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心の調子が声でわかる?その仕組み!【前編】

こんにちは~初めて九州を訪れたラドカです。
今回は、1月末に行われた福岡県でのイベントの内容をまとめた記事です。

🟢イベントの概要

PLEN Roboticsは1月末にたった3秒でストレスチェックをするAIロボット『Care Cube』の体験&トークセッションを行いました。
イベントはオンライン対面両方を合わせて形式でした。

このイベントは3部に分かれていました。
 ①協業RimTechの岡崎さんによる、音声解析の解説
 ②PLEN Roboticsセールス&マーケティング担当の小川さんによる、
  Care Cubeの導入事例紹介
 ③イベント参加者との質疑応答

この記事では①と②の部分のまとめを書きます。③の質疑応答のまとめはまた後日投稿しますので、楽しみにしていてください✨

開場前

北九州に着いて、すぐにURBANG TABLEへ向かいました。
トークセッションの前にCare Cubeの体験ができるように設置しました。早めに来てくださった方は顔登録をし、ストレスのチェックや実証中のSleepy Meter(2・4・6時間後に眠くなる確率を計測する機能)を体験できました。

体験できた皆様からはやはり驚きの声が一番多かったです。
解説を聞く前に試す機械があったので、具体的なイメージを頭に入れながら聞けてよかったと思います。

🟢イベント本番

💡音声解析技術の解説

RimTechの岡崎さんは、Motivelという、たった3秒の音声データから感情を読み取るソフトウェアを開発しました。人間の【感情】を数値化し、客観データに変える非常に魅力的な技術です。

日本では2015年に職場でのストレスチェックが義務化されましたが、現状としては年に1回のアンケートと、管理職の方が目で見て、話して、心の状態をセンシングするような状態です。
しかしこのようなチェック方法は主観的なものであり、正確性に疑問があります。無自覚な人や嘘をついてしまう人をはじめ、心理学の専門家ではない管理職の方の見分け方の能力も確実ではありません。
そこで、感情を客観データとして読み取る技術のおかげ、誰が管理していても同じ結果になります。

音声解析エンジンの技術

それでは、具体的にはどのように読み取っているのでしょうか?一緒に見ていきましょう~

🗣️音声データを送って、そこから声の周波数のパワーを計ります
周波数の範囲ですが、日本語だと500 Herz前後になっており、高い声でも1,000 Herzまでになるそうです。ちなみに英語だと、「th」のような音は2,000 Herzくらいなので、言語によって慣れている習者数のパワーが違います!
これらの周波数帯ごとの違いで、今「悲しんでいる」「喜んでいる」などの感情を見える化することがMotivelです。

🟦=喜び  🟧=悲しみ

信憑性はあるの?

このような感情の計り方は馴染みがないので、本当にそうなの?と疑問に思う方もいるかもしれません。ですが、実はこれは全て人間の感覚からできているのです!

緊張するとうまく話せない経験はありませんか?声が裏返ったりしますよね。このような現象は、声帯が固くなっている、つまり身体の反応に基づいているのです。音声解析はこの体の自然な反応である声帯の震えを計っています。
体の自然な反応なので、嘘がつけないのです。緊張しているときに「緊張したくない」と思っていても緊張が止まるわけではないですからね。

じゃあこれはロボットにしかできないの?

違います。長くコールセンターをやっている方は、電話の声だけで話している人の状態が分かると言います。
人はやはり声に含まれる周波数帯を無意識のうちに経験則で読み取っていることになります。
同じ原理で、眠たそうな人の声や怒っている人の声が分かります。皆さんも家族や仲の良い人だったら分かりますよね?
こういう経験則を人が言語化して数値化したものが、3秒でストレスチェックができるソフトMotivelです。

Care Cubeとの連携

このような素晴らしいソフトを、PLEN Cubeの指向性マイクと合わせて、顔認証で人を特定する機能や出退勤管理の機能も利用できるようにしたものがCare Cubeです。
朝の出勤のときに3秒間程度、例えば「おはようございます。今日出勤してます」の二言を話しかけるだけで出退勤管理のソフトに登録され、同時にストレスチェックもできています。

このようなCare Cubeですが、特徴の一つとして、空調音などが入っても声をきちんと読み取れるようになっていることが挙げられます。
また、周波数の高低を見ているので、言葉の意味は全く関係ないのです。つまり、外国籍の従業員でも使えますし、極端に言えば「あああああ」とか「ううううう」でも計れるので、言葉が喋れない子供や障害を持つ方でも使えます。
ただし、個人情報を使っているので、もちろんご了承を頂いたうえで使うことが必要です。

