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過去記事振り返り(12/3〜12/6)

2020/12/3

2020年の演劇作品『 楽 園 迫 る 』の稽古を終えて、明日からいよいよ本番!というnoteです。

今は12月28日〜30日に北千住BUoYで上演する『斗起夫』を演出しているのですが、『斗起夫』は、私がこれまでのどの作品よりも頑張ってつくっている作品です。と言いきれるくらいには一生懸命やっています。時には躓いたり、時には悩んだりを繰り返しながら……。

私は、作品をつくるときには神経症的かつ不安症的になってしまって、未完成の作品を自信を持って宣伝する、ということがふだんできないのですけれど、『斗起夫』は絶対に面白い舞台になると確信しています。ぜひ観に来てほしいです。


2019/12/4

43℃のシャワーを浴びると、つま先がじんじんとしてきます。あたたかい血が全身を勢いよく流れはじめる。ぼくはたいていこの瞬間に生きていることを実感します。

実体をなくしてしまったので

生きていることの実感。それは、『斗起夫』の劇中でもキーワードになります。
繰り返しの日々なかで生きていると、生きていることの実感が薄れていきます。『斗起夫』は、生への実感を掴もうと行動を起こし始めるひとりの成人男性の物語です。


2019/12/5

なぜ私は芝居を続けるのでしょうか。芝居が好きだからという理由ももちろんあるけれど、もっとも根底にあるのはこのnoteに書いているようなことだと思います。


2020/12/6

芝居をつくっていく際に、不確実性とか言い始めたのはこの頃からです。

するかもしれないし、しないかもしれない。その不確実性のうちに僕たちは存在している。演劇をつくったり、上演したりしていると、そのことを強く実感するし、同時に愛おしくさえ思えてくるのです

不確実性と演劇

と過去の自分は書いています。ただし、不確実性を愛おしく思えてくるのは自分が意志をちゃんと伝えようとしたときだけであって、そうじゃないときはそもそも不確実性は発揮されません。

当初は、私もそのことを理解してこの不確実性という言葉をつかっていたのですが、概念だけがひとり歩きして、ついには概念も変質してしまった。

演出することはとても難しい。自分の「やりたい」を伝えるというのはひじょうに
骨の折れることだ、と最近は思うのです。比較して、小説を書くのは易しい。文章力さえあれば自分の「やりたい」を形にすることができてしまうからです。

でも、芝居の、小説よりも面白いところは、やっぱり一生懸命伝えてもその通りにならないかもしれない不確実性があるということなのです。不確実性を楽しめるかどうかの鍵は、一生懸命伝えようとしたかどうかなんだと思います。

自分がオーダーしたものがその通りに具現化されたときの喜び。また、自分のオーダーとは少しズレているけれど、それもまたよかったときの嬉しさ。集団創作の愉しさというのはそういうところにある、と思うんです。それは、コミュニケーションの難しさと楽しさと通ずるところがあり、芝居をつくっているとクリエイション以外の点でも、学ぶべきことを多く発見することができます。


次回演劇公演

斗起夫

-2031年、東京、都市についての物語-

公演日時

2022年12月28日(水)〜12月30日(金)
12月28日(水) 12:00 / 18:00
12月29日(木) 12:00 / 18:00
12月30日(金) 12:00    

会場

BUoY(北千住駅より徒歩11分)
https://goo.gl/maps/DVdWnx9cjSbSFMPn6

チケット

一般 3500円
U-30(30歳以下)3000円
学生 2000円
高校生以下 500円

▼ご予約はコチラからよろしくお願いします。

あらすじ

世界を、広く、大きなものにしていく——
世界を主体的に生き抜くために、行動を起こし続けることを選択した斗起夫は、父が死んだ日に「運命の人」とめぐり逢う。ぎこちない不自然なコミュニケーションが、人間同士の溝を深め、やがて過去のトラウマを喚び起こす。そして、彼はあることを決意するだろう……。オリジナル小説から産み落とされた精確な筆致、言葉の数々。ぺぺぺの会、渾身の傑作長編。

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今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。 これからもていねいに書きますので、 またあそびに来てくださいね。