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【石の上にも三年】(新釈ことわざ辞典)記事版

石の重みに耐えかねて逃げ出そうとする人にブラック企業のパワハラ上司がかける言葉。

同じ石に三日坐って同じ景色を見ていたら、普通は飽きてきます。
「三年耐える」より、好きな眺めを自由に見たいはず ── 石から降りることができるならば。

ブラック企業なら辞めることができますが、カルト教団から離れるのはなかなか難しいのでしょうね。生活をすべて《集団の価値観》にからめ捕られて、《個人の価値観》が入り込む隙がない状態にまで追い込むのでしょう ── 戦略的に。

しかし、最も「逃げ道がない」のは《集団主義国家》に住む国民です。

昨年の数字で、世界人口の実に71%が独裁国家に住んでいるそうです。

下の地図で、
・赤色はほぼ独裁国家
・オレンジ色は選挙の形態こそ取っているが実質独裁国家

・水色は選挙のある民主主義国家
・青色は自由な民主主義国家
だそうです(Our World in Dataより)。

2021年における、ほぼ独裁/選挙形態を取る独裁/選挙のある民主主義/自由な民主主義国家の分布地図
Our World in Data より
https://ourworldindata.org/democracy

中には三年どころか、三十年を超える長期独裁政権もあります。

何らかの手段により(多くは十分なお金を使って)自分だけ、あるいは自分の家族だけ石の上から降りることができる国もありますが、それすら難しい国も多い。

国連は無力だ、としばしば思うのですが、この「71%」という数字を見ると、《真の無力感》にとらわれます。

問題を指摘したり、問題の深刻さを嘆くだけでなく、
《具体的な問題解決の方策》
をなんとか捻り出したいのですが……ヒントすら浮かばない無力感にとらわれます。

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