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【自己紹介】元銀行員の財務コンサルタント

はじめまして。
元銀行員で財務コンサルタントをしている岩瀬と申します。

まずは理想とする「財務コンサルタントの在り方」や、これから「noteで発信する内容」についてお話しし、興味を持ってもらえた方向けに「プロフィール」「支援内容」などもお伝えしたいと思います。


財務コンサルタントの支援内容と報酬体系

一般的な財務コンサルタントの支援内容は、報酬体系によって大きく3つに分かれます。

①成功報酬型

融資や補助金などの資金調達支援が中心で、融資コンサルタントや資金調達コンサルタントといった肩書の方も多いです。
比較的小規模な事業者が多く、元銀行員や元会計事務所勤務、中小企業診断士などの方が起業して始めることが多いです。

②顧問契約型

決算書を使った財務分析に基づくアドバイスが中心で、経営コンサルタントやCFO(最高財務責任者)といった肩書の方も多いです。
全国に拠点を持つ上場企業から個人事業主まで、様々な規模の事業者がいます。

③ハイブリッド型(成功報酬型+顧問契約型)

普段は顧問契約型と同じようにアドバイスを行い、資金調達支援が必要な場合は成功報酬型で対応します。
典型的なケースとしては、税理士事務所がハイブリット型の報酬体系を採用していることが多いです。

報酬体系別のメリットとデメリット

①成功報酬型

メリット
・成果が出るまで費用が発生しない(融資や補助金など)
・作業を丸投げできることが多い(コンサルタントが行った方が早いため)

デメリット
・必要以上の資金調達になりがち(コンサルタントの報酬が増えるため)
・支援終了後のフォローがないことが多い

②顧問契約型

メリット
・目先のことに囚われず、長期的な視点でアドバイスを受けられる
・決算書だけでは分からない経営状況や社内事情なども考慮してもらえる

デメリット
・財務分析だけの抽象的なアドバイスになりがち
・コンサルタントへの依頼内容が曖昧だと費用対効果が分かりにくい

③ハイブリッド型(成功報酬型+顧問契約型)

メリット
・費用対効果が高まりやすい(納得感が得やすい)
・日頃から付き合いがあるので、短期間で資料の準備などができる

デメリット
・融資や補助金などを勧められると断りにくい場合もある
・繁忙度合いによっては後回しにされることもある

「財務コンサルタントの在り方」を考えるようになったきっかけ

財務コンサルタントと言っても支援内容や報酬体系は様々で、それぞれのやり方や考え方が異なるため、どれが良いとか悪いとかは言うつもりはありません。

また、私は現在は顧問契約型が中心ですが、起業当初は集客しやすい成功報酬型に力を入れていたように、何かしらのきっかけで途中から方針を転換する方も多いです。

私が「財務コンサルタントの在り方」を考えるようになったきっかけは、以下のような経験からです。
このようなケースはとても多く、今後も更に増えていくと思われるため、皆さんの参考にもなればと思います。

①資金調達だけで終わってしまう

資金調達はスタート(またはリスタート)だと考えています。
起業や新規事業、設備投資などでは資金調達がスタートになりますし、業績を改善するための運転資金などでは一旦資金繰りに余裕を持たせるリスタートになります。

そして、ほとんどの方が必死になって資金調達をします。
資金調達できなければスタート(またはリスタート)できないわけですから当然かも知れません。
ただ、資金調達した後もその必死さを継続できる方は多くありません。

学問としての経営理論や調査結果、統計などから総合的に判断すると、経営の世界では「才能のある人やすごく努力した人だけが生き残っていく」わけではなく、「やるべきことをやらずに手を抜いた人から脱落していく」ように考えられます。

中小企業にとって一番重要な財務の仕事は資金調達であることに間違いはありませんが、事業をスタート(またはリスタート)するよりも継続していくことの方が何倍も難しいため、資金調達支援だけでは不十分だと思う気持ちが強くなって行きました。

②計画だけで終わってしまう

お問い合わせをもらって個別相談を行ったときに、「過去に別の専門家(経営コンサルタントなど)から支援を受けて事業計画を作成したことがある」というケースがそれなりにあります。

通常は3年~5年程度の計画を作成するため、計画を作成してから2年ほど経っていればあまり気にならないのですが、中には半年ほどしか経っていない段階で相談に見える方もいます。
そういった方に計画を作成した理由を聞いてみると、「融資や補助金を受けるために作成した」というケースがほとんどです。

