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『半ば羨ましく思う蜻蛉返り』

トンボの群れ眼で追いかけて

急に訪れた貴女胸元で蜻蛉返り

近くに停まっていた車の傷を見て

ふとあの頃の出来事を思い出す

一度付いた傷は簡単には戻らず

傷はずっと我の姿を追いかける


今日偶然出会ったトンボの群れ

あの中に混じっていたのは確か

元に戻るトンボと戻らないもの

その差を埋めるものを探し始めた


川面に映るのは白い雲の群れ

水中には小魚の群れと私の足

川沿いの小道を真っ直ぐ歩き

草むらの虫の音と川のせせらぎ

時折鳴く水鳥や野鳥の鳴き声

まるで雑音のように聞きながら

見つからない答えを探し続けた



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