見出し画像

寅さんに見る恋愛観

最近またBSで土曜の寅さんを観ています。寅さんシリーズは10年前に隔週発売のDVDマガジンを定期購読して全巻揃えましたが、DVDを持っていてもBSでやってるとなぜか毎週楽しみに観てしまいます。4kだし。

今週は第8作「寅次郎恋歌」。感想を書きます。

この話からいつものセオリーを崩してきています。これまでの流れは大体、「寅さんが柴又に戻る→おいちゃんと喧嘩→旅へ→また柴又へ戻りマドンナと出会う→恋してフラれる→また旅へ」 とまぁこんな感じ。

でも今回はおいちゃんと喧嘩したもののまだマドンナとイイ感じなので旅へも行けず。そして連敗続きだった寅さんの片思いもこの回で初めて「○」っぽい感じに!いやあれは○でしょう。

今回のマドンナは池内淳子。未亡人で女手一つで小3男子を育てる喫茶店のママ貴子。なかなか友達の輪に入れない息子、学も寅さんの計らいで友達ができて明るい性格に。ここグッときました。

今度は喫茶店の経営で人に騙された貴子に、お金を作ろうといつも以上にバイに励み、力になりたいとりんどうの花を持って元気づける寅さん。これに「そんなこと言われたのは生まれて初めて」と涙する貴子。店も何もかも捨てて旅に出たいと。

今までにない展開に「ここら辺が潮時だ」と身を引き旅に出る寅さん。ここ、とても共感しました。付き合ったとして、その先うまくいかなくなる予測をこの段階で立ててしまう。この先もいくつか「○」の話があるが、理想と現実との境界を越えられず、結局は身を引くしかない。恥ずかしながら私もまるでこれです。付き合ったとて、そこからは減点されていくしかないと身を引くことばかり。このジレンマ。

志村喬の「人間は絶対に一人では生きていけない。そこに気づかなければ不幸な一生になる」という言葉など、今の自分にとって、身につまされる内容でした。10年前、24歳の頃に観た時とはまた違う思いを抱きました。さらに10年後にもう一度この話を観たら何を思うのか。

そして森川信のおいちゃんは今回がラスト。べらんめぇ調だけど温かみがある「馬鹿だねぇ〜」、初代おいちゃんが1番好きです。

来週は小百合さんの一回目♫


#映画感想文 #男はつらいよ #寅さん #昭和 #山田洋次 #最近の学び #邦画 #渥美清

この記事が参加している募集

最近の学び

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?