結果的に資金調達はできているようなので、問題はないように思うかも知れませんが、計画を作成するための費用と労力はかかっています。
また、融資を行った銀行からしたら(特別な事情がない限り)1年も経たないうちに計画の内容が大幅に変わるような企業は信用できないため、今後の融資の審査が厳しくなります。

もちろん、計画の作成を支援した専門家にも問題はありますが、代わりに責任を取ってもらうことはできないため、すべて経営者の責任となります。

ほとんどの専門家は計画の作成を支援することが仕事で、計画を実行することは経営者の仕事だと思っていますし、銀行や公的な支援機関もそのように考えています。
しかし、一度でも企業を経営してみれば、「計画を作成することと実行することは別問題で、計画通り実行することがどれだけ難しいか」、身に染みて理解しているはずです。

「計画を作成した」というのは「スタートラインに立った」ということで、その後「どう実行していくか」で成否が分かれるため、事業計画の作成支援だけでは不十分だと思う気持ちが強くなって行きました。

理想とする「財務コンサルタントの在り方」

これまでにいろんなことを経験した中で、今の私が考える財務コンサルタントの理想像は以下のようになります。

①経営者と同じ目線で考える

上の立場から先生としてアドバイスをするわけでもなく、下の立場から指示を受けるわけでもない。
最終的な決定権と責任は経営者にあるが、財務(経営)の専門家として対等(または対等に近い)立場から意見する。

②長期的な視点で本質的な企業価値の向上を目指す

短期的な決算対策も重要だが、5年後10年後のことを考えて長期的な企業価値を損なわないように意識する。

③資金面(財務面)の負担を軽減し、経営者が本業に専念できる環境を整える

資金調達だけでなく、決算報告や計画説明などの銀行対応全般を引き受ける。
社外の専門家ではなく、社内の財務担当者として対応する(私の名刺を作ってもらい、クライアントの従業員として対応可能)。
銀行(保証協会)の最新動向を把握し、将来に渡って円滑に資金調達できる関係作りを行う。

④理論は実践できてこそ意味がある

決算内容やその分析結果など、経営に必要な数字を簡単に理解できるように説明し、管理できる体制を整える。
抽象的ではなく、誰が何をしたら良いのか分かるように具体的なアドバイスを行う。
経理・財務・税務などに精通するだけでなく、経営に必要なあらゆる業務の広く浅い(知識ではなく)知見を身につけ、経営者目線で判断する。

⑤財務担当者は企業経営の攻守の要(調整役)

事業を継続させることが大前提、良い企業ほど資金管理に力を入れ、失敗しても大きな影響が出ない範囲で積極的に挑戦している。
「どんなに良い企業でも必ず問題は起きる」という前提で考え、何か問題が起きたときは率先して解決を図る。
常に最悪のケースを想定して準備する(社内に一人はそういう人が必要)。

ここに挙げていることが全てではないですし、私自身が完璧に実践できているわけでもないと思いますが、このようなことを常に意識して行動しています。

noteで発信する内容

これからnoteで発信していく内容は、主に以下の2つを予定しています。

①資金調達

なんだかんだ言っても中小企業にとって一番重要な財務の仕事は資金調達ですし、皆さんが一番知りたいのも資金調達に関するノウハウだと思います。

元銀行員として、そして現在も資金調達支援を行っている立場から、最新情報や経験談などをお伝えしたいと思います。
(*ご質問などがあればお気軽にご連絡ください。)

②財務の実践

財務という言葉を聞いたことはあるかと思いますが、何をしているのかよく分からない方がほとんどだと思います。

決算分析などの座学の部分は他でも勉強できますので、「財務をどのように経営に活かしていくのか」という実践の部分を中心にお伝えしたいと思います。

プロフィール

職歴

①信用金庫(中堅)
1店舗目(住宅街の中に小規模企業が点在するエリア)
住宅ローンやアパートローン、保証付き融資などを幅広く経験。
2店舗目(富裕層の多い住宅街)
主に住宅ローンやアパートローンを経験。
3店舗目(本店営業部)
数千万~数十億のプロパー融資を中心に、保証付き融資も経験。
4店舗目(人口減少が進む町の中心部)
リーマンショックの影響もあり、多くのリスケ対応を経験。

