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子どもが生まれて欠かさず続けたこと    【エッセイ】よもやま子育て話7

昔から 子どもが生まれたらやりたいことがありました

毎日欠かさず読み聞かせをすること です


抱っこ寝を卒業して添い寝で寝かしつけるようになってから
毎日読み聞かせをするようになりました
同じ布団に寝そべって子供と一緒に絵を見ながら読みます

読み聞かせは『感情を込めず淡々と読むのがいい』
と聞いたことがありますが
感情がこもっちゃうんです
読み始めるとすっかり絵本の世界に入り込んで
登場人物ごとに声音を変えて演じ切ってしまうんです

子どもなんかより自分が一番楽しんでないかい?
って感じで読んでました

出産お祝いや義父母や母から絵本をプレゼントしてもらったので
読む絵本には困りませんでしたが
さすがに毎日 同じ絵本を読んでいると
少し不安になってきました

名作と呼ばれる本は素晴らしいけれど
同じものばかり聞かせていると
この作者の世界観だけで子供が作られてしまうのではないか
色んな人の考え方や見え方、感じ方、表現の仕方に触れさせて
感性豊かで自由な発想の人間に育ってほしいなぁ
と思うようになったのです

そこで
毎日違う絵本を読むことにしようと
『図書館通い』『ブックオフ通い』を始めました
しばらくはそれを続けたのですが
図書館通いは案外大変だし
古本とはいえ 毎日読むだけの本を購入するのは金銭的につらいし
そこで良いことを思いつきました

フリマで絵本を買いあさろう

これはなかなかいいアイデアでした

息子や娘が小さかった頃のフリーマーケットは
最近のものよりも『不用品を処分する場』という意味合いが強くて
何もかもが本当に安かったのです
特に絵本なんか一冊10円から高くても200円ほどで売られていましたし
『まとめて買うので少しお安くしてください』って言えば
さらに半値ぐらいで売ってくれたんです
だからフリーマーケットが開催されると聞けば
朝から出かけていき
始まると同時に手当たり次第に絵本を買い占めていきました
絵本と言っても様々です
○○全集のようなものから 
今でいう『サブスク』で購入する薄い冊子タイプのものまで 
なんでもかんでも買い占めました

絵本を楽しみにフリマに来ていた人がいたら今更ですが
大半の絵本を買い占めてごめんなさい(;^ω^)

こうして
(ほぼ)毎日違う絵本を読み聞かせることができるようになりました


息子も私も読み聞かせのこの時間が大好きでした

どんなに疲れて眠たくても絵本を読み終わるまでは意地でも寝ない息子
どんなに疲れて眠たくても絵本を読みきらないと気が済まない母

直前まで大喧嘩をして
「今日はもう読まへん」
「いやや 読んでぇ」
「いやや イライラするから読まへん」
「読めぇ」
と言いあいながら絵本を選ぶ二人(笑)

「喧嘩するなら読まんでいいやん」と旦那に呆れられながらも
気づけば息子が小学校を卒業するまで続けていました


娘が生まれてからは
年齢に合わせて娘用の絵本と息子用の絵本の二冊を読みました

年齢が大きくなってくると読む本も
絵本から児童書へ そして小説へと変化していきました

小学校に入学するころには添い寝することも無くなり
子ども部屋に並んだ二つのベッドの間に座り二冊の本を読む幸せなひと時
息子が高学年になると いい加減やめなければと思っていたのですが
娘がまだ小さいのをいいことに二人分の本を読み続けました
親にべったりくっつくことのなくなった子供たちと
ゆっくり過ごせる幸せな時間でした
そんな幸せな時間に突然終わりが来たのです


その日もいつものように二冊の本を読んでいました
仕事で疲れていたからなのか 
ただただ晩御飯を食べすぎてしまったからなのか
強烈な睡魔が襲ってきて
何度か意識が遠のき 数秒間 眠りの世界に引きずり込まれては
復活して読み出すという状態を繰り返していると
「お母さん もういいで 私 別に 本 いらんわ」
「毎日 読まんでいいで 私 特別 本 好きじゃないし」
「毎日 聞くのも ちょっと面倒くさいし」


『ガラガラガラ、、、ピッシャーン』
閉店ガラガラ
幸せの国 これにて閉店でーす
長らくのご愛顧有難うございましたぁ
『ホータールのひかーり 窓の雪-』


終わりました
10年間(ほぼ)毎日欠かさず続けた
幸せのひと時が
たった今終了しました、、、

息子 中学一年生
娘  小学四年生の 4月のことです、、、


衝撃の告白に
「あっ  そう、、、」
と顔を上げると、、、
娘の顔越しに 
「えーーっ うそぉー、、」
と悲痛な面持ちの息子の顔が見えました



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