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創作短編集

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私が書いた創作短編をまとめたマガジンです。 今後記事が増えたとき、こちゃこちゃするかもしれないと思ってまとめてみました。
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2023年12月の記事一覧

【短編小説】ヒョウガの贈りもの #5

 ↓こちらの続きです。  宴もたけなわ。月が空高く輝き、いきものの大半が眠るとき。  そ…

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【短編小説】ヒョウガの贈りもの #4

 ほうれん草のゴマ和え、肉とジャガイモの煮物、カボチャの煮物、サラダ、冷や奴。  一種の…

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【短編小説】ヒョウガの贈りもの #2

 ↓こちらの続きです。 「ねぇ坊や、どうしてこんな場所にいるの?」 「ここがどこだかわか…

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【短編小説】ヒョウガの贈りもの #1

 時計の針が二時を示す。たいていの来客はこの時間帯をめがけてやってくることが多い。という…

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【短編小説】話せばわかる

 魔物、といってもすべてがおぞましい見た目の生き物であるとは限らない。進化の過程において…

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【短編小説】消耗品費

 推しの不祥事に嘆くのは時間と労力の無駄である。  週刊誌に収まりきらず、ついに新聞にも…

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【短編小説】ラベンダーのあと

 ↓読むと解像度が上がる話  ノアが寝ている。  疲労がたまるとよくあることなのだが、問題はその場所である。最初のうちは「またか」と思っていたラスターも、最近では「おっ」と思うことが増えていた。足音を消してそっと近づくが、起きる気配はない。このパターンの場合、起きるのはいつだって少し遅めの朝だ。そこでノアは初めて気が付く。 「また、間違えてラスターの部屋で寝た」と。  様々な依頼をこなしているうちに、様々な悪意にも触れる。昔に比べたら「些細」だと笑っていても、その棘は確実に

【短編小説】仮面の亡霊剣士

 木材のいい匂いがする。  コガラシマルは滑らかに研磨された木の肌触りを楽しみながら、少…

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