細川洋平(ほろびて)

yohei hosokawa 演劇カンパニー・ほろびての主宰、劇作、演出/俳優/アニメ…

細川洋平(ほろびて)

yohei hosokawa 演劇カンパニー・ほろびての主宰、劇作、演出/俳優/アニメライター

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ときどき頭に浮かぶ曲の歌詞のこと

神聖かまってちゃん『友だちを殺してまで』がリリースされたのは2010年。ぼくはCDショップでバイトをしていて、試聴器に並んでいるジャケットの様子をまだ覚えている。調べればもっとはっきりわかるけど、2009年くらい(もっと前?)からボーカルのの子はニコ生配信を頻繁にやっていて、新宿の喫茶店のテラス席で配信したり、渋谷のセンター街で配信して大暴れしたりとある界隈ではもう有名な人物だった。今も配信をやっているからネット配信は日常生活のツールなのだと思う。 『友だちを殺してまで』の

    • 子供の頃のあることを急に思い出したので

      柴崎友香さんの『あらゆることは今起こる』(医学書院)を書店でチラッと立ち読みした。立ち読みした程度なのにどうしてここで、それをまるで題材にしているよ、みたいな導入で書いているかと言うと、その時に目に入った文章がぼくの記憶を引き出したからだった。小説家の柴崎さんは大人になってからADHDであると診断されたそうだ。『あらゆることは今起こる』(医学書院)という本はそこからさまざまな体験が書かれているエッセイであるのだろうが、いつかしっかり読みたいが、一旦それは置いといて、自分の話を

      • 紙背2024年5月号に『センの夢見る』掲載

        山﨑健太さんが編集長を務める『紙背』2024年5月号(紙の本です)に僕の書いた『センの夢見る』上演台本が掲載されています。また、住本麻子さん、關智子さんによる劇評も併録されています。 この、2つの劇評をぜひお読みください。とても。とても、読み応えのあるものとなっています。

        • 応援上映に行った話し

          4月下旬、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を映画館に見に行った。1月下旬からやっているから、3ヶ月も映画館にかかっているというのはそりゃあもう大ヒットしてるのだ。ここでさくっと白状すると『SEED』はドハマリしたのだけど、『SEED DESTINY』は見ていない。とはいえゲームなどで登場人物は知っているし、『Zガンダム』の応用としてステラがどのような人物かなどは把握していた。シン・アスカとキラ、アスランとの主人公視点の変化など表面をなでた感じ。まあそんなこんなも随

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          『悪は存在しない』について(多少でもネタバレ気にするひとは鑑賞後に)

          『悪は存在しない』を初日に見た。 映画はほとんど前情報なしに行くので都内での公開が2館だけというのを前日に知った。しかもBunkamuraル・シネマとシモキタ・K2のみだって。なんとミニシアターだろう。 ル・シネマは会員登録をしていたし、舞台挨拶の次の回はいい席も空いていた。上映尺も知らずに見に行った。映画がはじまってから、そういえば前回は尿意と戦ったんだと思い出した。2時間半もあるって知らなかった〜、と終映後にトイレでホッと一息つきながら思った。実際は3時間だった。『ドライ

          『悪は存在しない』について(多少でもネタバレ気にするひとは鑑賞後に)

          とおくはなれて

          10年経ったという知らせが来た。このnoteを開設してから。10年だって。まいっちゃうな。何があったかな。いろんなことがあった。ひとつひとつ思い出すとあれもこれもこの10年の中に入っている。まとめて思い出そうとするとパニックだ。それから。何もなかったとも言える。そんな気分でもある。 2月に演劇をやり、それから何かにつけて自分を責める。/一旦ぼくを文字だけの存在として受け止めておいてほしい。実物などない。『ハーモニー』(伊藤計劃)と同じだ。あるいは『ここはすべての夜明けまえ』

          半演劇日記-15

          2024/01/26 昨日も通しをして、夜まで返し稽古。稽古場がある…稽古場があるよ…。ずっとこの思考から離れられない。長らく稽古場を探すのに苦労していた年月があったので、自分のカンパニーでどっしり稽古ができている事実に胸がホクホクする。家を失った人々の不安、帰る場所がある安心感。そういうものと無縁じゃないと少しでも感じながら、想像しながら。 今日は昨年からの宿題を終え、やっと頭の中がすっきりとしてきた感じ。喫茶店を2回、移動しながら、小道具周りの自分が担当したいと言った買

