入社直後は発言内容に要注意。

転職直後に、所属部署の先輩に聞かれた。「何で転職したの（何で前の会社辞めたの）？」

私は数秒沈黙して、「…色々ありまして。」と濁した。それ以上追求してこなかったが、「前はどこの会社に勤めてたの？」と聞かれ、答えた。その人は採用面接にいなかったので、もしかしたら退職理由を聞いていなかったかも知れない。

転職直後で、会社の人の人間性が分からない中で迂闊に何でも喋れないので、当たり障りのない事しか答えなかった。…大体、転職理由なんてネガティブな事が多い中、正直に言ってしまうなんてリスクがあり過ぎる。社内でどんな風に伝わるか分からないし、入ったばかりで評判を落とすことは極力したくなかった。

…後になって言わずに良かったと思った。その先輩はおしゃべりな部類に入っているっぽかったから。

業務上、稟議書を扱うので機密情報に触れていた。勿論、誰にも言っていない。部署メンバーで話している時、例の先輩が「何であの人〇〇したの？」と聞いていた。明らかに興味本位で。先輩は稟議書の内容を知らない。上司も苦笑いで言葉を濁し「周りから聞こえてくる話で察して（苦笑）」とだけ言った。噂話が好きな人は、多分喋ってるんだろうし。

以前上司が「この部署から、機密情報が漏れてるって前言われたから、これ言わないでね」と部署メンバーに言っていた。その時から、この部署にはおしゃべりがいるなぁ、気をつけないと…と感じた。私は、1年位は心を開く事は無いので大したことは言わなかった。

またある時、後から入社した中途採用の方に経費精算書類等の書き方を説明していた。私と例の先輩の二人で。先輩は、入社した方の配属先の先輩について「実は一回退職して出戻ってきた」だの「〇〇担当と△△担当は雰囲気微妙だ」とか話していた。親切心と言うよりは、自分が喋りたいだけかなと感じられた。私が聞かれた様に「何で辞めたのか」も聞いていた。

悲しい性なのかも知れないが、仕事と言う利害関係がある以上、誰が敵になるか分からない。相手が裏切らない（蹴落とされない）確証が持てない以上、自分の身は自分で守るしかない。会社だけでは無い、学校やプライベートでも付きあう人を選んだり、どこまで自己開示をするかは重要だ。

結局、部署メンバーとは信頼関係が上手く築けず辞めてしまったのだが、例の先輩は私の悪口を陰で言っていた。…尚更余計な事言わなくて良かった。それでなくても、口が軽い人は信用ならない。社会で生きていくのって怖い。喰うか喰われるかのサバイバルとしか思えない。世の中で一番恐ろしいのは生きている人間だと事ある毎に思い知る。