②投資会社(最大手)
中部エリアの金融機関(100社以上)を担当し、投資案件(主に事業再生)の仕入れ(デューデリジェンス、再生スキームの構築など)を経験。

③調査会社(最大手)
名古屋エリアで信用調査(月30件以上)を経験。

創業の経緯

会社員時代から一貫して何かしらの形で企業経営に携わってきたわけですが、相手企業からしたら「私(会社員)は部外者である」という疎外感をずっと感じていました(当たり前だと思いますが)。

また、相手企業に対して「こういうことができたらもっと役に立てるのに」と思うことが多くあり社内でも働きかけてきましたが、私の力では組織を動かすことはできませんでした。

「もっと相手企業の中に入って行ってしっかりと経営に関わりたい」、そんな気持ちで転職や起業を考えていた時に、懇意にしてもらっていた経営者の方からご相談があり、副業(ボランティア)で経営コンサルティングを始めることになりました。

コンサルタントとしての経験もなく、企業経営を甘く見ていた部分もあり、初めのうちはほとんどうまく行きませんでした(むしろ迷惑だったと思います)。
ただ、そんな中でも唯一まともにできたことが資金調達支援でした。

その後もいろんな失敗をしましたが、その中で感じたことは「中途半端に何でもやろうとするよりも、特定の分野に精通した方が相手企業に貢献できる」ということでした。

私は元々決算書を見ているのが好きで、数字の羅列や細かい文字を見ていても苦にならなかったため、財務という分野を極めようと思い、「これならやって行けるだろう」と自信を持てるようになった段階で起業しました。

正直に言って今でも学ぶことは沢山あります。
会計のルールや税法は頻繁に変わりますし、企業(顧問税理士)によって決算書の作り方はバラバラです。

座学での勉強が中心で実際の中小企業の決算書を見た経験が少ない方は、決算書の内容がぐちゃぐちゃすぎてびっくりするはずです(業績の良し悪しではなく、仕訳や勘定科目に違和感があるということです)

ただ、これらを一つずつひも解いていくと企業を良くするためのヒントが見つかることも多いため、財務の専門家としてはやりがいを感じる部分でもあります。

支援内容

元銀行員による資金調達支援を中心とした「社外財務担当者サービス」という形で、クライアントの財務担当者として経営全般を支援しています。
また、長期的なお付き合いの中で信頼関係を築いて行きたいと考えているため、基本的には顧問契約制としており、原則として成功報酬は頂きません。

サービスの特徴や主な支援内容は以下の3つです。

特徴① 実現可能な事業計画の作成支援

計画の良し悪しは、「現状把握の精度(クライアントのことをどれだけ深く理解しているか)」によって大きく変わります。

現状把握というのは単なる決算分析の結果など(定量面)に留まらず、新しい施策に取り組む余力(ヒト・モノ・カネ)がどのくらいあるか、計画を実行する上で従業員の協力を得られるか、メインバンクから支援を受けられるか、といった数字では測れない部分(定性面)も重要になります。

財務コンサルタントだからといって財務面の分析をしているだけでは良い計画は作れないため、基本的には人(経営者・従業員・取引先・銀行など)を中心に据えて、実現可能な事業計画の作成を支援しています。

特徴② 実務面を考慮した伴走支援

せっかく時間とお金をかけて計画を作成しても、計画通り実行することは容易ではなく、以下のようなことがよく起きます。

いつまでに、誰が、何をするのか、そして誰が責任を持って管理するのか、といったことが明確になっていないため、最初は何かしら行動するものの、いつの間にか元に戻ってしまう。

思うような成果が出ないときに、計画の良し悪しや進捗管理(計画の修正も含む)の問題ではなく、従業員のやる気や能力の問題として責任転嫁され、社内の雰囲気が悪くなりコミュニケーションが取りづらくなる。

現場の状況をよく確認せずに(思い込みで)計画を作成したため、そもそもうまく行かない可能性が高い(既存顧客の対応だけで精一杯なのに、時間を確保する工夫はせずに新規開拓を行おうとしたケースなど)。

こういった話題はできれば避けたいことかも知れませんが、現実的にはよく起こることですので、実行するときのことを考えて計画を作成することが重要です。

また、クライアントのことをよく分かっていない外部の専門家(経営コンサルタントなど)が中心となって計画を作成すると、こういったことが起こるリスクが増えるため、あくまでもクライアントが中心となって計画を作成できるようサポートし、実務面を考慮した伴走支援を行っています。

