#クスッと笑える
【10秒で読める小説】懐かしい味
僕は日本で人気カレー店を営む、インド人だ。
「ここのカレーは本場の味なのに、なぜか懐かしいんだよな」
客はみな、不思議そうに言う。
「アリガトウ、ゴユックリ」
と笑顔で言い、僕は厨房に戻った。
日本人である僕の妻が、仕込み用の鍋をかき混ぜながら呟く。
「肉じゃがをリメイクしたカレーが、こんなに流行るとはね」
【10秒で読める小説】お帰りはこちらから
富士山登山客の増加は喜ばしい事ばかりではない。様々なトラブルも増えた。
例えば、道幅の狭い登山道では登り優先だから、下山客がいつまでも待たされる、といった問題だ。
せめて下山をスムーズにおこなって貰おうと、行政は富士山頂から超ロング滑り台を設置した。
ちなみにこの滑り台、スリリングでなかなかのシロモノ。
「もう一回滑りたい」「もう一回…」
登山客はかえって増えたそうだ。
【10秒で読める小説】今どきは…
俺が「いいな」と思った子はみんな、別の奴にかっさらわれた。透き通る肌のあの子も、キラキラ輝くあの子も。
「古いな、今はこうやるんだよ」
友人は、画面をスワイプさせて、気に入った子をチェックしていく。
「ほら、お前も見ろよ。え、いい?じゃあ俺は遠慮なく頼むぞ。マグロ、コハダ、海老…」
回転寿司での出来事。
【10秒で読める小説】そんな都合のいいやつおらん
なぁSiri、理想の彼女はどこにいる?
「理想とは?」
僕の好物のパン作りが得意で、夜中でも飯と酒を用意して、笑顔で迎えてくれる子。
「でしたら1キロ先の山崎様がピッタリかと」
近!でも運命は案外近くに転がってるものかもな。
意気揚々と場所へ向かうと、そこには煌々と光るデイリーヤマザキ…