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保護者同伴の個別療育の意味

今、たくさんの児童発達支援事業所があります。
長時間預かってくれる所も多い中、私の働く児童発達支援事業所では、保護者同伴の個別療育を実施しています。
保護者同伴には働くお母さんにとってはデメリットが大きいと思います。
だけど、それでも、保護者同伴の個別療育を実施するのには意味があります。

私たちは、子ども自身の発達も大切にしていますが、凸凹を補う環境の整え方やサポートの工夫、関わり方を大切にしています。
子ども自身の発達はそれぞれで、凸凹していたりゆっくり成長したりなので、発達することばかりを見ていると、子どもにも無理をさせることになったり、保護者もつらくなることにもなります。
凸凹というのは、環境や関わりによって特性が強く出たり落ち着いたりすることもあります。

その環境を整えたり関わったりするのは周りの大人で、特に保護者です。
特に幼児期の家庭でのサポートや関わり方は大きく影響します。

また、私は長年凸凹さんの支援をしてきて、高等学校卒業生を送り出したり、成人の方の支援もしてきました。
その中で思うのは、私たちや学校の先生はいつか離れます。
その後、就労支援など次のサポートとつながることもありますが、それをつなぐのは保護者です。
また、現在の就労サービスを利用すると時間も短くなり、家庭で過ごす時間も増えます。
結局は家庭に戻ってくるのです。

家庭がすべて抱え込んでサポートをしないといけないということではありません。
しかし、あくまでサポートの中心は家庭で、周りのサービスは家庭をサポートするもの、一緒にサポートをしていくものであることが望ましいと思います。

そのため、保護者が一緒に療育の場に来て、専門の職員からサポート方法や関わり方を見たり聞いたりして知ることは、子どもの発達にも家庭の安定にもとても重要です。

凸凹は親のせいではありません。
だけど、親の関わり方次第で、将来や発達が変わることはあります。
凸凹に限らずではありますが…
子どもに対する親の影響力は思ってるより大きいです。
子どもは親が1番好きです。

子どもは、子どもにとって安心安全の環境の中で成長発達します。
小さい頃は特に大好きな親がいることの安心感の中で療育をすることで、安心して次の段階に進めます。
また保護者に見てもらっているという安心感や優越感が成長の力になることもあります。
きょうだいがいると、保護者を独り占めできる機会にもなります。

保護者のお仕事も大切です。家庭の事情もあります。一緒に療育に行く時間は取れないと思われるかもしれません。
だけど、子どもをなんとかしたいと思えば、保護者の関わりを考えることが近道になることが多いです。
凸凹さんだからこそ、しっかり見てあげる時間をとったり、専門の職員と相談したり話をしたりする時間をとったりするのもどうかなと思います。

保護者同伴の個別療育では、毎回職員に直接相談ができるのもメリットです。
子どもの療育中に別室で保護者と話をする機会を設けることもあります。


現在はいろいろな療育先があり、選択の幅が広がっています。
私が福祉の大学を卒業した頃にはまだ障害のあるお子さんへのサービスはあまりなく、ましてや発達凸凹さんへのサポートもほぼありませんでした。
なので、今の事業所の多さ、多様さには感動を覚えます。

だからこそ、選ぶ難しさもあると思いますが、それぞれの事業所の特色を活用して、お子さんや家庭に合った所を上手く使い分けられるといいと思います。
ただ、どんな事業所に通っていても、やっぱり預けっぱなしではなく、保護者がサポート方法や関わり方を知って家庭で必要なサポートをすることができると、子どもも楽になるし、将来的に保護者も楽になっていくと思います。


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