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SaaS Plus a Box 最強のビジネスモデルって本当?

こんにちは~もう3月半ばになりましたね🌸
天気も良くなりましたが、花粉症の方は大変ですよね😷

さて、本題に入りますが、皆さんは SaaS Plus a Box って聞いたことありますか?
最近ITスタートアップの展示会に行ったり、ピッチのプレゼンを聞いたりするチャンスが増えましたが、その中でよく出てくるキーワードが「SaaS Plus a Box」です。
何らかの略であろうとはすぐにわかりましたが、最初は一体何の略なのかは全く明らかではありませんでした(笑)

今回の記事では、その SaaS Plus a Box について説明します。


Saas Plus a Boxとは?

ハードウェアと、そのハードウェアと連携したソフトウェア継続課金セットとして販売するビジネスモデルです。

前半の SaaS とは、“Software as a Service”(サービスとしてのソフトウェア)の略です。
ハードウェアをセットで売ると、Plus a Box (ソフトウェア用の箱をプラスする)ということになります。

SaaS はここ数年人気が増しているビジネスモデルモデルです。ハードウェアより、ソフトウェアの方がコストが低く、少人数でほぼ設備なしで開発できるうえに、利益も年々上がり続けているからです。

では、SaaS だけでも儲かるのに、なぜわざわざ Plus a Box(ハードウェア)も入れるのでしょうか?

D2C、サブスクリプション、SaaSの関係

「B2B」や「B2C」はよく聞くと思いますが、それらと同じ流れで、D2C(Direct-to-Consumer)の単語も存在します。サブスクリプションがまさにそうです。店舗などの媒介を使わず、会社から直接顧客に販売する概念です。多くの場合はオンライン販売になっており、サービスを提供するD2Cも少なくないです。

サービス、特にオンラインサービスを売るとなると、基本的にはサブスクリプションの形になります。
SaaS はソフトウェアを利用できるそのサービス自体を指すものであり、サブスクリプションは課金形態であるため、厳密に言うとSaaS とサブスクリプションは同じものではありませんが、殆どのSaaSはサブスクリプションを使っています。

SaaSのメリット

①低コスト
ソフトウェアは種類や利用者数によって開発にかかる費用や必要な設備が異なりますが、ハードウェアに比べてコストをかなり抑えられます。極端に言えば、高校生や大学生がラップトップ1台で作ることもできます。

②継続的な収益
毎月、毎年など、定期的に収益が得られ、更に解約は基本的に事前に申し込みが必要なので、毎月の収益の見込みができます。それができるようになると、次のステップとしてサービスの改良と、事業の展開や拡大に資金を取っておくことができます。

③改良できる
SaaSはクラウドサービスが基本となるので、いつでも変えられるようになっています。
ハードウェアの場合だと、工場の規模での改良になるので、それなりの資金が必要になります。また、旧モデルの売れ残りの問題も出てきます。
しかしソフトウェアにはそのような問題はなく、更にアップデートができるから、完成する前からベータ版をリリースし、その収益で開発や改良していくことが可能です。

④お試し期間
多くのサービスは最初の1ヶ月間が無料だったり、友達を招待すると割引になったりしていますよね。ハードウェアは一度買ってしまえば中々返品できないものも多いので、そもそも買うハードルが高いです。今時のスマホやパソコンは10万円以上のものがほとんどです。
一方、ソフトウェアは1ヶ月間利用してみても損はしないし、問題なく返品できますし、いつでも解約できるので、500円、1000円の規模で購入を考慮します。つまりハードウェアより買いやすいです。

⑤顧客の定着
ソフトウェアだと、満足アンケートやユーザーからのフィードバックを基に、顧客のニーズにあった改良を定期的に提供し続けることができます。
そのため、SaaSは顧客のために永遠に進化し続けるものです。
また、一つのソフトウェアを複数のデバイスで使えたりするので、一度慣れてデータを入れたら、代えることが面倒くさいです。
例えば、Spotifyを使っている人は、新しいスマホ、新しいパソコンを買っても、同じアカウントでログインできるので、10年前のアカウントに10年前のプレイリストがそのまま入っています。それらのプレイリストを全部新しいソフトウェアにコピペするとなると何時間もかかりますよね。だから、一度慣れてしまえばもうそのまま使い続けることが多いです。

SaaSのデメリット

①解約
ソフトウェアなので、簡単に入手できる反面、返品を気にせずいつでも簡単に解約できます。顧客が不満を持たないように、サービスを改良し続ける必要があります。
また、上記のお試し期間ですが、顧客を集めるのには非常に良い分、契約せずお試し期間を永遠に使う人もいますよね。

②アップデートが追いつかない
ソフトの改善はもちろん、デバイスとの連携のためのアップデートも必要です。
提供しているものはソフトだけなので、第3者のハードウェアに合わせないといけません。例えば、スマホ用のアプリを提供するとしたら、毎年の新しいモデルに合わせる必要があります。

③カスタマーサポートの負担
アップデートの他にはバグや使い方のお問い合わせも多いです。店舗を持たない分、プロが修理できるわけではないので、素人であるお客さんが自分で修理できるように指導しなければなりません。


それでは、ハードウェアもつくとどうなりますか?

SaaS Plus a Boxの例

馴染みのある例として、Appleはハードウェアである「iPhone」を販売し、その後「iCloud」や「Apple Music」のようなサービスをSaaS、つまりサブスクリプションとして提供していることが挙げられます。

この iPhone の例を頭に入れながら、iPhoneのようなハードウェアの販売の利点として、すぐに利益をもたらすことが挙げられます。一方、利益を生み続けるには、新しい商品を出していく必要があります。
Apple Musicのようなソフトウェアのサブスクリプションの利点として、定期的かつ安定した収益になることが挙げられます。一方、一気に儲かることはないので、利益が出るまで時間がかかります。

理論上、SaaS Plus a Box には両方のメリットがあります。デバイスなどのハードウェアの代金をもらいすぐに利益を出すと同時に、サブスクリプションをも提供し、販売終了後に収益を生み続けることができます。

SaaS Plus a Boxのメリットとデメリット

初期コスト
ハードウェアの生産のためのコストが発生するので、初期コストは高くなりますが、販売の際に端末代金+サブスク両方があるので、収益は安定しています。

解約しにくくなる
Plus a Box(ハードウェアを追加)すると、端末も買ったことになるので、解約しにくい状況になります。しかし、ハードウェアのメンテナンス作業も行う必要が出てくるので、カスタマーサポートの負担が大きくなります。

アップデートが大変に
SaaSとは違って、ハードウェアの更新も考えなければなりません。ソフトウェアは改良できても、ハードウェアが追いつかないと意味がないことになります。つまり、ソフトウェアとハードウェアの両方を同時に進歩させていきます。
そして、ハードウェアもソフトウェアも同じ会社が作っている場合は、受託開発も可能になるので、顧客満足度を上げることにも繋げられます。
また開発者としては自由度が上がります。

まとめ

SaaS(サービスとしてのソフトウェア)は主にサブスクの形で収益を得ています。Plus a Box(ハードウェアを追加)にすると、初期コストが上がりメンテナンスが大変になりますが、ソフトウェアだけよりは収益が安定化し、顧客定着率も上がります。

SaaS Plus a Boxでした~📦
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