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伊豆シャボテン動物公園の巧みな戦略 (旅で★深読み)
半世紀以上前のアルバムを見ると、父親の単身赴任先(たぶん、東海道新幹線の高架建設工事)である沼津を家族が訪問したついでに、伊豆のシャボテン公園で撮ったスナップ写真(モノクロです)が貼ってあります。
当時はじっさい、とにかくデカい「シャボテン」があったという記憶しかありません。それでも、娯楽の少なかった当時の日本では、かなりの《非日常世界》だったのでしょう。
4月に伊豆に行き、お花見をして、大室山に登った記事を書きました。
その時、この「シャボテン公園」にも行きましたが、ここの経営戦略にひそかに感心したので、写真と共に紹介します。
半世紀ぶりに訪れたら、名称は、
《伊豆シャボテン動物公園》
に変わっていました。
入園料は(GW中はもっと高いらしいんだけど)
大人(中学生以上)2400円
小学生1200円
幼児(4歳以上)400円
なんだそうです。
まあ、こんなものなんでしょうね。
ところが、です。5歳なら400円、3歳ぐらいのチビが無料だからと連れて入ると、《罠》にかかります。
カピパラが気持ちよさそうに風呂に入っていますが、カピパラの餌が200円で売られています。当然子供たちは、
「エサ、あげたーい」
と言いますね。これが、ニラ5-6本ぐらい。
200円ぐらいなら、と買うけれど、とにかく行く先々に次々と動物が待ち伏せしており、次々とエサを買うはめに陥ります。
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ペリカンのエサは300円でしたが、これは《活きたドジョウ》。ドジョウは高価だから仕方がないね。
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リスザルなど、雑食性の小動物のエサは、「わかもと」ぐらいの錠剤がわずか数個で200円とか300円でしたね。直接彼らの手に渡せる、というのが「ウリ」のようです。
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この「錠剤数粒」は当然、すぐなくなるので、すぐにまた欲しがる。
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と、気付いてみれば、小さな子供もひとりあたり大人の入園料に匹敵するようなエサ代を払っている、という寸法です。
なかなか巧みなビジネスではありませんか。
しかも、レストランではカピパラバーガーが待っているし、売店では頭の上に「手ぬぐい」らしきものを載せたカピパラ君たちが大挙して並び、
「連れて帰ってくれ!」
と喚いている。
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いやあ、たいしたものです。
この作戦が大成功しているのか、この動物公園の飼育員は若者ばかりでしたね。成長性の高いビジネスなんだ、きっと。
脱帽です!