デザイン経営②~自分たちの物語を紡ぐ~
Pomoloです。IT系の企業で新規事業やコンサルティングを行っています。
数年前から流行ってきているデザインやデザイン思考について考えるとき、「デザイン経営」という視点から考えると企業活動で本質的にデザインの恩恵を受けることができると考えています。
デザインには、「かたちのデザイン」と「考えのデザイン」があると永井一史さんが著書の中で書かれていますが、「考えのデザイン」というのが重要だと感じます。
「かたちのデザイン」は実際のものづくりで特にプロのデザイナーの領域になると思いますが、一般的なビジネスマンが仕事にデザインを取り入れる、という場合は「考えのデザイン」の側面を指すことになるのではないでしょうか。
その場合は、主にブランディングとイノベーションという2つのポイントでのデザインという話になり、まさに経産省が定義するデザイン経営の目的になります。
デザイン経営とは、、、
・ブランディングのためのデザイン
・イノベーションのためのデザイン
では、具体的にデザイン経営とは何か?
何をすればどんな恩恵があるのか?という話をしなければいけないと思います。
ここからは私見も混じりますが、まずデザイン経営とは何かというと、経産省の定義では、
・経営層がデザインを理解すること
・デザイナーが経営に参加すること
などがあげられています。
経営層がデザインを理解し、デザイナーを採用して外部の代理店やデザイン会社に発注していた業務を自社で内製するというのが分かりやすいイメージかもしれません。これができている企業はかなり少ないと思います。
また、デザイナーが社内にいたとしてもデザイン部門は独立した1部門ということが多いのではないでしょうか。
デザイン経営を標榜する企業やスタートアップなどではもっとデザインが経営に近くなります。
まず経営がデザインを取り込むとしたら、組織の目的や存在意義を明らかにして、組織のメンバやステークホルダー・社会に対してコミュニケーションをしていくという事が第一歩かと思います。
これはまさに「考えのデザイン」であり、「ブランディングのためのデザイン」ということになりそうです。
パーパス経営という言葉も最近の流行りですが、デザイン経営の実践の1つであるということですね。
これによって企業は収益面以外の動機を持って活動することができ、社員の動機付けの土台やカルチャーの形成などが見込めそうです。対外的にはその企業が何者であるかが物語として語られ、共感を生み、顧客や株主との円滑なコミュニケーションやファン層の形成が期待できます。
人間は物語の生き物という見方もあるので、企業という組織の物語を創り出してストーリーテリングしていくというのが本質的なデザイン経営の一歩目であると捉えてもいいのではないでしょうか。
大げさに言うと企業の神話を創り出すと言ってもいいかもしれません。
流行り言葉のSDGsやD2Cも本質的にはこのデザイン経営の一部と考えられます。
人間と物語というテーマは興味深いのでまたどこかで触れたいと思います。
まずはデザイン経営のブランディングの側面についてお話ししました。
(ブランディングというとすでにあるサービス・製品をどう売ろうかというイメージが強いですが、ここでは企業そのもののブランディングであり、パーパスの定義から始まります)
長くなってしまったので、デザイン経営のイノベーションの側面については次回にしたいと思います。
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