で我が強い。好奇心旺盛で急にやる気になるけど、飽きっぽいし急に何もする気が起きなくなる時がある。大丈夫だよ!と言っておいて全然大丈夫じゃない。

私は、上記に並べたような、自分が周りに見られている側とは反対側にある一面を愛してもらえる自信がありません。それを知られてしまうとガッカリされる。だから好意を寄せてもらっても、これ以上深く知られたらあなたは私を嫌いになるだろうな。なんて思います。どうしてこんな風に思うのかと言うと、実際にそういう経験をしてきたからです。シャキッと仕切ろうとすると「なんかイメージと違うね」とか、弱音や愚痴を吐いてみたら「君はいつも笑顔の方がいいよ」とか、自分の意見を伝えると「意外と我儘だね」とか。そんな言葉を受けて、反対側の自分は出してはいけない。と、反射的に隠すようになったのだと思います。相手の方は悪気があって言った訳ではないと分かっていても、私はそう言われた自分を恥じてしまうのです。

従って、かくれ繊細さんである私の反対側を知る人は限られています。その限られた人は、「私を嫌わない」と私が確信を持てる人です。その人の前でだけ、私は安心してマイペースを発揮します。甘えられます。だらけられます。感情表現が大胆になります。

少しでも私を嫌うかもしれないという不安があると、私は自分を表現することは出来ないので、所謂”恋の駆け引き”などをされたら私も追いかけることなく引きます。駆け引きを楽しめるタイプではありません。分かりやすく私を好きだと表現してもらえないと、きっと私は誰かとお付き合いを始めるのも続けるのも難しい。


これまで私は自分のこういう部分を分かっていないままで、恋愛ができない自分に劣等感を感じていました。でも恋愛できなかったのも当たり前ですね。自分で自分を分かっていなかった。

犬を被った私の、垣間見える猫の部分を「おもしろい」と思ってくれるような方といつか出会えるのかなーと、ぼんやりと今は思っています。相手自身のことも、相手の方と一緒にいる時の自分自身のことも、ふたりでいる時間も愛せるような、そんな恋愛ができるといいな。






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