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俺がNEW YEAR ROCK FESTIVALで般若というアーティストと出会って、結果的に日韓関係について調べて、児童虐待について考えることになった話

2023年を迎えるカウントダウンは、今回で50周年を迎えたNEW YEAR ROCK FESTIVALで過ごした。
目的は高校時代からずっと好きで、先日25周年ツアーにも行ったDIR EN GREYと、歌舞伎町のバーでカラオケでも歌われるBAD HOPが目当で行った。
タイムテーブルはこちら↓

フェスはいいものだ。
好きなアーティストが出るから行くけど、帰る頃にはまた別で好きなアーティストが出来てる。
俺は好きなものが多い人生の方がいいに決まってるって考えでいつも過ごしてるから、フェスは大好きだ。
今では日本人アーティストで一番好きなハルカミライも、第1回目のLOVE MUSIC FESTIVALでBiSHの最前待機してる時に出会った。
今では2月の武道館ライブのチケットを既に押さえてるほど好きだ。

今回の収穫は、タイトルにもある通り『般若』だ。

般若(はんにゃ、本名:武田 嘉穂(たけだ よしほ)、1978年10月18日 - )は、日本のヒップホップMC。東京都世田谷区三軒茶屋出身。レコードレーベル、昭和レコード主宰。
テレビ朝日のバラエティ番組の「フリースタイルダンジョン」にラスボスとして出演していた。2019年1月11日、日本武道館で初のワンマンライブ「おはよう武道館」を開催。

Wikipedia

セットリストはこちら↓
1あの頃じゃねえ
2やっちゃった
3乱世
4うまくいく
5じんせいさいこおお

 一曲目が終わった時の歓声に対して「あのー、うるさいんで静かにしてもらっていいっすか」と言っていて、怖そうな人だなと思った。
知ってる曲もあったし良いと思う曲も複数あったけど、一番喰らったのは最後にやった、じんせいさいこおおという曲だ。


まずイントロでびっくりした。
これは!ザ・フォーク・クルセダーズの「悲しくてやりきれない」のサビをサンプリングしてるではないか!!
悲しくてやりきれないとは、60年代のフォークバンドの名曲だ。


この曲を知ったきっかけは、多部未華子が主演の「あやしい彼女」という映画に出てきて、それからかなり気に入っていたからだ。
カラオケで歌って最悪の空気にしたことだってある。
それを気にせず歌ってしまうくらいには好きだ。


イントロが終わりラップが始まるとリリックも良い。
かなり前向きになれる曲だ。
その時の印象はそれくらいで、でもかなり好きになれた。
フェスが終わったら他の曲も聴こうと思った。


●日韓関係

般若を知らずにここまで読んでくれた人は、何故ここから日韓関係に繋がる?と思うと思うが、更にこの文章を読んでいって欲しい。

まず俺の頭の中は次の日になると、「じんせいさいこおお」と「悲しくてやりきれない」で頭がいっぱいだったので、ひさびさにまた「あやしい彼女」を見た。
それから、他にも「悲しくてやりきれない」が出てくる映画を知り、「パッチギ!」という映画を見た。
これが、昔の日韓関係について描いた映画である。


それから調べて知ったが般若は日本人と韓国人のハーフで、「土足厳禁」という曲では日韓関係について全く興味を持たずにK-POPを聴いている人たちをディスっている。


この曲は、日本人と韓国人のハーフの般若だからこそ歌える曲なのではと個人的に思う。
そういう経緯を知ると、般若はこの映画で「悲しくてやりきれない」を気に入ったのかなとか憶測した。

それらに触れていくにつれ、日韓関係について知らない事が恥ずかしく感じてきたので、YouTubeで中田敦彦の動画を見た。


見た感想は言い方を間違えると反感を買ってしまうと思うので、あまり書かないでおく。
解決は難しいと思うけど、これは知っておいた方がいいと思った。
ひとつ言っておきたいのは、俺はどっちの味方でもないし、理想としては穏やかに解決することだと思ってる。
世界的にK-POPが流行っている今、日本も例外では無い。
若者たちにとってあの人たちは間違いなくスターだ。
俺も好きな曲はある。
だからこそ、目を逸らさずにこの件について知ることも大事なのではないだろうか。


