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『海と風とクリスマスツリー』
波が風に洗われていた
静かにさーさーっと
斜めに押しては引いて
風とともに凪の海面に模様を描いていた
さーさーっと、静かに描いていた
円弧ではなく細やかな絹漉し豆腐のような
刻んでは消えて新しく刻み続けて
刻々と迫り来る闇夜も臆することなく
さーさーっと、一定のリズムを刻み
誰も見ていない海面を一人眺めて
海と風の会話を聴いていた
次第に、静けさが闇に包まれて
遠くに光るクリスマスツリーが
赤々と眩しく見えて
瞼を擦った
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