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【捕らぬ狸の皮算用】(新釈ことわざ辞典)記事版
狸狩りのプロセスのうち、最も幸福なSTEP。「皮算用」こそが狸狩りの《醍醐味》と言って良い。
以前、創作型懸賞への応募は、
《ひと粒で4度美味しい》
と書きました(↓)。
➀ 《目標》を定め、どういう創作物にするのか、《戦略を練る》愉しみ。
➁ 日程的な《計画》を立て、実際に《創作》を行う、充実した時間。
➂ 創作物を投稿後、結果発表までの、《期待》と《夢》に満ちた幸福感。
➃ 結果発表後の、酒を飲みながら審査者を《罵倒》する痛快。
(もちろん、賞をゲットできれば、➃は当選の歓び、となります)
「捕らぬ狸の皮算用」は、➂に相当しますが、「狸狩り」の場合は、➀で戦略を立てる以前に皮算用しています。
むしろ、「公募ガイド」を斜め読みしながら《夢を膨らませていた時間》に近いかもしれない(↓)。
ベッドに横になり、送られてきた雑誌のページをめくっていると、いろいろな公募が載っていました。
── 眺めているうちに、次第に夢が膨らんでいきました。
まだ応募も ── いやそれどころか、書き始めてさえいないのに、── この賞ならいけそうだ、賞をとったらどうしようか、賞金はどう使おう、授賞式ではどんなスピーチをしようか、いや、研究生活と両立するだろうか、 ── などと、どんどん想像が(妄想が)エスカレートしていきました。
このことわざは、従来はネガティヴな意味に解釈されるようですが、とんでもない!
「説明文」に掲げたようにとても幸せな時間であるばかりでなく、たとえばビジネスならば、きわめて重要なステップです。
1.「捕らぬ狸の皮算用」を行う。
2.狸狩りのためのコスト ── 人件費、装備費、消耗品代などを計算する。
3.さらに、狸を捕らえる成功確率と成果頭数を見積もる。
4.コストを大きく上回るリターンが見込める場合のみ、「狸狩り」を実行する。
「皮算用」をせずに「狸狩り」を決行するのは無謀です。
「皮算用」をコストが上回るようなら、当然、「狸狩り」は諦め、勇気ある撤退をしなければなりません。
ですから、STEP1「捕らぬ狸の皮算用」が最も重要です。
どうせなら、ぜひ、
1.「捕らぬ狸の皮算用」を《ワクワク/ニヤニヤしながら》行う。
といきたいものです。
1番《夢が膨らむ》ところ ── なんですから。
でも、プロジェクト概要書の「事業収益予想」を読んで、
「よくできた『捕らぬ狸の皮算用』だね!」
と部下をホメない方がいいかもしれません。
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