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10秒で読める小説

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100作書けたので、次の目標は150作!ってことでボチボチ書いていきます。
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#クスッと笑える

【10秒で読める小説】懐かしい味

【10秒で読める小説】懐かしい味

僕は日本で人気カレー店を営む、インド人だ。

「ここのカレーは本場の味なのに、なぜか懐かしいんだよな」
客はみな、不思議そうに言う。

「アリガトウ、ゴユックリ」
と笑顔で言い、僕は厨房に戻った。

日本人である僕の妻が、仕込み用の鍋をかき混ぜながら呟く。
「肉じゃがをリメイクしたカレーが、こんなに流行るとはね」

【10秒で読める小説】お帰りはこちらから

【10秒で読める小説】お帰りはこちらから

富士山登山客の増加は喜ばしい事ばかりではない。様々なトラブルも増えた。
例えば、道幅の狭い登山道では登り優先だから、下山客がいつまでも待たされる、といった問題だ。

せめて下山をスムーズにおこなって貰おうと、行政は富士山頂から超ロング滑り台を設置した。

ちなみにこの滑り台、スリリングでなかなかのシロモノ。
「もう一回滑りたい」「もう一回…」

登山客はかえって増えたそうだ。

【10秒で読める小説】今は昔…

【10秒で読める小説】今は昔…

今は昔、陽気な姫がおり、たいそうな人気じゃった。

「のう、余の女御にならぬか?」
「絶対ヤダー!マジウケる」
「冗談じゃ、にしてもハッキリ申すのう」
「竹を割ったような性格だから、『お前の親、竹やろ』って言われてんの、アハハ」

後世、竹から生まれ、帝に求愛された美女として語り継がれたとさ。

【10秒で読める小説】ヒーローの正体

【10秒で読める小説】ヒーローの正体

マジやば!

同級生の冴えない男子がヒーローの正体だったなんて。
ギャップにやられた私は、駆け寄ってキスした。悪者に襲われかけているというのに!

途端に彼の筋肉は萎んで細ガリの姿に。
「君のキスで、ヒーローになる呪いが解けたよ」
ヒーローは呪いだったの!?
いやそれより、この悪者どうすんの!?

マジやば!

【10秒で読める小説】今どきは…

【10秒で読める小説】今どきは…

俺が「いいな」と思った子はみんな、別の奴にかっさらわれた。透き通る肌のあの子も、キラキラ輝くあの子も。

「古いな、今はこうやるんだよ」
友人は、画面をスワイプさせて、気に入った子をチェックしていく。
「ほら、お前も見ろよ。え、いい?じゃあ俺は遠慮なく頼むぞ。マグロ、コハダ、海老…」

回転寿司での出来事。

【10秒で読める小説】そんな都合のいいやつおらん

【10秒で読める小説】そんな都合のいいやつおらん

なぁSiri、理想の彼女はどこにいる?
「理想とは?」
僕の好物のパン作りが得意で、夜中でも飯と酒を用意して、笑顔で迎えてくれる子。
「でしたら1キロ先の山崎様がピッタリかと」
近!でも運命は案外近くに転がってるものかもな。

意気揚々と場所へ向かうと、そこには煌々と光るデイリーヤマザキ…