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#18 ファーストステップがPLASでよかった 加藤冬華さん

グローバルに、ローカルに、社会で活躍するPLASインターン卒業生。
彼らの想い、現在の活動、そしてPLASでのインターン経験が彼らの「いま」にどのようにつながっているのかを聴きました。 

今回は、PLASの元インターン生・加藤冬華さんにお話しを伺いました。

♦自己紹介♦

加藤冬華、23歳です。
PLASでは広報インターンとして、2021年10月から勤務をしていました。

♦PLASに入ったきっかけ♦

なんとなく、漠然と”国際協力に携わりたい””その実務の世界を知りたい”と思い、NGOのインターンを探す中でであったのがPLASでした。話を聞いた中では一番インターン生の裁量が大きく、インターン生によって成り立っている団体だ、と感じたことが、PLASに入る動機になりました。

♦PLASにいた一年間で学んだこと♦

PLASにいた一年は自分にとって激動の一年でした。たくさんのことにチャレンジし、人生が変わった一年でした。PLASと並行して、タイ・コースコン島での農業ワークキャンプや函館で難民受け入れのワークキャンプに参加し、多くのことを学びました。
その中で特に学んだのは、『受益者は可哀そうな存在ではない』ということ。
私はPLASに関わり始めた当初、『可哀そうな人を助けたい』という気持ちが強かったです。しかし、活動をすすめるにつれて認識は変容していきました。
受益者は決して可哀そうな存在ではなく、私たちと同じ人間である、ずっと不幸な存在なのではなく、私と同じように、幸せになったり、時には落ち込んだりして日々暮らしている。社会的な構造のなかで、そのポジションとして弱者とみなされるようになっただけであり、その人それぞれの世界の中に、幸せ、は存在している。そして、助けるべき存在というより、ともに生きていくべき存在である。彼らには、それぞれ人としての良さがあり、人として尊敬すべき、である。今ではそう考えています。

♦転機になった友人との出会い♦

先ほど、受益者は可哀そうな存在ではない、と書きましたが、自分にとってそれを受け入れるのは当初とても困難なことでした。人を助けたい、という気持ちが自分にとって国際協力に携わりたいと思うようになった強い動機であり、自分を動かす原動力だったので、そこの前提が崩れたときには、どこか土台が崩れるような気持ちで、自分の仕事の意義がわからなくなり、それを受け入れきれずにどこかエンジンがないのにアクセルを踏み続けるような状態に陥りました。そんな私に転機になったのは、函館で、とある国から命を守ろうと日本に逃げてきた家族と親しい関係になったことです。彼らのライフヒストリーを聞くと、自分と同じように人生を歩んできた、努力して進学し、キャリアを積んできた彼らが社会の変化をうけ、突然逃れざるを得ない状況におかれ、逃れてきたの日本においても、その社会構造から、彼らのもつ力を発揮できないでいる。突如として社会の変化という自分ではコントロールできない要因によって人生が変わってしまった彼らを見て、その歪んだ社会的構造を変えること、またその社会構造から脱し、ともに生きる道を模索することが、この仕事の意義なのでは、と考えるようになりました。
またそれと同時に、彼らとの出会いから、日本がいかに閉ざされた社会であるかに衝撃を受け、一種の絶望を覚えました。彼らが安全に、安心して暮らすことができ、母国と同じように力を発揮できるチャンスのある日本にしたい。そんな思いを抱くようになり、日本での難民受け入れの文脈での仕事を探し始めました。

♦PLASの卒業後…♦

PLASを卒業した2022年11月、それとほぼ同タイミングでNPO法人WELgeeでのインターンをはじめました。そして今はなんとPR・ファンドレイジング部の正規職員として勤務しています。
WELgeeは国を追われ日本に逃れた難民に対して、就労伴走をしている団体です。難民と聞くと、「可哀そう」というイメージがある人が多いかもしれません。
しかし実際には彼らの中には母国でキャリアを築き、経験とスキル、そして人間性が豊かな人も多いです。日本に貢献したい、と思っている人もたくさんいます。
ただ今の日本で彼らが自力で仕事をえるのは困難です。VISAや日本語能力、あるいは難民に対する採用担当者の偏見など、その「準備する間もなく、逃げてきた」「難民である」という背景ゆえに、母国で築いたスキル・経験を日本社会で活かせないでいます。
そのような実は優秀で社会に貢献したいと思っている人材と優秀な人材が欲しい、あるいはD&Iを促進したい企業を繋ぐことを通じ、彼らが自らのキャリアや人生の目標を追及すること、そしてともに未来を築くことを可能にする。そんな取り組みをしているのがWELgeeです。
日本には難民受け入れの十分な制度があるとは言えません。また難民への偏見も多く、彼らを見えない存在とする、歪んだ社会的構造があります。
その歪んだ社会構造から、難民には優秀な人がいる、という認識、あるいは、難民は自分と同じ職場で活躍している人、という認識に変えていく活動や、その社会構造の中で、就労を通じて、ビザの切り替えも含め、ともに生きる道を模索するという活動が価値観にあっていたこと。そしてなにより、函館の活動を通じて抱いた、彼らが安全に、安心して暮らすことができ、母国と同じように力を発揮できるチャンスのある日本にしたい、という強い思いを仕事の情熱とできる環境であったことが、WELgee入職へとつながりました。

♦PLASが最初でよかった♦

ワークキャンプで様々な人に出会う中も、今の職場であるWELgeeと出会ったときをとっても、「PLASでインターンをしています」ということが一つ自分の大きな肩書になっていました。PLASでの広報での学びがあったからこそ、WELgeeインターンでも活躍でき、職員にしていただけました。今ではファーストステップがPLASでよかった、と強く感じています。PLASでの経験を胸に、今のいる場所でさらなる価値を生み出せるよう、そしてWELgeeの目標である『2025年までに100社で難民採用』を達成できるよう、これからも日々精進いたします!


加藤さん、素敵なお話ありがとうございました。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


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