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まじか!それアリなんだ…!~元・野生動物研究室の井口もびっくり、超パンクなアフリカ動物記 ①~

はじめまして!
入社前は野生動物学研究室でフィールドワークをしていて、昼夜問わず哺乳類を追いかけて山や海を駆け回っていた、ポプラ社の新人(2年目に突入!)です。

こどもの学びグループの、井口と申します。
言わずもがな、動物めっちゃ好きです。

鯨類調査中2

【これは、鯨類調査中の井口。日焼け対策に余念がないことで有名でした】

ある日、noteチームの先輩から、「井口さん、今度、おもしろい動物の本が出るんですよ。noteに紹介記事を書いてみませんか??」
と、1冊の本を手渡されました。

それが、『パンク動物記 アフリカの最強動物』です。

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【アフリカの最強動物…心躍る響きです】

ふむ。
なまじっか動物の知識があったわたしは、「こども向けの本か~どれどれ」って感じで、余裕しゃくしゃく(超超超生意気)で読み始めました。

でも、読んでいくうちに、ちょっと焦りが出てきました。

「し、知らないことがけっこう書いてある…」

担当編集H先輩によると、著者のパンク町田さんは、世界各地を旅していろいろな動物を調査したり、動物の輸出入やペット相談に応じたりなど、動物に関するあらゆる活動をされているとのこと。

まじか、すごい、どうりで…。

俄然、パンク町田さんに会ってみたくなったわたしは、ボソッと呟いてみました。

「パンク町田さん、お会いしてみたいです…。」
「あ、いいですよー。」(担当編集H先輩)
「え?!」

こんな簡単に著者の方に会えるなんて…出版社すごい。



そういうわけで、今回の記事は2段階構成となっております。

前編は、『パンク動物記 アフリカの最強動物』をまだお読みでない方に向けたご紹介や、わたしが読んで感じたあれこれ。

後編は、パンク町田さんの個人授業「動物と接するときに大切な心がけ」。
(実際はインタビューというカタチだったのですが、授業といっても過言ではないほどご丁寧に教えてくださったので、あえて!)



『パンク動物記 アフリカの最強動物』を手に取ってみてほしい、読んでみてほしい!!という想いを精いっぱい記事に詰め込んでみますので、拙い文章で恐縮ですが最後までお付き合いいただければ幸いです。


臨場感がすごい!『パンク動物記 アフリカの最強動物』の特長


まずは、『パンク動物記 アフリカの最強動物』を、まだお読みでない方に向けてご紹介を。

「カバ」項目の、最初の一文は、こうです。

ドドーン!ガホドホガホドホ!
(↑↑水中から突如カバが現れた時の音)


その他、
ドドドド!バキバキ!グチョーン!(ゾウ)
ガルルルリィ…ガガガオー!ズゴーン!(ライオン)
ドゴガボズシャゴボーン!(四駆でハゲワシを追うパンク町田さん)←井口お気に入りの場面

これだけで伝わるんじゃないかな…なにより言いたいのが臨場感たっぷり、というところです。

わたしには分かります。これは、野生動物をすごく近くで見てきた人だからこそ書ける文章だと。
動物たちの強いエネルギーが、本のいたるところからあふれ出ています。
動物園で檻の外から眺めているだけでは、こんなパワーを感じることはできません。

ワニに鼻を噛みつかれたゾウの反撃。怯えるキリンの全力キック。
動物たちの刹那が、色鮮やかに切り取られています。

ワニとゾウ

【こんな驚くような場面も、パンク町田さんは目の前で見たそうです】

『パンク動物記 アフリカの最強動物』では、行ってみないと分からない、見てみないと分からない。そんな動物の話を知ることができます。

昔から行きたい行きたいと思っていたとはいえ、サバンナに今すぐ行きたくなるので困ります。

アフリカのサバンナ行ってみたいなあ、どんな感じなのかなあ…、と、漠然と憧れている動物好きのこどもたち(大人ももちろん)に、とってもオススメです。


ただのエッセイではない!アフリカの動物図鑑としての一面も


この本は、一言でいってしまえば動物研究家のパンク町田さんによる動物エッセイ。
で・す・が!
そんな「枠」には収まりきりません。ただのエッセイとは、また一味違うんです。

