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デザイン経営③~新しい価値・未来を探求する~

Pomoloです。新規事業やコンサルティングを行っています。

前回はデザイン経営のブランディングの側面についてのお話でした。

今回はデザイン経営のイノベーションの側面です。

デザイン経営の実践としてまずはブランディング(≒パーパスの定義)が第一歩目です。

新しいスタートアップを立ち上げたとしたら、まずは世の中をどう変えたいか?どんなことに違和感や問題意識を持っているか?を考え、仲間と議論して、周囲に伝えて動き始めると思います。

この会社の存在意義は何か?ということから始まります。

夢を描いて理想を語る、今の大企業であっても最初はそんなところから始まったはずです。

高い理想を掲げるとそれだけ挑戦が必要になります。それが強い創造性を引き出します。高く掲げた目標は前例踏襲や今までの発想の枠組みでは到達できません。

そこでイノベーションが必要になります。

このイノベーションの段階でもまたデザインが有効というのが、デザイン経営の次のポイントです。それが「イノベーションのためのデザイン」です。

「ブランディングのためのデザイン」とはまた頭の使い方が違ってきます。
「ブランディングのためのデザイン」はどちらかと言うと私たちの「想い」や「志」は何なのか?というハート面が強かったです。その想いの強さが人や組織の創造性を高めて理想の実現の確度をグッとあげます。

一方で「イノベーションのためのデザイン」はその想いを実現するための具体的なテクニックになってきます。

テクニックと言っても、まだ「かたちのデザイン」の出番ではなく、あくまで「考えのデザイン」です。

イノベーションのためのデザインはいろんな考え方やステップからなっています。いわゆるデザイン思考も含まれますし、デザインだけではなくビジネスやテクノロジーの要素も必要です。
世に溢れる新規事業創発の方法論とも重複してきます。

ただ私はデザインはあらゆる要素を統合して新しい価値を生み出すという大きな枠組みでもあると思うので、あえてデザインと書きます。

自分の会社が掲げた理想を実現するためにはデザインも含めたあらゆる要素が必要です。ただ、あらゆる要素を統合するのはデザインです。

ここからは、デザイン経営の話とはいえ、新規事業創出論ぽくなります。また、あくまで私の経験に基づいた私のやり方です。

イノベーションのためのデザインのためのにまず出てくるものは、戦略デザインです。

掲げた目的を達成するために大胆な戦略を描きます。そのときのインプットになるのは「未来」と「人」です。

ブランディングのデザインで企業の存在意義を考えた際に、こんな社会を実現したいという未来像が見えてきたかと思います。

それを解像度を上げて、未来の社会で自分達の会社はどんな事業を行っているか、どんな顧客がいるか、どんな競合企業がいるかなどを描きます。

エンドゲームを描くとも呼び、コンセプトムービーを作成して関係者の共通認識を作ったり、デザイナーがコンセプトアートを描いてもいいでしょう。

この中で存在意義もまた磨きこまれていくと思います(デザインではあらゆるフェーズが行ったり来たりします)。

この営みはスペキュラティブデザインやバックキャスティングとも呼ばれるものです。

更に「人」という切り口では今の世の中での人々の生活を観察して困り事や潜在的なニーズからあるべき社会像やビジネス・サービス・製品を考察します。

ここでの私としてのポイントは、自分たちの会社が何を提供するかありきで考えないことです。メーカーだからモノを提供する、IT企業だからアプリを提供する、そんな枠組みにとらわれずに自由に発想するのがデザイン経営で非常に重要な点だと私は考えています。
(この話はまたどこかで深掘りします。極端な話、ユーザの体験全体を構想して新しい産業・業種を生み出してもいいと考えています。)

そうやって新しい社会やそこにあるべきサービスなどを「人」起点で考えることが「イノベーションのためのデザイン」の始まりです。

「イノベーションのためのデザイン」はさまざまなプロセスを通して具体的なサービス・製品を生み出すところまでに及びます。

まずは「プロトタイピング」までを視野に次回以降で整理してお話ししたいと思います。

またいわゆるデザイン思考やデザインのマインドセットについてもお話ししたいと思います。



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