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#12 First of May(若葉のころ)/りんごのタルト

5月は、どの国でも美しい季節なのかな。
5月になると、Bee GeesのFirst of Mayという曲を思い出す。

初夏の恋の映画と、メロディ。

初恋の名画『小さな恋のメロディ』(1971)の挿入歌です。
『小さな恋のメロディ』の舞台はロンドン。
11歳のダニエルとメロディが恋に落ち、
「結婚します!」と宣言して、周りのオトナをあわてさせる話だ。
全体的に、とてもかわいい(語彙の死)。

子供の頃から好きな映画だけど、おとなになって早稲田松竹で観て、
ふるふると泣いちゃった。
ふたりが新緑のなかを歩きながら、手をはじめてつなぐシーン。

一方、Fist of May(若葉のころ)は、大人になって、昔の恋を歌った歌。
きれいで、あたたかくて、切ない。

When I was small, and Christmas trees were tall,
we used to love while others used to play.
Don’t ask me why, but time has passed us by,
someone else moved in from far away.

Now we are tall, and Christmas trees are small,
and you don’t ask the time of day.
But you and I, our love will never die,
but guess we’ll cry come first of May.

       Bee Gees      Barry Gibb / Maurice Ernest Gibb / Robin Hugh Gibb

クリスマス・ツリーは大きくて、自分たちが小さかったあの頃、
ぼくたちは愛しあっていた。
いま、自分たちの背が伸びて、クリスマスツリーのほうが小さくなった。
時は過ぎ去ったけど、ぼくたちの愛は決して消えない。
でも、ぼくたちは泣いてしまうだろう、5月が来たら。

対比が効果的で、映像的な「詩」だ。

ダニエルとメロディの「小さな恋」がこんなにも美しいのは、
そして二人の恋になぜか涙がうるうるしてしまうのは、
時が戻らないからだろうか、
いずれ恋は終わるということを知っているからだろうか。

りんごのタルトの作りかた

英語がわからないので適当にFirst of Mayを口ずさむ小学生だったわたしも、いつの間にかおとなになった。
おとなになったわたしは、5月にりんごのタルトを焼く。甘酸っぱさを、熟成させるような、そしてすこしスパイシーな苦味を添えて。

▼材料(15センチタルトレット型2台)
【りんごのソテー】
・りんご(ジョナゴールドを使用)1個
・砂糖 大さじ1〜(きび砂糖を使用。甘さによって調整)
・バター 大さじ1
【フィリング】
・アーモンドプードル 大さじ1
・植物油(こめ油を使用)大さじ1
・砂糖 大さじ1強
・ベーキングパウダー ひとつまみ 
・薄力粉 大さじ1
・卵 1/2個分
【タルト生地】
・バター 85g
・薄力粉 125g
・アーモンドプードル 30g
・粉砂糖 30g
・塩 少々
・卵 1/2個分
【仕上げ】
粉砂糖 少々
ピンクペッパー 少々
▼下準備
・材料を計って、粉類はふるっておく。
・バターは1センチほどの角切りにして冷やす。
▼作りかた
①りんごをソテーする。
りんごを5ミリほどのくし切りにして、バターを弱火で溶かし、しなっとしたら砂糖を加えてソテーする。(お好みでシナモンパウダーを足しても◎)
②タルト生地を作る。
粉類(薄力粉・アーモンドプードル・塩・粉砂糖)をボウルにあけ、角切りにしたバターを加え、指先ですりつぶすようにしながらポロポロにする。
とき卵を加え、全体をなじませてひとまとめにし、1時間以上休ませる。
③生地をのばす。
まな板などに打ち粉(分量外)をし、厚さ3ミリほどに伸ばす。
※このとき、オーブンを190度に予熱開始
④型に入れる。
タルトレット型に打ち粉(分量外)をし、しきこむ。フォークで全体的に穴をあける。
⑤タルトを焼く。
タルト石を乗せ、190度で15分ほど焼く。粗熱をとる。
⑥(焼いている間に)フィリングを作る。
粉以外を先にまぜておき、粉をざっと入れてまぜあわせる。
⑦再度、焼く。
タルトにフィリングをつめて、りんごを乗せて190度で30分ほど焼く。
粗熱がとれたら粉砂糖をまぶし、ピンクペッパーを散らす。

※うちは電気オーブンなので190度にしていますが、ガスオーブンの場合は180度に下げてください。
※全体的に砂糖控えめです。好みで足してください。

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Bee Geesのロビン・ギブが亡くなったのも5月で、訃報を知ったときに「ありがとう」と思って泣いた。
ずーっと好きでした。いまも好き。ありがとう。
「一途な恋」じゃなくても、恋が終わっても、たぶん「一途な思い」は消えないんだなとBee Geesが教えてくれた。

作者と映画について

Bee Gees
 英国王室属領マン島生まれのイギリス人のギブ三兄弟を中心に構成された、男性ボーカルグループ。1963年にオーストラリアよりレコードデビュー。映画「小さな恋のメロディ」の挿入歌「Melody Fair」「First of May 若葉のころ」「In the Morning」はめちゃくちゃ名曲で、今もよくTV番組のBGMに使われたりしているので、耳にしたことはあるはず。
 個人的には「Massachusetts」「獄中の手紙」「I started a joke」とかも名曲。ビージーズが好き、というと100%「渋い」と言われるけど、やさしい声、歌詞、今聞いてもやっぱ好きだ。

映画について
『小さな恋のメロディ』(原題: Melody )は1971年のイギリス映画。後にハリウッドで監督として成功したアラン・パーカーの処女作。少年少女の恋を瑞々しく描く。ヒロイン・メロディを演じたトレイシー・ハイドは初めての演技だったそうですがめちゃんこかわいい。あとダニエル(マーク・レスター)のやんちゃな友人・オーンショー(ジャック・ワイルド)がヤキモチを焼きながらも二人に協力するのがなんとも、よいです。

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