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今さら聞けない?フリーランスのなり方ってどうするの?

多様な働き方が広がり、フリーランスも働き方の選択肢のひとつとなっている現代。

「興味はあるけれどいまさら人には聞きづらい」
「そもそもどうすればフリーランスになれるの?」

そんな声も多いようです。

自由度の高い働き方で関心の高まっているフリーランス。改めてどのようなものか、どのようにすればフリーランスとして仕事を始められるのか、などを今回は解説します。

フリーランスの基礎知識

フリーランスって結局どんな働き方?

フリーランスの定義には明確なものはありませんが、一般的には「企業や組織に所属せず、案件ごとに契約を結ぶ働き方」であり、案件やプロジェクトごとに成果物を提出し、それに対する報酬を受け取るという契約形態を指すことが多いようです。

自分のスキルや実績を活かして働くことができ、仕事量や働く時間・場所を自由に決められることが魅力です。

最近では、就業時間外で副業として仕事を請け負う会社員もフリーランスと捉えられており、「副業フリーランス」という言葉も生まれています。ポンとオーナーでは個人事業主や一人社長、副業などもフリーランスとして定義しています。

個人事業主・業務委託契約との違いとは?

「個人事業主」と「業務委託契約」はフリーランスとどのように違うのでしょうか。

個人事業主は税制上の名称です。法人を設立せずに個人で事業を営む人のことを指します。税務署に開業届を提出して事業の申告をしている場合は「公的な個人事業主」として独立したことになります。

法人を設立せずに個人で事業を営むフリーランスは個人事業主であり、この場合フリーランスと個人事業主は同義となります。

業務委託契約は自社の業務を外部に委託する契約です。日本の法律では「請負契約」「委任/準委任契約」が正式名称です。フリーランスはこれらの業務委託契約を結んで仕事をすることが多いため、フリーランスとして働くなら必ず知っておきたいワードですね。

フリーランスの代名詞?7つの職種

近年、さまざまな職種でフリーランスとして活動する人が増えてきました。ポンとオーナースタッフの中には、フリーランスの美容師やエステティシャンにヘアカットやエステをお願いしている者も。最近はフリーランスのためにレンタルサロンも増えているようです。
フリーランスは増え続けていますが、フリーランスに向いている職種とそうでない職種があるのも事実です。フリーランスとして仕事を見つけやすい代表的な職種を7つご紹介します。

1.エンジニア・プログラマー

エンジニアやプログラマーは、プログラミング言語を用いてシステムを開発・運用する仕事です。

担当する仕事の工程によって幅広い種類があり、仕事内容も多岐にわたります。現在もっとも需要が高い職種の一つです。
日本企業のDX化が急がれており、国内のIT人材が不足している今、高収入を得やすい職種の一つでもあります。

プロジェクトごとに契約するというフリーランスの働き方とマッチしているため、フリーランスのエンジニア・プログラマーは増加傾向にあります。

2.Webデザイナー

WebデザイナーはWebサイトの見た目を作る仕事です。サイトそのものを作成することもあれば、バナーなどサイトの一部を担当することも。

クライアントの求めるイメージをヒアリングし、具体的・視覚的にデザインとして表現するスキルが求められます。
デザインの知識そのものもそうですが、デザインソフトを使いこなすスキルなどITに関する知識も欠かせません。

近年は主婦向けのWebデザイン教室や、副業をはじめようとうたったデザインスクールなども増えており、人気の職種です。

バナーやサイトに差し込む画像などを作成する仕事と、サイト全体の見た目を作成する仕事では業務量も収入も変わってくるため、案件によって収入はかなり異なるかもしれません。

3.Webライター

Webライターは、Web上に掲載される文章を書く仕事です。
メディア、企業の公式サイトやブログ、ニュースサイトなどさまざまな媒体で文章を書きます。

パソコンで文章を書くことができれば誰でも取り組むことができると思われていますが、最低限の文章力は必要であり、高収入を得るのは意外と難しい職種です。

近年はSEO対策としてオウンドメディアの記事が乱立しており、他のオウンドメディアからのコピペで記事を作る悪質な行為も問題視されているため、企業はしっかりとした文章を書けるライターを求めています。

そのため、仕事を始めるにあたってのハードルは低いかもしれませんが、未経験で実績が無いと単価が低く、希望した条件の仕事を得ることは難しいです。単価が低い仕事はコピペ量産を求めるような悪質な案件も多いため、その仕事がキャリアになるかどうか見極める目もWebライターには必要です。

