「ドライブデート」 vol.4
春の日差しが、仄温かく感じる。
高速道路を走るより、ワインディングを左右に振られながら、
走るのが好きで山頂を目指して今日も走っていた。
彼女が酔わないように、ゆったりとコーナーを曲がる。
酔い止めにガムと飴をたくさん持ってきていた彼女は、
仕切りに話し掛けてきた。
「あとどれぐらい」「今流れている曲は」「今朝何食べた」
「昨夜の特番、面白かったね」
一つ一つ丁寧に返しながらも、運転に集中していた。
急に彼女が、あまり話をしないで、お腹を抑え始めた。
「どうしたの」「気分悪いの」
「お腹が少し痛い」
峠道では、急に止まれない。
コーナーを曲がり切って、少し広いところに出て、路肩に車を停めた。
お腹が痛くて、我慢が出来ない状態だった。
兎に角、
トイレを早く探したかったので、車から降りてあたりを見回し、
歩き回った。
そうこうしている途中、上から歩行者が下りてきた。
トイレのある場所を聞いてみる。
すると、50メートル先にトイレがあるとのこと。
直ぐに車に乗り込み、走らせることに。
何とかトイレに行くことが出来た。
その後、ワイディングを抜けて、山頂に到着してから、
山頂にある遊園地でジェットコースターに乗った。
車に乗るのと、ジェットコースターに乗るのとは、
違っているみたいで、二人して笑顔が絶えなかった。
急な腹痛と酔い止めは、山頂の遊園地が全部きれいに、
洗い流してくれた。
夕陽の中で観覧車が、キラキラと光り輝いていた。
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