特徴③ 元銀行員による資金調達支援

皆さんもご存じの通り、銀行は基本的に決算書を見て融資の審査を行っています。
言い換えれば、「決算書がきれいなら融資を受けられるし、そうでないなら融資を受けられない」ということです。

そのため、すべての上場企業が相当な労力とコストをかけて、決算書がきれいに見えるように努力しています。
「決算書がきれいに見える」というと、粉飾決算など、何か悪いことをしているように感じる方もいるかも知れませんが、むしろ逆で、決算書がきれいに見えるように努力していないのは中小企業だけです。

中小企業は基本的に株主のことを考える必要がないため、中小企業にとって「きれいな決算書」とは、「希望するタイミングに、希望する条件で、希望する金額の融資を受けられる決算書」ということになります(融資を受ける必要がないなら節税すれば良いです)。

そして、「きれいな決算書」を作るために、何を、いつまでに、どれだけやれば良いのか、具体的なアドバイスをするのが財務担当者の重要な役割の一つです。

また、クライアント次第にはなりますが、「社外の専門家」ではなく、「社内の財務担当者」として関わって行きたいと考えています(クライアントに私の名刺を作ってもらい、クライアントの従業員として銀行対応を行うことも可能です)

先ほどもお話ししたように、銀行は基本的に決算書を見て融資の審査を行っていますが、決算書だけで判断しているわけではありません。

銀行員は経営者と面談したときに、「決算書の内容をしっかりと理解しているか」「今後の方針や計画をきちんと説明できるか」「いつもと比べて何か変わったことはない」、といったことを何気ない会話の中で確認しています。

また、「さっき言ったことと矛盾しているな」「そんな余計なこと言わなければ良いのに」「いつも問題を先送りにしているな」、といったことも口には出しませんがちゃんと気づいています。

クライアントに私の名刺を作ってもらい、クライアントの従業員(財務担当者)として銀行対応全般をお任せいただければ、こういった銀行対応に伴う負担を減らすことができます(経営者に同席してもらうことは最小限にとどめ、融資交渉や決算報告、計画説明などは私が代わりに行います)。

これらの支援を続けていくことによって徐々に資金面(財務面)の負担が軽くなり、経営者が本業に専念できるようになると更に経営状況が良くなっていきます(中小企業の経営者は基本的にその企業のトップセールスです)。

お気軽にご相談ください

よくご相談いただく内容は以下の2つです。

①資金調達

やはり一番多いのが資金調達に関するご相談です。

「これから資金調達したい」「今後資金調達を予定しているが不安がある」「返済負担が重たいので借換できないだろうか」など、いろいろなご相談をいただきます。

最近は「経営者保証(経営者の連帯保証)の解除」「コロナ融資の本格的な返済開始に対応するための資金繰り対策(リスケも含む)」「融資を申込もうとしたら銀行から事業計画を出すように言われた」といったご相談も増えてきています。

また、「銀行から融資を断られた」という方の場合、すぐに資金調達することは難しいかも知れませんが、「どうしたら今後資金調達できるようになるのか」「そのためには何をしたら良いのか(しないといけないのか)」といったことについても対応していますので、諦めずに一度ご相談ください。

②財務の実践

「すぐに資金調達する必要はないが、最近赤字が続いている」「売上や利益は見ているが、決算書の細かい内容はよく分からない」「やれることはやっているつもりだが、数字では管理できていない」、といった課題を感じている方からのご相談が多いです。

財務という言葉を聞いて何をしているのか分かる人はあまりいないと思いますので、「決算書の内容がよく分からない」「決算書の内容だけでは足りないので、もっと細かく管理していきたい」「何となく財務に興味がある」といった方は一度ご相談ください。

「財務に力を入れることによってどんな課題が解決できるのか」、各企業の経営状況に合わせてご説明します。

初回相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。
ご相談のお申込みは以下のお問い合わせフォームやSNSのDMにてお願いします(※氏名、企業名、業種、メールアドレスなどの連絡先、希望の連絡方法、ご相談内容などを添えていただけると助かります)。

また、士業、不動産業、保険業、高額な商品やサービスを販売している企業など、取引先の資金調達が必要になる事業者の方からのご相談もいただいております(※基本的に弊社のクライアントを紹介することはありませんのでご注意ください)。

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