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天才帰国子女が仲間に🇰🇭【スーパースターを目指すカンボジアの若者たち】第3話

🇰🇭ミッキー

カンボジアという国の言語は「クメール語」といいます。
ケンやレナは全く話すことが出来ません。
そこで、通訳として英語&クメール語が話せるカンボジア人の男の子・ミッキーを雇いました。

ミッキーとの出会いは、ある日突然。
ケンとレナがまだ何も始まっていない事務所でヒマを持て余し、ギターや電子ピアノで空っぽな音を無駄に鳴らしていたところ、大きな男の子が「あのぅ…」と入って来たのです。

ミッキーは、カンボジア人の青年です。
ご両親のお仕事の都合で、彼が育った場所はオーストラリア。先進国での教育を受けた、とっても賢い子でした。
しかも、ケンが仕事にしていたカメラワークに興味があり、音楽も得意。一度聞いた曲をピアノやギターでさらっと演奏できる才能を持っていました。
オーストラリアから祖国カンボジアに戻って来ていたミッキーは、ケンとレナ同様にヒマを持て余し、バイクでウロウロしていたところ、ケンとレナが鳴らす楽器の音に導かれ、事務所にフラッと立ち寄ってみたらしいのです。

ミッキーは、ケンの芸能プロダクションに興味を持ち、そのままスタッフになりました。
ミッキーの存在は、この芸能プロダクションにおいて必要不可欠なものになっていきます。

そしてミッキーの力を借りて、ケンは、スーパースターになりたい若者の募集を始めました。
すると、あれよあれよと沢山のカンボジア人の若者が集まって来たのです!

芸能プロダクションなのだから、まずは歌の練習だ!と考えたケン。
そこで狩り出されたのがレナです。
レナは音楽の教員免許を持っているので、集まってきたカンボジアの若者たちに音楽を教えることになりました。

まずは、ドレミから。
・・・・あれ?ドレミ知らない?
そっか、音楽の授業を受けたことないもんね、仕方ないわ。

よし、カンボジアの国家を歌ってみよう。
・・・・あれ?スピードも音程も何だかバラバラ?
よし、手拍子だ、手拍子でリズムを取ってみよう。

「私の真似をして手拍子してみてね」
パン、パン、パン、パン
「はい!」
パン、パン、パン、パン、パン
・・・回数合ってないヤツが何人かいるな。

「ちょっと、よく聞いてね。もう一回!」
パン、パン、パン、パン!
「はい!」
パン、パン、パパパン!

ものすごいバラつき感!
ちょっとちょっと!誰なの!? 4回の拍手を真似できないヤツは!!

大変、レナがちょっとキレ気味だわ。

ふと、レナは思います。
小さい頃にやる「手遊び」って、すごく大事というか、その後のリズム人生を大きく左右するのでは?と。
あの「手遊び」が、人生のリズムの始まりなのかも?と。

レナは小さな子に手遊びをするつもりでリズムを教えながら、歌の練習も始めました。
電子ピアノのドを叩いて
「この音に合わせて、声を出してみて」

アぁ~⤴︎!

・・・全員、ジャイアンか!!
※昭和生まれのレナさん、音痴=ドラえもんのジャイアンという固定概念

「もっと高く!もっと低く!」
と指示を出しても、「音の高低」の概念が無いことに愕然。

高い声は、キャー!という叫び声で。
低い声は、ヴォー…という囁きヴォイスで反応してくるカンボジアの皆様。

これ・・・スーパースター発掘できんの!?
はぁ・・・。

レナ。
ため息つくと、幸せ逃げるわよ。

ミッキー、当時18歳でした

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