Webライターとして活躍するためにはSEOの知識も求められます。SEOとは検索エンジンで上位に表示させるための技術であり、GoogleやYahoo!などで上位に表示させるため、多くの企業がオウンドメディアを運用しています。

4.イラストレーター

イラストレーターは文字通りオリジナルのイラストを描く仕事です。
広告、ポスター、書籍など、紙もWebも、あらゆる媒体で掲載されるチャンスがあります。人気イラストレーターの中にはコミックエッセイや漫画で人気を博したり、オリジナルグッズを販売したりする方も。

オリジナリティやインパクトが求められることもありますが、逆に個性的すぎると案件を取りにくいことも。クライアントの要望に応える柔軟性とヒアリング能力が必要です。

近年はAIがイラストを描くことができるとして話題になりました。イラストレーターの需要が減っていくのでは、と危惧する声も多いようです。確かに、単に絵が上手なだけのイラストレーターは今後、淘汰されていくかもしれません。

しかし最近は3Dイラストなど新しい技術も登場しており、そういった技術をいち早く取り入れることや、漫画やエッセイを描いてみるなど、仕事の幅を増やすことで人が活躍できる場はまだまだあると言えるでしょう。

5.動画編集者

動画編集者は、動画素材のつなぎや効果音・BGMなどの音入れ、テロップ作成など、動画編集全般を請け負う仕事です。広告動画、ミュージックビデオ、YouTubeなど活躍の場は多岐にわたります。近年、需要が増えている職種の一つです。

テロップを入れるだけの簡単かつ安価な案件もあれば、動画全てを作成する高額な案件も。

動画の流行は常に変わり続けているため、編集者には動画編集の基礎知識や編集ソフトを使いこなすスキルだけでなく、常にトレンドを追い求める姿勢が必要になります。

6.アフィリエイター

アフィリエイトとは成果報酬型広告とも呼ばれる広告プログラムの一種であり、アフィリエイターは、自分のブログやSNSにアフィリエイト広告を掲載し、広告収入を得る仕事です。

ブログを書くアフィリエイターはブロガーとも言えますが、ブログでの情報発信ではなく広告収入を主な目的としているのがアフィリエイターです。
インフルエンサーが企業から直接PRの依頼を受け、商品などを紹介する場合はアフィリエイターとは言いませんが、Instagramなどでアフィリエイト広告を活用して化粧品や美容サプリ、ダイエット商品などを紹介しているインスタグラマーなどは新しいタイプのアフィリエイターと言えるでしょう。

継続的に最新の情報を発信するスキルやアフィリエイトを効果的に活用するスキルが必要になります。

7.カメラマン

カメラマンは広告、イベント、結婚式などあらゆるシーンでの撮影を担当します。近年は、SNSなどで利用するプロフィール写真の撮影も人気です。
近年は写真撮影のスキルだけでなく、画像編集ソフトを使いこなすスキルも求められることも。

かつてはプロのカメラマンのもとでの修行、撮影スタジオでの勤務などを積んで経験値を高めていく方法が一般的でしたが、インターネットで知りたい知識を簡単に得られるようになった現代では、独学でカメラを学んでフリーランスとして活動することも不可能ではありません。

前述したSNSプロフィール画像の撮影などは、「くらしのマーケット」「ミツモア」といった比較・マッチングサイトでカメラマンを探すユーザーも多く、商業カメラマンでなくても活躍しやすくなりました。近年では、個人で写真集を作成したり、個展などを行う方も増えているようです。

フリーランスになる前に準備しておきたいこと

フリーランスという働き方と親和性の高い7つの職種をご紹介しましたが、これからフリーランスになりたいという方が知っておくべき、フリーランスになる前に考えておかなければいけない5つの項目について解説します。

1.キャリアプランを考える

フリーランスに転向するチャンスはいつでもありますが、多くの場合、「ワークライフバランスを充実させたい」と思ったことがきっかけとなるようです。

そのほかにも、フリーランスになりたい理由としては、自由度の高い働き方をしてみたいという希望やスキルアップのためであったり、自分で事業をおこしてみたいという夢など、さまざまなものがあるでしょう。

会社員からフリーランスに転向し、「会社員では仲間と協力して仕事を作り上げる一体感や福利厚生の安心感」と「会社内のしがらみや人間関係の悩みから離れられる開放感」の両方を体験することができた、という声も。
とは言え、フリーランスに転向してみたものの思うように案件が取れず、会社員へと戻る人も少なくありません。

