命をいただくことと美味しい味噌汁
「あさり」をもてあそんでしまった後悔と命をいただくことへの感謝のお話です。「あさり」は人名でなく貝です。そうです、あの「あさり」です。
あさりは鉄分、ビタミンB12をはじめ多く栄養素を含む食材で、貧血予防にもなると聞き、健康診断で貧血ぎみを指摘された直後だったので、スーパーで活きがよさそうなあさりを買って帰った。
まずは砂抜き。慣れない環境にとまどっているかのように最初は無口。キッチンを暗くしてそっとしておくと落ち着いたのか、活発に塩水を吹き始めた。
プシュー。ろうそくの火くらい簡単に吹き消そうなくらい力強い吹きっぷりは見ていて楽しい。それに、貝からニョロニョロがでてきて、ちょっと触ると慌てて貝の中に引っ込むのもおもしろい。そんな風にあさり相手に楽しい時間を過ごした。
翌朝、冷凍するつもりだったのだが、愛着がわいてきたこともあり、もう1日、手元に置いておこうと思った。家に帰ったらまたあさりと遊ぼう、などと思いながら、日のあたらない涼しいところに置いて出かけた。
夕方、帰宅して見てみると悪臭がした。腐ってしまったのだ。もはや食材というよりペットのような気持ちになっていたので悲しかったし、命をもてあそんでしまったことを後悔した。
私の美味しいあさりの味噌汁の作り方
*貝同士をこすりあわせるように洗う。乱暴に扱うと貝が割れてしまう。驚かせないように優しく。
*海水と同じ塩分濃度3%の塩水で砂抜き。吐いた砂をまた吸わないようにするため、網目のものの上にのせて塩水にひたす。
*浸す水量はアサリの頭すれすれ、常温、暗くして、くつろぎタイム。口元がゆるんでくるとニョロニョロ登場。
*塩水から完全に引き上げ、1時間ほどの塩抜きタイム。そこらじゅう水を吐き出すわんぱくぶり。回りのものはよけておいた方がよい。
*うまみをアップさせるため、またいつでも使えるように、冷凍保存。
*水(昆布で出汁をとるとよりうまみアップ)が沸騰したら冷凍あさり投入。パカっと口が開いたら、火を止め味噌入れ、小口切り長ネギのせて完成。
◎最も大切なのは、命をいただくことに感謝して「いただきます」
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