●児童虐待

次はこれについてだ。
これもなんで繋がるんだよと思うだろうが、これに関しては「じんせいさいこおお」が収録されているアルバム「笑い死に」を1枚通して聴いた時に、「じんせいさいこおお」の1つ前の曲の「2018.3.2」を聴いて喰らってしまったからだ。
この曲は般若が実際に体験した事が曲になっていて、内容は近所で児童虐待で5歳の女の子が亡くなってしまい、救急車に運ばれている姿を目撃し、気付けなかった事をひたすら悔やんでいる内容になっている。


ここから少し俺自身の話をさせて欲しい。
俺は三人兄弟の長男で、下には弟と妹が居る。
父親はある会社の社長で、不自由無い生活をさせてくれていたと思うが、子供が悪いことをすると暴力が当たり前の家庭だった。
俺もかなり悪いことしたし、親にかなり迷惑はかけた。
多少の体罰は家庭それぞれである場合もあると思う。
だが大人になってから思う。
相手が悪いことをしても、人は人を殴ってはいけない。
子供にとっては家と学校が世界の全てであって、そこで起こる事が普通だと思ってしまう。
大人になって広い世界を見て気付いたが、俺ら兄弟は異常な世界に居た。
俺自身がされた事で一番記憶にあるのは、真冬に薄着でベランダに出されてカーテンまで締められた時は、本気でしんどかった。
どれくらい時間が経った頃か分からないが、シャッとカーテンが開いて、やっと家に入れてもらえると思った瞬間、桶いっぱいの水を思い切りかけられて、また締められた。
あの時は本当に死ぬかと思った。
大人になった今されても、死ぬんじゃないかって考えると思う。
ようやく家に入れて貰えた時はろくに歩くこともできず、両手両足で這いつくばって風呂場に向かって、いつも浴びてる温度のシャワーに触れたらまるで熱湯に触れたのかと思うほど熱く感じたのもハッキリと覚えている。
これ以外に暴力は日常茶飯事で、膝に茶碗のデカイ破片がぶっ刺さった事もあれば、ビデオテープを投げつけられて頭から大量に血を流したこともあった。

しかし俺にとってのトラウマはそこじゃなくて、俺の妹は殴る蹴るの暴力を受けてる時は「ごめんなさい!もうしません!」と叫び続ける。
上の階で勉強をしていても、ドカドカと聞こえる騒音と、妹の叫び声が聞こえて全く集中出来なかった。
あの時の声と音は、今でも脳内再生余裕なくらいトラウマだ。
俺と弟で「お前ああなった時、同じことしか言わないよね」と言うと妹は「あの時ってあれしか言えなくなる(笑)」とヘラヘラしていた。
今思うと完全に狂った状態だと思う。

自分の話はそろそろここまでにしておいて、俺がいわゆる虐待をされていた時は小学生の頃だ。
だがこの曲の女の子は5歳。
誰に相談する事も、愚痴ることも、逃げることも出来なかっただろう。
家には紙の切れ端に「もうおねがい。ゆるしてください。」と子供の字で書かれていたそうだ。
想像するだけで絶望する。
でも世間では、数日間報道されてそれ以降はもう過去の事となり、いずれ忘れられていく。
だからこそ般若は曲にしたのだろう。
曲にするのにも勇気が必要だったはず。
でも彼は作った。
凄い人だと思う。
児童虐待は周囲から見えない所で起こるから、完全に無くなるのは難しい事だろう。
だからこそ、過去に起きた悲惨な事件を多くの人に知ってもらう必要があると思う。
無くなることは無い。でも絶対にあってはいけない。許されない。

追記:結構自分の経験談が多くなってしまったが、この少女の身に起こってた事は気になった人は調べてみてください。裁判記録等をまとめてくれてる人が居るので出てきます。
自分で知りたいと思って調べる覚悟がある人しか見れない事だと思うので、ここでは伏せます。


アルバムを再生していると、その次に流れるのはそう「じんせいさいこおお」だ。
悲しくてやりきれない」のメロディに乗るリリックは

OK いいぜ
最高 人生
宇宙の果から見たら
俺らの存在すっげー小せえ
ははっ ウケる ムカつく事も今は笑える
何も言うことねぇ
だって答えは分からねぇ

最初に聴いた時とまるで聴こえ方が違って、涙が出た。

アルバムは、アーティストにとってまとめてひとつの作品だ。
ジャケットや歌詞カードのデザインも、歌詞のフォントも、この流れのように曲順も、アーティストがどれもこだわって決めている。
音楽サブスクアプリが主流になってそうやって聴くひとは減ったと思うが、是非どれもアルバム単位で聴いてみて欲しい。

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