そのようなミスマッチが起きないよう、まずは副業としてフリーランスを始めてみることをおすすめします。

2.自身のブランディングを考える

フリーランスとして「何をするか」も重要な要素です。「やりたいこと」は大切ですが、フリーランスとして生計を立てていくためには「選ばれること」も必要です。

「選ばれる」ためにはキャリアやスキルも必要ですが、自己PRやポートフォリオといった書類やホームページなどの準備が必須です。自分をどうブランディングすべきか考えておきましょう。

近年、クライアントがSNSをチェックすることが多いため、効果的なSNSの運用方法を知っていればより案件につながりやすくなります。SNSの効果的な運用はそのまま自身のブランディングにもつながります。
エージェントに登録して強みを客観的に判断してもらうのも、ブランディングに役立つ一つの方法です。

3.社会保険に関する手続き

フリーランスになる上で、必ず知っておきたいのが社会保険と年金のこと。
社会保険に関する手続きは主に4パターンあります。「健康保険を任意継続(退職後2年まで)」「国民健康保険に加入」「文芸美術国民健康保険」「家族の扶養に入る」です。

これらのどれを選ぶかは、自分の預貯金や資産形成、家族の有無、収入の見込み額などから考えてみてください。

「文芸美術国民健康保険」は聞いたことがないという方もいらっしゃるかもしれませんが、WebデザインやWebサイトの制作などをしている方を対象にしている保険です。加入には作品の提出など諸条件がありますが、所得が変わっても保険料が変わらないというメリットがあります。

収入が少ないうちは「家族の扶養に入る」というのも選択肢の一つです。年間収入が130万円未満でご家族の年収の2分の1未満である場合に限られますが、検討してみても良いでしょう。

4.年金に関する手続き

社会保険について理解したところで、重要な年金に関する手続きについても考えておきましょう。

一人社長の場合は法人を設立するため、社会保険への加入が求められますが、法人を設立しないフリーランスは国民年金に加入します。

国民年金の金額は年度ごとに変動します。20歳~60歳未満の方に加入義務があり、収入に関わらず、また扶養家族の方でも支払いが求められます。納付が難しい場合は免除や納付猶予の制度がありますが、忘れずに手続きを行いましょう。

いずれの年金においても確定申告で所得から控除することができます。
フリーランスが加入できる年金の種類には「国民年金基金」「個人型確定居室年金(iDeCo)」「付加年金」があります。

「付加年金」は「国民年金基金」と併用はできませんが、負担が少なく将来の備えを確実にしたい方なら付加年金がおすすめです。

5.生活設計をしておく

フリーランスになる前に生活費を把握し、生活設計をしておくことも重要です。

仕事が軌道に乗るまでの資金はもちろんですが、フリーランスの社会的信用度は残念ながら会社員より低くなることが多いです。フリーランスになったらクレジットカード、住宅ローン、自動車ローンなどの審査が通りにくくなった、という声も聞かれます。
そのため、出来る限り会社員のうちにこれらの手続きを済ませておくことをおすすめします。

また、結婚・妊娠・出産・介護・病気といったライフスタイルの変化についてもある程度の見通しがないと不安ですよね。公的支援についての知識も得ておきましょう。

例えば保育園への入園。自治体によって、また働き方によって預ける条件が異なります。フリーランスには産休も育休もありませんから、お金の工面についても予め準備が必要です。

まとめ

フリーランスとは一般的に「企業や組織に所属せず、案件ごとに契約を結ぶ働き方」のことを指します。
ポンとオーナーでは会社員として企業に属しながら副業に従事する方や自分一人で会社を立ち上げる一人社長もフリーランスとして定義していますが、フリーランスの明確な定義はないため、「フリーランスです」と名乗ってしまえば誰でも今日からフリーランスになれるのです。それで食べていけるかはまた別の話ですが。

今回は、フリーランスという働き方に親和性の高い職種についてもご紹介しました。該当する職種の経験があればより「フリーランスとして仕事をする」イメージがしやすいと思いますが、その他の職種であっても、資格やスキルといった強みを活かすことができれば多くの方がフリーランスになることができます。

フリーランスになるには「何をしたいのか」というキャリアプランだけではなく、自分をしっかり売り込むためのブランディングも必要です。自分の作品をポートフォリオとしてまとめたり、エージェントに登録して市場価値を探ったりするのも良いでしょう。

フリーランスには性別や年齢による制限がなく定年もありません。その代わりに会社員であれば得られるような社会保障は心もとないというデメリットもあります。お金に関する中長期的な準備も忘れないようにしてください。
資産だけではなく、信用性が求められるクレジットカードやローンなどは会社員の間に準備しておく方が無難です。生活をしっかりと整えることで余裕をもった「フリーランス生活」を送ることができそうですね!

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