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創業から10年、そして次の10年へ

皆さま、こんにちは。
プレイノベーション代表の菅家元志(かんけもとし)です。

2023年5月20日でプレイノベーションは10周年を迎えました!

会社の生存率が設立10年で6.3%とも言われる中、プレイノベーションがこの日を迎えられたのも、常日頃から弊社に関わり、支えてくださる皆様のおかげです。本当にありがとうございます!

今回の記事では、創業からの10年を振り返りつつ、次の10年の挑戦についても触れて参ります。また、次の10年を切り拓くための「企業理念」もアップデートしましたので、そのご紹介もさせて頂きます。

創業から10年の振り返り

これまでも折に触れてお伝えしてきたことではありますが、創業のきっかけは、2011年3月に発生した東日本大震災でした。

当時、卒業直前の大学4年生だった私は、震災後の後の災害ボランティア活動などを通じて、一念発起。福島へUターンとして戻ってくることを決意します。

そして2013年5月、「株式会社プレイノベーション」を一人で創業。

お金もない、ビジネス経験もない、事業計画書もない、請求書の書き方すらも分からない、の「ない・ない」尽くしで創業したため、できることを模索する日々。周りの方々の支えもあり、なんとか今日まで生き残ることができています。

そんな一人社長から始まったプレイノベーションの創業後の10年間を、以下にざっくりハイライトしてみます!

怖いもの知らずだった1期目(2013年5月-2014年1月)

  • 最初のお仕事は東北最大級の「屋内遊び場」の企画・広報のサポート。

  • 学生時代から、震災直後に深刻化した「福島の子どもたちの体力・運動能力低下解決」に向け、何かできないかと問題意識を持っていた。そこで「からだあそびノウハウ」をオンラインで提供する事業を企画するも、実証実験止まり。事業化の道筋がつけられず断念。

まだまだ怖いもの知らずの2期目(2014年2月-2015年1月)

  • 2年目は、原発事故で離れて暮らす親子のコミュニケーションをより豊かにできないかと、小さな子どもでも楽しみながら表現できる“お絵かき遊び”に着目し、家族が関わるキッカケづくりを目的とした「お絵かきアプリ」の企画・開発を進める。

幼児向けスマホ・タブレットお絵描きアプリ 「マジコレ」
「親子のコミュニケーションが豊かになるきっかけに」 そんな願いを込めて提供しました。

初めての採用に試行錯誤した3期目(2015年2月-2016年1月)

  • 「お絵かきアプリ」は比較的順調にユーザーを増やすも、マネタイズが上手くいかず事業を断念。

  • 外注で進めてきた開発も、内製化できる体制確立に向けて一念発起。お金もないのに東京の若手エンジニア2名を雇用。初めての採用や雇用に試行錯誤しながらも、なんとか受託開発の案件を細々とさせていただきながら、事業機会を探る。

自治体との協働に取り組み始めた4期目(2016年2月-2017年1月)

  • 当時、世の中的に社会問題化していた「待機児童問題」や「保育士不足」、「保育士の業務負担緩和」という問題に着目。知人の保育園経営者からもデジタル技術を活用した保育環境の改善に関する相談をいただき、一念発起。

  • 保育所内のデジタル化だけではなく、クラウドで自治体と保育所をつなぎ、保育施設のスタッフに留まらず、自治体担当者の業務負担を緩和して、保育全体の質を向上させることを目指す。独自サービスを開発し、自治体との実証実験を実施し、手応えを感じる。

保育業務支援システムスマホイク

大きな挫折を経験した5期目(2017年2月-2018年1月)

  • 福島と東京の複数の保育園への導入も決まり、自治体や大手企業との連携協定も結ぶ。この時期にデザイナーも雇用し、UX/UIデザインを社内で完結できる体制を整える。

  • 本格的に自治体全域への独自サービス導入に挑戦するも、失敗。正式導入に向けて投資してきた金額が回収できず大きな痛手に。退職する社員も。

  • 何をやっても上手くいかないことが続き、事業の組み立て方、進め方を見直すことに。「教育・福祉」の領域でデジタル新規事業に挑戦してきたノウハウと、自分自身や自社の強み・個性を活かした事業展開を探る。この頃から地元企業の「デジタル新規事業推進支援」を手がけ始める。また、趣味がカードゲームという素朴な理由で、「カードゲーム型食育教材」の開発・提供も仕掛ける。

