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本の感想たち

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読んだ本について思ったことや考えたことを書きます。
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#感想

高見沢潤子『兄 小林秀雄との対話』

昨晩、寝る前に高見沢潤子『兄 小林秀雄との対話』を読み始めたらストッパーが効かず、夜中の2:30くらいまでぶっ続けで読んでしまった。

本書は兄妹が芸術、文学、宗教、歴史、哲学、作家の生活などを語らうという形式で、小林秀雄の思想が凝縮されつつも、とにかく射程の広い一冊。間違いなく今年のベスト本。

読了後はすっと眠りについたのだが、余韻からか、夢には絶え間なく本書で語られていた思想が右往左往してい

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シェイクスピア『ロミオとジュリエット』感想

誰もが知る『ロミオとジュリエット』

これは悲劇の仮面を被った喜劇だ。アンジャッシュも顔負けのスレ違いコント。

ジュリエットと父親の意向、パリスとジュリエットの会話、ロミオとジュリエットの運命、全てスレ違って悲劇へと収束するのに何故か笑えてしまう。(キャピュレットが権力の道具としか見ていなかった娘を亡くした途端に涙を流すという掌返しっぷりは滑稽そのもの) この笑いは、登場人物たちは悲劇に見舞われ

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