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心の調子が声でわかる?その仕組み!【後編】

こんにちは!前回は①音声解析技術の解説と、②Care Cubeの導入例について書きました。
今回は、解説部分の後の③質疑応答のまとめの記事になります。

前編を見逃した方はこちら↓

今回のQ&Aは、司会者の原口さんからの質問と、参加してくださった方からの質問があります。答えはRimTechの岡崎さんとPLEN Roboticsセールス&マーケティングの小川さんが担当しました。

今回の参加者は、教育関係の方、サラリーマン、セラピスト、看護師を含む非常に幅広い層でした。そこから質問を10個ピックアップしました ⤵️


そして質問に入る前に…顔の映像から心拍・血圧などをAIで解析する技術について興味のある方にはこちらの記事もおすすめです!

それでは、心の調子の音声解析について皆様から頂いた質問のまとめです↓

❓PLEN RoboticsとRimtechの出会い、共同開発の苦労について教えてください。

🅰️PLENは元々業務の効率化・自動化を目的としていましたが、それを行っていくと、人に残された仕事は意思の決定だったり、高度な接客だったり、メンタルに負担がかかるものになってしまいますね。
なので、ストレスをどうにかしないとと思い、出会う前から、顔から感情を読み取る実験を自社でやっていました。

そこで、2021年のPlug and Playで声から感情を読み取る技術を持っている岡崎さんと出会いました。PLENの開発スピードは速かったので、プロトタイプはすぐに実装できましたが、いかに音声をきちんととっていくかが難点でした。

最終的には、ガヤガヤしているところでも取れるように指向性マイクに替えて、Cubeの目の前の人の声だけを聞き取るようにしました。

あとはUIの部分です。ストレス度を計って「高・中・低」に分けても、「あなたは今日ストレス度が高いです。」「あなたは今日モチベーションが低いです。」と言われると更に悪化するでしょう。そこの言葉の調整も少し苦労しました。

❓自分の状態が分かるって怖いと思う人はいますか?

🅰️自分の状態が分かると、それを活用できる側面と、ちょっと怖いなという側面の両方がありますよね。
ですが、会社はもはやこのような技術を入れざるを得ない状態にあります。今は1年に1回のアンケートでデータを取ってメンタルチェックを行っているところがほとんどですが、しんどい人ほど「大丈夫です」と書いたり自覚がなくて深刻化してしまう人がいたりします。

ですが、人手不足の今では、深刻化する前に、もっと軽い状態の時点で、黄色信号だと出してもらった方がいいですよね。回復にかかる時間を減らせるということは、本人にとっても良いことですし、採用のコストなどの側面から見て会社にとっても損失を防ぐ方法でもあります。
特にメンタル不調者が出たことがあるような現場の管理者の方はそういうニーズを感じているところが多いです。

❓メンタル測定で問題があると分かったら、どのように対処するんですか?

🅰️AIは診断するものではないので、通知を行って、施設の人が対処する形になっています。
コロナの影響で、相談業務はオンラインに移ったこともあったので、広く使われています。オンラインで専門家の方と話したり、動画を撮ってそれを専門家に送ったりする形になっていますが、【ちょっと予兆がある】から【病院に行く】というのはハードルが高いので、家からできるような形式にしています。

❓新しい働き方とCube…どういう未来を想像しているんですか?

🅰️自分で自覚できない状態を早期に知るためのツールになれば嬉しいです。
家庭にある体重計みたいなもので、毎日乗っていれば自分の傾向がわかってくるし、急に減ったらやばいよね、とわかるぐらいの感覚で使えるようになれば、セルフケアも楽になりますし、病気の手前で把握できるようになります。
また、もっとライトでポジティブな使い道として、「今日集中して働かなきゃいけない」ときに、自分はどういう状態でいなければいけないのかを把握するという別の使い方もありますね。

❓年齢制限ありますか?子供や老人でも使えますか?

🅰️年齢制限はありません。
「ああああ」だけ言えれば良いので、まだ言葉が喋れない子供にも使えます。逆に言って、そういう小さい子供はアンケートに答えたりすることができないので、このような測定以外の方法は限られています。
メンタル不調は子供にもあって、不登校児も増えているのですが、学校の従業員からは、子供の気持ちが分からないことも多いです。

また、上も制限がなく、認知症などの方にも使えます。
認知症の方は、予測不能の行動を取って家族の負担になることもあります。Care Cubeは使うたびにお金と時間がかかる血液検査・唾液検査などとは違って、もっと頻繁に計れるので、データの量からの予測がしやすくなります。認知症の方のケアにも使えるということです。

「声なき声も拾える」

司会者の原口さんからのコメント

❓何時間後の眠気の予想はどうやって出るんですか?

🅰️実は「眠たい」というのは、主観的なデータです。「眠いですか」と聞かれたときに、答えにバラつきがあります。その理由は、身体の状態をどこからどこまで「眠たい」と意識するかによるからです。

Care Cubeは、客観的なデータとして、声から心拍数が下がってくるかどうかを見て予測しているんです。

経緯を説明すると、消防署で試していたんです。出動時はテンションが高いですが、病院まで運び、帰る途中の運転のときにものすごく眠くなるケースが多かったことから始まりました。そこで、一回出動して帰ってくる時間(2時間)を基に作りました。

❓Care Cubeっていくらなんですか?

🅰️端末代は169,000円/台、まあ最新のスマホと同じぐらいの値段ですね。そして、月額サービス料が300人で7,500円になっています。
この値段には、出退勤管理とストレス度チェックの両方が含まれています。

🗣️勤怠管理とセット良いのに、イニシャルコストのハードルが高いので、上司がすぐにOKを出してくれないんですよ。
🅰️今紹介した基本料金の他にライトプランなどもありますので、お気楽にご連絡ください。

❓介護施設や建設業以外だとどこで使われていますか?

🅰️飲食店や学校などがあります。使用は本当にバラバラです。
Care Cubeは実は、アップデート以外、インターネットがなくても使えます。顔認証の処理も音声解析も全てローカルでやっているからです。また、充電すれば持ち歩きもできます
ですので、電波の悪い地域移動中でも、使える場所はたくさんあります。

❓動物の機嫌も取れますか?

🅰️声帯が似ている動物であれば、データさえ集めればできますが、動物の種類によります。また、取ったデータが合っているかを確認する方法が、飼い主の勘に頼るしかないので、あまり客観データとは言えないのですね。

❓噓発見器の使い方もありますか?

🅰️実は、イスラエルのスタートアップで、同じ原理を使ったものを、60秒以上話しかけてテロリスト発見器に使っています。

このようなテクノロジーはプライバシーの問題もあるので、使い方には十分気を付ける必要があります。Care Cubeにはそのような機能は搭載されていません。

最後に…

色んな業界からの方が参加して、それぞれ自分の職場で活かせると言ってくれたので、Cubeはやっぱり多能だなと思いました。

やはり、セラピストや管理職のような人の熟練のスキルの伝達難しいし、転職も増えているので、機械を使って、プロフェッショナルじゃなくても、誰でも同じ結果になるものを作らなければいけません。

安全に働くことを担保できるのは、今は同僚しかいないので、
 誰もが安心して働ける社会にしていきたいです。」

RimTechの岡崎さん

単純作業は機械にできるような時代になって、人間に残されているタスクが大変なものばかり…メンタル不調、職場・交通事故の予防として、これからはウェルビーイングを意識して働いていきましょう!🍀

取り上げられなかった質問もありましたので、興味のある方は以下の動画を見てください📺

PLEN Roboticsのnoteは毎週金曜日に投稿しています。来週も是非見てくださいね~🐸

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