例えば…
✓ゾウが津波を感知して、結果的に人の命が救われた話。
✓古代ローマコロッセオで、ライオンが戦わされていた歴史。

みなさま、ご存知でしょうか??
こういう、動物と人とが関わることで引き起こされた歴史上の様々な出来事も、きちんと教えてくれます。
ちなみに、わたしはどれもこの本で初めて知りました(悔しい)。

さらに!
パンク町田さんは、気になることを調べるためならば、かなり勇気のいりそうなことでもやり遂げてしまいます。

例えば、『パンク動物記』では、以下のようなシチュエーションが出てきます。
・僕の目の前で、アフリカゾウがおたけびをあげながら、アカシアを食べています。
…逃げなくて平気ですか?!
・ムシャムシャと草を食べるシロサイの口の中に手を入れてみました。
…手は無事ですか?!
・イノシシは、僕の腕に巨大な牙を突き立ててきたのです!
…腕は無事ですか?!
・以前カバのくちびるにはさまれたとき…
…なんでそんなことに?!
・2週間泊まり込みで、キリンと一緒に過ごしました
……いやだから、なんでそんなことに…!!


驚きとツッコミが追いつきません。


こうして得られた、世界中でパンク町田さんしか知らないのではないかと思うような動物たちの驚きの行動が、これでもかというほど収録されています。

もちろん図鑑に載っているような基本情報もしっかりと書かれていますし、そこから遡って進化の過程にまで言及されています。

歴史…研究…基本情報…進化…
盛りだくさんです。
「おお、毎日楽しそうなおじさんだなあ~」だけでは終わらないのです。

先ほど、漠然と憧れている子たちにオススメと言いましたが、
初めてアフリカに行くとき、動物ガイドブックとして持っていっても良いかもしれません。

通勤中

【アフリカのサバンナをチャリ通勤。ちょっと憧れます。】

…のってきたので、もう少し紹介を続けさせてください。

第一印象はローレンツ博士-「動物の話を書くこと」への、圧倒的熱量―

わたしが初めてパンク町田さんにお会いしたのは、この本の中でした。
多数のメディアでご活躍されているのですが、あまりテレビを見ないもので、お恥ずかしながら存じ上げなかったのです。

パンク町田さんの第一印象は、オーストリアの動物行動学者、コンラート・ローレンツ。
『ソロモンの指環 -動物行動学入門』の著者です。
彼と、似た空気感の人だなあ、と思いました。(ローレンツ博士にお会いしたことはもちろんないですが!)

ローレンツ博士曰く、
「動物の話を書くためには、生きている動物たちにあたたかい、いつわりのない感覚をもっていなくてはならない」
「無責任に書かれた動物の話が読者たち、とくに強い関心を持つ少年たちの間にどれほど多くの誤りをもたらすかを見逃すわけにはいかない」

ちょっと言いすぎなんじゃないかい????
…と思うくらい強い言葉が並んでますが、彼がどれだけの熱量をもって、動物の話を書くことに向き合っていたかがヒシヒシと伝わってきます。

この熱量が、まさに、パンク町田さんと重なるのです。
ローレンツ博士がもし現代にいたら、間違いなく超仲良しだっただろうなー、と思います。



…さて。
気づけばすっかりご紹介が長くなってしまいました。

後編では、人と動物が接するときに気をつけなければならないポイントや、パンク町田さんがこどもたちに伝えたいことをご紹介していきます。

ちなみに、滑り出しはこんな感じでした↓↓

 は、はじめまして!井口と申します。えっと、25歳です!お会いできて 嬉しいです。今日はどうぞよろしくお願いいたします!!

 はじめまして~ぼくはたぶん52かな?53?自分の年齢って、うっかり忘れちゃいます笑
なんでも聞いてください!


わたしは最初かなり緊張してしまっていた(年齢とか絶対いらなかった…)のですが、パンク町田さんのお人柄に助けられ、ものすごく和やかな雰囲気で始まりました。

ちょっと唐突で恐縮ですが、ここからパンク町田さんの個人授業、はじまりはじまり、です。

~後編に続く~
後編のリンクはこちらです!→(https://note.com/poplar_toshokan/n/na289e6bb52d6


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