初恋ではなかった!?
ベニスに死すに関するレビューは前回で終えたはずですが、何気なく読んだ他の方のレビューで知りました。
なんと、私の思い込みで話の解釈がおかしくなっていたことに気づきました。
ですので、今回は思い込みレビューからの続編です。
アッシェンバッハには愛妻と愛娘がいた?
最後の方でマダムがアッシェンバッハ(おじさま)に寄り添う姿がありましたが、正直あのシーンについて深く考えていませんでした。
北イタリアの山荘で幸せに過ごしていた頃の家族の回想シーン、妻と娘には見えたのですが、私は想像上の家族だと思い込んでしまっていました。
ですが、おじさまには愛妻と愛娘がいたとレビューしている方がいらっしゃいました。
ということは、タジオ君にときめいてしまったおじさまは初恋ではないということになりますよね。
(稀に男性に興味があることを隠して女性と結婚する方もいらっしゃるそうですが、妻と娘と一緒にいる彼はあまりにも幸せそうでした)。
他の方のレビューには書かれていなかったのですが、私としては、男の子に興味を持ったことに関しては、初めてであったはずだと思っています。
正解が無いのが作品
他の方のレビューを読んでいると、「?」となってしまった内容が複数個所ありました。
「私、思い込んでいた。間違っていた!」と。
ところが、2~3人の記事に目を通したところによると人によって解釈が異なるようであったので、レビューはきっと自由なものですね。
正解が無いのが作品であるのかもしれません。
特にベニスに死すは正解が無いタイプの作品で、一見シンプルな作品のようでいて、謎が色々盛り込まれていると思います。
もしかしたらルキノ・ヴィスコンティ監督自身は盛り込む気がなくても、作品をつくっていく上で自然と謎を遺すことができる人であったのかもしれません。
謎が多く、つい色々考えてしまう。討論してしまう。そんな作品ほどファンは多く、芸術作品として後世に受け継がれていくと思います。
そう考えると、ベニスに死すはより芸術性の高い映像作品であると実感しました。
ルキノ・ヴィスコンティ監督は他にも数々の映像作品を遺しています。
他の作品も観てみたいという興味が湧きました。
ルキノ・ヴィスコンティ監督の逸話
ルキノ・ヴィスコンティ監督について調べていた中で、おもしろい逸話を見つけました。こちらを最後にご紹介します。
愛用の香水は英国のペンハリガンのハマム・ブーケ。
また、ルイ・ヴィトンの鞄を愛用していたが、当時は同社が有名ではなかったので、出演者が勘違いして「さすがはミラノの御貴族だけある。トランクの生地にすらイニシャル(偶然の一致で同じL.V)を入れてオーダーするとは」と感嘆したという逸話がある。
出典:ルキノ・ヴィスコンティ
ルイ・ヴィトンとイニシャルが偶然一致してしまったという点にクスッとしましたが、もっとクスッと来たのは香水についてです。
“ペンハリガンのハマム・ブーケ”とはボトルに赤いリボンがついた乙女心をくすぐるような「花束」を意識した香りの香水だそうです。
ルキノ・ヴィスコンティ監督って、ロマンチックな方ですね。
今の時代でも、日本国内から通販等で購入可能のようです。
それにしても私が前回書いたレビューは、あまりにも思い込みがひどい方かもしれません。
前回の記事は全て無意味になってしまいそうなほどです。
次の記事⇒ フランスに存在するサフランの強盗
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