          半演劇日記-14

          2024/01/22 本番まであとだいたい10日。直前と言えば直前だ。いや、十分直前だ。 稽古を見ているときに、何度も深く息を吐く。出演者のみなさんの演技にたくさん心が動かされている。 どうしてこんなことをしてるんだろうと考えることもある。今回は笑いどころもたくさんあるし、役者さんの演技もすごい。だけど、全然楽な道じゃないし、言ったらすごく大変なことをやっている。 こんなとき、自分が率先して大変な役をやればよかったんだろうか、と思うことがある。たぶん自分が俳優もやっているとい

          『センの夢見る』あらすじ公開しました。

          『センの夢見る』あらすじ公開しました。

          半演劇日記-13

          2024年1月11日 前回書き残して下書き保存したものを先ほど公開して、この日記に取り掛かっている。 本日は立ち稽古4日目。 通し稽古を実施。ムリ通し。昨日までの3日間でシーンを作り、今日は全編をやってみた。美術デザインはほぼ固まっているので、土台はある。稽古場も実寸を取れる。支えてくれる人たちもいる。やるっきゃない。 地ならしではなく、3日間、新しいことを詰め込み続けてからの通しなので俳優陣には相当の負担があったと思うけど、最後まで行った。俳優のみなさんは本当にすごいと思

          半演劇日記-12

          2024年1月9日 立ち稽古2日が終了。 途中、syuz'genの植松侑子さんにリスペクトトレーニング講習を開いていただく。 リーディング公演の稽古初日に続き、ぼくや俳優陣などは2度目だけど、今回はスタッフさんも全員参加してもらう。それを考慮した内容で植松さん、さすが…。 こういう講習は、今回みたいに稽古初日と稽古中盤の2回、実施するのがいいのではないか。稽古初日にはお互いをそれほど知らない状況だけど、みんなの人となりをある程度知った稽古中盤の実施は、より効果的で、いい機

          半演劇日記-11

          2024年1月5日 読み稽古を続ける。深まっていくといいなと思いながら。すべては気づきにつきると思う。何もかも、気づいていくことがきっと大事だ。 夜の空いた時間、『3・11の未来/日本・SF・創造力』(作品社)の瀬名秀明が寄稿したエッセイを読む。アニメ評論家の藤津亮太さんがコロナ禍にあって再読しているとポストしていたことで知った、瀬名さんが3.11を経て考えたことをまとめた原稿だ。3.11当時を知る人は多いと思うが、Twitterには情報が氾濫していた。凄まじい量の情報が流

          半演劇日記-10

          明けましておめでとうございます。 昨年は各方面でお世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 2023年の振り返りをしようと思ったけど、今は引き続き『センの夢見る』で頭がいっぱいでございます。ぜひ見に来ていただきたいです。 12月。台本の第一稿を上げて宮崎玲奈さんに演出してもらってリーディング公演を実施して、それからもずっと台本のことを考えています。というのも、日々、自分の考えていることに変化があり、発見があり、そうすることで台本に込めた思いを再検証してまた

          砂の国の遠い声

          劇壇ガルバ『砂の国の遠い声』が終了しました。 久しぶりの舞台出演に大きな大きな回り道をしましたが、とにかく稽古場は居心地がよく、たのしく、内容の詰まった日々でした。 やはり自分は自分の体でしかないということに尽きる。それを互いに知るところからはじまるんだなあと実感しました。 主宰の山崎一さん、演出の笠木泉さん、出演者の大石継太さん、佐伯新さん、玉置孝匡さん、長谷川朝晴さん、矢野昌幸さん、本当にありがとうございました。ガルバの陣内昭子さん、山崎元晴さんや、稽古の日々を一緒に過

          時間

          降る。積もる。内側にある時間ではなくて、外側に。 それこそが見るべきものである。 体から時間がこぼれても、外に降り積もるものはたしかにあった。

          半演劇日記-9

          2023年10月22日  劇壇ガルバ『砂の国の遠い声』稽古オフ。はじまって一週間、ギュギュッとぐんぐん進んでいく。どんな稽古が立ち上がるのだろうかとはじまる前は想像もつかなかったことがどんどん立ち上がっていく。当たり前だけど、共演者のみなさんがおもしろい。ビックリマークをつけたい。 舞台上では”当たり前”のことを確認・共有してもっと先を見据えていく。演出の笠木さんがまたすばらしく、素敵。笠木さんは今後もっといろんな演出の仕事が来るだろうな。バランス感覚や言葉の選び方がとても