見出し画像

A-CSM取得後の振り返り

2023年7月にA-CSM研修を受けて、A-CSM(Advanced-Certified Scrum Master)を取得できました。今回は研修の内容や得られたものについて振り返りさせていただきます。


A-CSMとは?

A-CSM(Advanced Certified Scrum Master)は、Scrum Alliance®による認定資格です。Scrum Alliance®が提供する主な資格は以下の図のようになりますが、スクラムマスターに限定すると、以下の3つになります。
・CSM(Certified Scrum Master)
・A-CSM(Advanced Certified Scrum Master) *今回はコレ
・CSP-SM(Certified Scrum Professional ScrumMaster)

Scrum Alliance Path

また、A-CSMの認定条件としては
・CSM資格を取得していること
・スクラムマスターの経験が少なくとも12か月以上あること(Scrum Allianceのプロフィールに登録必要)
が必要になります。

私自身はCSMは2018年に取得済みであるのと、スクラムマスター経験は2年~3年程度ある状態のため、認定資格は満たした上で本研修を受講しました。

A-CSM研修の概要

今回「Agile Business Institute Inc」が開催するA-CSM研修を受講しました。

講師:Joe Justice氏
数多くの大手グローバル企業でアジャイルを指導し、世界20カ国以上で活動しています。グーグルや、アマゾン、マイクロソフト、ボーイング、テスラ、トヨタ自動車、NEC、KDDI等の各社にてアジャイルの実践指導経験を持っています。過去に「TED.com」でスピーカーをされたり、、ハーバード大学や、オックスフォード大学等で特別講師をされた経験がある方です。

スケジュール:10:00~16:00の6時間(休憩含む) × 2日間 
私が参加した時は6時間×2日間でのスケジュールでした。他会社主催でのA-CSM研修に比べると合計研修時間は若干少なめという印象でした。ただA-CSM研修を実施する講師によってカリキュラムは違う部分もあるらしいので、それによる違いかなと受け取りました。また、海外の講師ということもあり、日本語への通訳の方がいる研修になるため、英語が苦手な方でも大丈夫です。

使用ツール:Zoom + Miro
良くある組み合わせかと思います。miroと使ってワークショップ/ディスカッションをします。また、参加者は24名程度で、大半の方が現役スクラムマスターとして活動している人ばかりでした。

A-CSM研修のポイント

研修は大きく分けると以下9つのパートで展開されます。

①スクラムマスターのコアコンピテンシー

スクラムマスターとしてのコアコンピテンシー(核となる能力)について学びます。やり方(フレームワーク、ツール)のだけでなく、あり方(考え方、価値観、行動)についての理解もあり、A-CSM研修はあり方を重視して研修が展開されます。

②アジャイルの歴史的発展
Agileの多くのフレームワークや、Scrumの起源についての理解になります。過去の歴史的背景や過去の論文の話ありつつ深堀していく感じです。

③ファシリテート

スクラムマスターの大きな役割の1つのファシリテート。言葉を言い換えると、人々の活動が容易にできるように支援し、うまく物事が運ぶように舵取りをすることです。実戦的なワークショップで学びます。

④心理的安全性

最近、働き方改革などでも登場しているワードですが、「心理的安全性」とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発信できる状態をことです。2016年にGoogleが「生産性の高いチームは心理的安全性が高い」という研究結果を発表して以来、一気に注目が集まるようになりました。このパートではKJ法という手法を用いつつ、実践的に心理的安全性を体感するようなワークショップをします。

⑤コーチング

「コーチング」とは、対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術です。ここではGROWモデルをベースにしながら、研修参加者同士でコーチングをやり合います。

⑥ティーチング(モブ)

「ティーチング」+「モブ」を掛け合わせて学びます。モブについては、過去にまとめた記事があるので、貼っておきます。


⑦自己組織化

そもそも自己組織化って何?という根本的な部分から学びます。また、現場で自己組織化する際は、権限移譲などが付きまとうと思いますが、デリゲーションポーカーという手法を活用しながら深く学びます。

⑧スケーリングと依存関係

おそらく、スクラムマスターが組織横断で活躍するには、この「スケーリング/依存関係」の内容が難易度高い部分かと思います。理想的なアジャイルチーム作りや、クロスファンクショナル(機能横断型)を実現する時のテクニックや考え方を学びます。

⑨オープンスペーステクノロジー

これは研修最後の振り返りという位置づけで「OST(オープンスペーステクノロジー)」として、研修参加者同士で学びを深めていきます。

A-CSM研修を受講してみて

1日目:①~⑤(コーチングまで)
2日目:⑥~⑨(残り全て)
という形で研修が実施されました。

スキルを体系的に学ぶには素晴らしい研修だったと思いました。一方スクラムマスターを何年も経験されていたり、継続して勉強されている方にとっては、既に知っている内容も結構あるのかなと感じました。私自身は以下の内容が特に印象に残りました。

コーチング:ほとんどコーチング経験がないこともあり、コーチングの難しさ・コーチングを通し相手自身で行動のきっかけを作るように導くことの魅力を体感できました。

ティーチング(モブ):最近はやりの生成AI系を使ったモブワークもでき、日々の業務にする取り入れそうな内容もありました。

スケーリングと依存関係:実践するにはハードルが高い部分もありますが、自己組織化するために、どう組織体制を作り/どう依存関係を減らした状態するかという部分の根本的な要素を学べました。

最後に

個人的には、CSM取得直後にA-CSM研修受けるより、1年後などのある程度期間をおいてから受講するのがおススメかと思います。その方が自分自身が理解していること/理解してないことの肌感覚を持ちながら、研修を受けて学びに繋がれるかと思います。また、この手の研修は、研修者同士で交流したり繋がるきっかけにもなるため、改めて良いなと感じました。

将来的にはCSP-SM(Certified Scrum Professional ScrumMaster)取得したいと思います。本日もご覧いただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?