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YASU
2020年11月28日 00:28
それぞれに大きな病を抱えた父と母と、僕の恋人と。2019年秋。福島県大内宿旅行をした。2度結婚して2度離婚した僕だから、籍こそ入れていないがタマキが3人目だ。「バカ息子が。」とため息をつきつつも、年に1度の親孝行旅行を両親は楽しみにしている。「レンタル車椅子あるよ。」という僕の言葉を笑顔で断わって、父と母はトボトボと歩く。脳梗塞の後遺症で上手く言葉の出ない母と。耳の遠い父と。会
2020年11月27日 06:22
酒好きの僕らは高知ひろめ市場へ旅に出た。そして鰹のタタキの美味さに叩きのめされた。僕らの街の鰹のタタキは、大根のつまを血で赤く染める「チープな酒の肴」の代表だ。ところが、さすが高知の鰹のタタキは絶品で、ニンニクと塩で食べるそれは、ステーキにも引けをとらない。 鰹も恋をするのかな 切り身に裂かれた恋心が赤く光っている 鰹も眠れぬ夜があるのかな 藁に焼かれた恋心が恥ずかしそ
2020年11月26日 14:16
秋田男鹿半島に厳しい冬が来て山からなまはげが下りて来る「泣ぐ子は居ねがー」と練り歩く主人は酒を注ぎ嫁は肴を出し子供は泣き叫ぶみな同じようでどこか違ってみな恐ろしいようでどこか優しい今年もなまはげが暴れて年が明ける人は鬼であり鬼は神であり神は人である人は鬼になり鬼は神になり神は人になる已己巳己(いこみき)の魂に手を合わし八百万(やおよろず)に神は宿るそこここに
2020年11月25日 17:46
ヒトヒラの雪 川面に溶け信濃川の大河 海に流れる大正の繁栄を懐かしむような万代橋に人影少なく初冬の新潟は墨絵この大河のはじまりも一滴の水一滴と一滴 集まり滝に落ち 湖に漂い沢となり 川となりぶつかり 抱き合いまた海となり 雲となりまた一滴となる命はどこから生まれどこへ行くのか愛は何から生まれ何に形を変えるか不連続の連続の中に答えなき問いを繰り返すヒトヒラ