本当に誰もが使えるようなCare Cubeの技術の側面でしたが、これからは実際はどこで使われているのかを見ていきましょう。

🤝🏻導入事例の紹介

サービスとしてのCare Cube

PLEN RoboticsとRimTechの出会いは2021年のPlug and Playでした。そこから3年間をかけて一緒に開発して、今のCare Cubeのサービスの形になりました。
顔認証・音声認識という技術を使って、業務を自動化していって、日本の人手不足を解消していこうというサービスです。

Care Cubeを日常で使えるための工夫として、顔認証の出退勤管理と音声解析エンジンMotivelを合わせました。

使用例:
オフィスにおいて、朝の出勤時にCare Cubeのカメラに向かって顔を見せると、出勤の時間が登録されます。続いて3秒間「おはようございます。今日出勤してます。」のような二言を話しかけると、音声解析によって、「今日絶好調ですね」などの結果を音声で返してくれます。 
日々のモチベーションのデータは蓄積され、グラフの変化でストレス度を見ることができます。
帰りの際に、顔認証を行うと、設定した時間より過ぎた分だけ自動的に記録します。

これによって日々無理なく音声データを取ることができ、同時に勤怠管理リスク管理のDX化が行えます。

続きまして、実際はどこでどのように使われているかを見ていきましょう。介護施設、自治体、建設業の3つの業界ではニーズが特に強いです。

①介護施設

介護施設は、利用者3人に対して必ず介護職員1人を配置する義務があります。しかし同時に、医療、介護、保育業は国内の他の業界に比べて、離職率が2倍の業界でもあります。
特に都心部から離れた介護施設では、職員が1人辞めてしまうと、次の採用が中々見つからない、新卒の人は特に見つからないという状況です。

そのため、従業員のメンタル不調を事前に知りたいというニーズがあります。

具体例:
Care Cubeを導入している介護施設で比較的に最近入った従業員に高ストレスアラート出ました
スタッフはそれに気づき、周りと同じではなく、新人さんのために、他より丁寧に教える時間も取る、ということを意識するようになったそうです。そのおかげで、新人スタッフが新しい環境に慣れて、アラートが回復する様子が見られました。

介護施設にとって、メンタルチェックで離職者を減らすということはつまり利用者を増やすことができるということです。採用コストの削減と、収入の増減、2重の面で重要性を持っている行動です。

②自治体

PLEN Roboticsは20か所ぐらいの自治体と話して、約半分のところが正確の実務残業時間を把握していない・出していないという現状であることが分かりました。
出退管理は、紙に名前を記入したり、カレンダーに判子を押したりしている形で、記録の保存・分析が難しい、集計のミスが起こりやすいやり方になっています。
非正職員はタイムカードを使って、その後手でエクセルに転記する形式になっています。手入力の手間と、ミスを減らす方法を探しているところも少なくないですし、とにかくシステムの統一がしたいという声がありました。

③建設業

建設業は現場のミスや労災が大きな損失になるような業界です。
リスク軽減のためには、従業員のウェルビーイングを考える、睡眠不足リスクを知ることが重要となってきます。
また、外国人労働者も増えている。日本語での些細なコミュニケーション(自身のメンタルヘルスやモチベーションについて)ができないので、なおさら把握しにくい状況です。

そこで、Care Cubeに多言語機能を追加しました。
顔登録時に言語も設定し、Cubeが話す言葉を人によって変えることができるようになりました。
そして、音声解析技術のところで書いたように、Care Cubeは日本語以外の言語でもストレス状態のチェックができます

また、声から睡眠不足チェックアルコールチェックの機能を今検証中です!2024年にトライ版を導入する予定です。
Care Cubeを使い勝手の良いサービスにアップデートしていきたいです。

このように、PLEN Roboticsではそれぞれの業界のニーズに合わせて機能を追加したり、受託開発やプロトタイプの開発をしたりしています。

🟢次回は質疑応答

【声から感情が分かる】という面白い技術があっても、それに出会えるかが勝負ですね。Care Cubeは2つの技術の出会いから始まり、様々な業界で活かせるサービスに進化しました。

音声解析の媒体としてCare Cubeがあって、そのサービスが介護施設や自治体に発見されました。いつか職場だけではなく、家庭用のCubeがある未来もあるかもしれませんね。

この記事では、音声解析の技術を詳しく見て、その技術の応用としてのCare Cubeの導入例を見ました。
この解説の後は、イベント参加者との質疑応答がありました。そのまとめはまた後日投稿しますので、楽しみにしておいてください ദ്ദി ˉ͈̀꒳ˉ͈́ )✧
         
毎週金曜日に投稿してます~


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