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作品と植物の話し

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#花

あたたかな光。

あたたかな光。

12月とは思えないあたたかな日、自転車でアトリエ近くの山々を走ってきました、ゆっくりと季節の移り変わりを楽しむように。

枯れていく植物たちの立ち姿も美しく、光に照らされたその様をしばらく見入っていました。

本格的な冬へとむかっていく今頃の時期、これからどうやって数字を制作していけばいいのか、悩んでたのを思い出します。

さて、ひとつお知らせがあります。年末へむけて、とあるお店の店頭に並べるため

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育てる

育てる

植物が好きになったのは、一人暮らしを始めてからのことだ。当時交際していた女性が、僕の殺風景で何もない部屋に見かねて、鉢植えのミントをプレゼントしてくれたのが始まりです。

それまで何かの世話をするということがほとんどなかったせいか、そのミントがとても愛おしく思え、愛情をもって育てていた記憶があります。とてもきれいなグリーンだった。

自分のことばかりではなく、何かの世話をするということがこんなにも

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時を経て味わい深くなるもの。

時を経て味わい深くなるもの。

時を経て、味わい深く愛着も深くなっていくものがある。無垢材で作られた家具や皮製品、気に入ってる万年筆や植木鉢などなど。

このカレンダーには曜日の表示がない。1年限りではなく、毎年使ってもらえたらという思いがあったから。最初から頭にあったのは、植物標本のようなイメージでした。毎年使っているうちに、色もあせ、黄ばみもでき、ボロボロにもなり、使う人それぞれのカレンダーに変化していく。そんな古びた状態が

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繊細な形。

繊細な形。

普段の生活で、草花全体としての美しさや華やかさに目がとまり感動するということはあっても、なかなか細部にまで目を凝らすということは少ないと思います。

写真に撮って細部をよく見てみると、そこに思いもしなかった造形の美しさや構造の複雑さを発見します。人には造りえない、そんな美しく繊細な生命としての集まりが、植物の存在としての美しさにも繋がり、永遠に保たれることなく変化し続け、朽ちてはまた花開く、その一

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今週の花、そして花が咲くということ。

今週の花、そして花が咲くということ。

今年も白い芍薬が花をひろげ、1週間の始まりに作業場へいけました。窓からの風とともに新しい香りと空気が空間を満たしてくれます。花が咲くということは普通のようで普通ではなくて、毎年のことながら、心に喜びを与え励ましてくれます。花開いたときの晴れやかさといったら。

一日遅れになってしまいますが、昨日はニゲラを使った数字でした。数年前にどこかから運ばれた種から1本の花が咲き、今ではこぼれ種からほんとにた

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今週の花

今週の花

1週間の始まりに、散歩道や庭で見かけた草花を作業場にいける。豪華なものでなくていい、そのときに惹かれた小さな野の花や育てている花だ。ちょっとしたことで空気が変わる、さあ今週も、、と思う。

1年を通して

1年を通して

昨年の8月13日から始めた植物カレンダー。

なんでもない日の始まりがちょっとだけ穏やかなものになったらいいという思いを一つ一つの数字にこめ、四季の流れを感じられるよう 1年をかけてコツコツ作り続けました。

作り始めた当初は、はたして366種類もの数字を作り続けることができるのか、という思いももちろんありましたが、緑が少ない冬には 冬らしい枯れ色の落ち着いた数字が生まれ、春には春の、夏には夏の、

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紙の作品へむけて 3

紙の作品へむけて 3



数字をグレーイッシュブルーの細いラインで囲み、手書き文字を下にそえ、植物標本のようなクラシカルさをもたせたシンプルなデザインです。

鳥と蝶の絵は月に一回づつ どこかにひそんでいます。

植物で形作られた 季節ごとの数字の趣きを楽しむ方が多いと思いますので、以前もお伝えしましたが 毎年使用できるよう曜日の表示は省きました。

紙の作品へむけて 4



サイズは 写真集としても楽しめ、壁に掛けてほどよい大きさのB5サイズです 25.7cm x 18.2cm。(横にあるのが文庫本になります)

9月はお米から始まります。

蓮の花と一本の棒

蓮の花と一本の棒

このカレンダーを始めようと思ったきっかけは一本の棒とドライになった蓮の花でした。

画家としての活動をするなかで、応援の言葉をかけてもらったり、作品を迎えていただいたり、、外へ出れば気持ちのよい風がふき、夜にはたくさんの星が輝き、四季を通しての自然の恵みもある。そんな もらうことの多い暮らしのなかで、自分にも何か届けられるものはないだろうかと考えていたとき きれいだなと思って置いてあった蓮の花と一

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