お祭りの音がうるさいと怒鳴り込まれた話

去年、ある有名なお祭りに参加した時のこと。

そのお祭りは江戸時代から数百年続く由緒ある神社のお祭りで特にその年は数年に一度の大祭だったので町会の人たちはとても盛り上がっていた。

お祭りの日は昔はそれこそ夜明けと共に御神酒所(おみきしょ)の前で迎え囃子といって、これからお祭りが始まりますよ!というお囃子をして、それを聞いた地域の人たちが「さぁ祭が始まるぞ!」と集まって来たらしいけど、さすがに現代のマンション事情などを考えて今は9時くらいからスタートするようになっている。

でも朝早くには違いないのでその日も大丈夫かなと思いながらやってたのだけど、お囃子を始めてすぐに大きな声で誰がが怒鳴ってる声が聞こえてきて喧嘩でもしてるのかと思ったら、「朝っぱらからうるさい!」と窓から文句を言ってたらしい。

結局その時は最後までやったのだけど、その後に御神酒所に怒鳴り込まれたそうで、次の日の迎え囃子はなくなった。

町会の人たちも地域のお祭りに参加しない人ともうまくやっていきたいので尊重したのだと思うけど、そうやって少しずつ伝統がなくなっていくのだろう。

もちろんいろんな生活リズムや仕事の人がいるので配慮しないといけない部分はあると思う。

でもその怒鳴り主は御神酒所の真ん前のマンションで、そこに住んでたらそりゃ音が聞こえるよね、ていう場所なのです。

御神酒所は例大祭が始まる時に神職が来て神さまの御霊(みたま)を移すとても神聖な場所。
たいていは町会関係の敷地で一度そこと決まると滅多なことでは移動しない。

だからその文句を言った人はそのことを知らずに移り住んできた外の人なのかもしれない。その人にとっては地域の祭りなんてただの騒音で迷惑な存在なんだろう。

でも、もしこれが、大阪のあのだんじりで有名な岸和田とかだったら「祭囃子の音がうるさい!」とクレーム言ったら、じゃあそこに住むな!って話になって、たぶんそれは祭りに関わる地元の人の割合がどれだけその地域を高いかによって変わる気がする。

大阪と東京ってよく比較されるけど、圧倒的に違うのは大阪は道を歩いてる人のかなりの人がずっと前から大阪に住んでいる地元の人たちだけど、東京の場合、はっきり言って地方から来てる人の方が圧倒的に多い。

家を買わずに賃貸なら町内会にも入らないので地元との関わりもないだろうし、職場の人と話してても住んでいる場所の歴史に興味ない人が多いことにびっくりする。
子供が生まれると学校などを通して地域の行事にも参加するので少しはわかるようになるけれど、独身や毎日仕事に出ている夫婦だけの世帯だと、近所でお祭りをやっていても、あぁどこかでやってるんだな程度にしか思わないから単なる騒音で迷惑なモノとしか思わないんだろう。

もちろん地方から来て東京に住んで地域の祭りや行事を大切にしてくれる人たちもたくさんいて、そういう人達の協力なくしてはやっていけないんだと思う。

地方は地方でいろいろなしがらみがあったりして大変なのかもしれないけど。

都内でお祭りを続けて行くのは大変なんだなと思った出来事でした。

天天♪

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