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「お主、悩みがあるそうだな」 「あなたは誰? なぜ姿が見えないのですか?」 「私はお主の脳…
ぼんやりツイッターの画面をスクロールダウンしているときだった。その記事に遭遇したのは。…
その鏡が人を映すだけではなく、中の人が外に出てこられる、すなわち人をコピーできる、とい…
ある冬の日。 郵便受けに一通の手紙が入っておりました。 淡い鴇色の上品な和紙を用いた封筒で…
わしの見た雪女は、話に聞いていたのとは違っておった。 あれはわしが若い頃、反物の行商…
国重智子は今年で35歳になる会社員である。いくつかのあまり思い出したくもない恋愛を繰り返し…
できるだけ避けて通りたかった。ひたすら眩しいイルミネーションとか、寄り添ってきらきらした笑顔とか、ケンタッキーの予約とか、うきうきした街の音とか、どっち向いても白いボンボン付けた赤い帽子とか、ほんとに全部、勘弁してほしかった。鐘の音なんか、冗談じゃない。 「つら」 思わず呟いて顔を顰めた。一年も引き摺ったままの自分が悔しかった。 「イブの夜なのにごめん、急な仕事が入ったんだ」「明日には会えると思うから」――「仕事なら仕方ないよ、頑張ってね。明日楽しみにしてる」 こん