【ショート・ショート】「ぼくは本当にそこにいたんだろうか?」
親戚に不幸があった。長い間疎遠になっていた伯母だった。もう会うこともないと思っていた。でも聞かされれば行かないわけにはいかない。
家に伺って、死に顔を観て、焼香をした。
あとはお決まりの流れ。通夜と葬式。誰もやらないから受付役。べつに気は進まないが無難に親戚としての役割を終え、それで本当の終わり。もう関わりを持つこともない。そう思っていた。
でもそうではなかった。まったくそうではなかった。
ぼくは死の強い匂いをそこに感じずにはいられなかった。
「それはぼくの死なのだ。」「ぼ