見出し画像

ティール組織 / 孤狼の血に観る究極の福祉

かれこれ10日間ほど我が職場に出勤しているが、頑張った甲斐があり、事態は収拾して来ており、私も色んなことを学んだ。普段は気づけないことも沢山あった。

そして、本日の管理者研修のお題が、『ティール型組織』。

物凄く簡単に言うと、ヒエラルキーではなく、自律型で自由な組織運営についてだった。

画像2

一瞬、「何 言っちゃってんの?」と率直に思う。

バリバリヒエラルキーの組織なのに、何でこんな研修を展開すんの?という疑問。1個人の真っ当な意見を、しょっちゅうもみ消してるやん!と。

分かりやすいパワハラは無いようなのだけど、何かを改善しようと前に出る人には、薄っすらとした集団制裁が展開されるのが、この職場の嫌なところだ。

で、最近は、120人が参加するZoomのセミナーにおいても、グループワークが出来るようになっていて、前もって用意されたグループ分けに則って、たちまち6人部屋のZoomに飛ばされる。メンバーは、他事業所の偉い方々だが、幸いにも皆知っている方々だった。

そして、上記のようなことを思うやる気のない私に限って、司会進行役をやらされるという始末。(きっと、ばれてるのね。)

しかし、皮肉なことに、思い入れがない分さくさく進んで、有意義なグループワークとしての回答に短時間で辿り着いた。

そして、業績的に当施設が他施設の施設長に賞賛されていて、その秘訣は?なんて質問が飛んで来た。

「誰もが自分の意見を持っていて、改善しようとするところが良いと思います。ただ、言えない人、言わない人の反感を買うので、意見を持つ人々は、もっと個人の細やかな感情に沿うべきなのかな?とも思います。」と、長所を訊かれたのに自施設をディスってしまい苦笑い。

心中は、”言わないのに陰口に走る人の感情には沿いたくないんだがなあ。”と思いつつ。

ティール組織への道のりは遠い。

*****

何観ようかな?と、映画を絵面で選ぼうとすると、ほとんどの邦画に出ているのが役所広司さん。

時代はバラバラだけど、『十三人の刺客』や『総合艦隊司令長官 山本五十六』が過去お気に入りだった。

画像3

画像4

そして今回観たのは、

孤狼の血 | Netflix

“血湧き肉躍る、男たち渇望の映画“が誕生した。昭和63年。暴力団対策法成立直前の広島の架空都市・呉原を舞台に、刑事、やくざ、そして女が、それぞれの正義と矜持を胸に、生き残りを賭けて戦う生き様を描いた映画『孤狼の血』。決して地上波では許されない暴力描写とエロス、耳にこびりつく怒号と銃声。観る者は生々しいまでの欲望にあぶられ、心は必ず火傷する。『警察小説×仁義なき戦い』と評される同名原作を映画化した本作は、昨今コンプライアンスを過度に重視する日本の映像業界と現代社会に対する新たなる挑戦であり、数々の【衝撃作】を世に送り出してきた東映が放つ【超衝撃作】である。

というサムネイルが簡単に書かれているが、実際に観てみると深い。

よく自分でも触れている勧善懲悪的な思想についての反逆心にスポッとはまる。

一見すると凶悪に見えるものが、実は、弱い人々を守っている。守るために、自らが汚れていたりする。が、決して「良いことしているんですよ。」とはアピールしない。誰かに良く思われるためにやっていることではないからだ。

その逆に正義だと信じられていたものが、人々を苦しめ、弱いものを虐殺する。

松坂桃李も名優だ。彼が扮する若い刑事の役柄が、最初何も知らなかった若い頃の自分の心情を投影する。自分が悪だと思うものを徹底的に暴き、裁こうとしていた。

そして、悪と正義のからくりを知った時の衝撃。世界がひっくり返った時の慟哭。

役所広司演じる大上章吾という悪徳刑事がやっていることを、松坂目線で一緒に追っていくと・・・それは、「究極の福祉やんけ!」という鳥肌に見舞われる。

本当の人助けは、誰に誇示することもなく、前置きもない。大げさな宣伝もない。

午前中、「まったく、そんなきれいごとを・・・」などと、捻くれた心(だが、正直な心)で研修に挑んだ反動で、ついつい暴力的な映画に目が行くのかなあ?などという自己分析で見始めた映画だったが。

名優たちは、自分らに預けられた時間を、決して無駄にしない。

これまで、その人が見てきたものをひっくり返したり、その喪失と愛情の意味を演者ととして表現し、心をガンガンに揺さぶり、観る人々の人生さえ変えるのかも知れない。

ところで、本日の研修で講師の方が最後に言っていた。

『現状を少しでもよくしようとすることです。』

皮肉でも何でもない。研修講師と映画と私の意見が一致した。

バラバラに見えるものが、実は陸続きだったなんて事は、よくある。

やってみよう。やって行こう。

この記事が参加している募集

#映画感想文

65,654件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?