食育モンスター

世界が広がり始めた6期目(2018年2月-2019年1月)

  • 東北アクセラレーター2017」の採択企業として、ドイツのスタートアップ環境を現地視察する機会をいただく。ドイツのスタートアップや自治体等との交流を通して、世界は地方の集合体であること、福島だろうがドイツだろうが同じようなアイディアや悩みをもって新規事業に挑戦していることに気づく。

  • 帰国後も運よく様々なクライアント企業さまとご縁をいただき、複数社のデータ・デジタル技術を活用した業務改善・新規事業開発の案件に取り組む。大手企業との協業も加速。国の実証実験に採択された案件を担当させていただいたり、開発したプロダクトがアジア最大級の国際展示会で紹介されるなど、新しい世界が広がる。

東北アクセラレーター2017

仕事も広がり始めた7期目(2019年2月-2020年1月)

  • EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー 2019ジャパン東北地区大会 チャレンジング・スピリット部門大賞受賞」や「第26回東北ニュービジネス大賞 奨励賞受賞」といった栄えある賞を立て続けにいただく。

  • そのご縁もあり、より多くの地元企業のデジタル推進支援のお仕事をいただくことに。2020年元旦には地元新聞の1面に、福島県知事らと一緒にご掲載いただく。

  • クラウドファンディングを実施し、カードゲーム型食育教材も地元・郡山市の全小学校に寄贈させていただき、イベントを開催する度に大行列ができたり、ディープなファンが生まれる。

EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー 2019ジャパン東北地区大会
チャレンジング・スピリット部門大賞受賞
食育モンスタープロジェクトメンバー。
小児科・管理栄養士・農家・教育関係者と一緒にプロジェクトを行いました。
福島民友新聞創刊125周年 の節目に、「ジダイをつなぐ」をテーマに「ふくしま型SDGs」に取り組む県民と、弊社代表の菅家のインタビュー記事が掲載されました。

DXに後押しされた8期目(2020年2月-2021年1月)

  • コロナで世界が変わる。

  • イベントを起点に普及を図っていた「カードゲーム型食育教材」が進めづらくなり、泣く泣く休止に。

  • 「DX」という言葉がバズワードに。日本中・世界中でデジタル化が進んでいくことを実感。売上が何百億円、社員数が数千名の大企業様のDX推進も手掛けさせていただくことに。世界の変化を実感しながらも、自社も変化しなければならないと思いつつも日々の業務に追われる毎日。

採用活動に奔走する9期目(2021年2月-2022年1月)

  • 自分達にとって大きな仕事が増える中で、人手不足が深刻化。採用活動に奔走するも、ちゃんとした採用活動をしてこなかったので当然、成果に結びつかない。

  • 採用だけではなく育成や評価などの仕組みを学び直し、地道に実践する。

  • そんな中、大きなトラブルが発生。通常業務と採用活動、トラブル対応で頭がおかしくなりそうになる。

仲間が増えた10期目(2022年2月-2023年1月)

  • 地道な採用活動が功を奏したのか、頼もしい仲間が増える。会社としてできることも増えたこともあり、今後の経営ビジョン/戦略を見直し始める中で「探究」というキーワードに着目する。

  • 「探究」をテーマに、コンセプト検証としてクラウドファンディングを実施。更には、実証実験として20年後の福島を題材にした探究プログラムFukushima & Company β版を実施し、手応えを感じる。

Fukushima & Company最終発表会

次の10年に向けて挑戦が続く11期目(2023年2月-2023年5月現在)

  • 全国的に採択数が少ない「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金〔ビジネスモデル構築型〕」に福島県内で初採択される。

  • 福島県の行政事業を創業以来初めて受託する。

  • 次の10年を切り拓く企業理念(MVV:Mission/Vision/Value)を社員との対話を重ね、アップデートする。

企業理念のアップデート

次の10年を切り拓くためにアップデートした企業理念がこちらです。

「100億人・100歳時代」が迫る中、人類の活動量(生業の量)がますます更に大きくなり、それに伴い地球規模の問題もに大規模化・複雑化が進んで加速しています。

気候変動問題、食糧危機問題、エネルギー問題、感染症問題など、解決していかなければならない様々な問題を人類は抱えており、解決策の創出・実行が急務です。

日本国内でも人口減少、労働力不足、働き方改革対応など様々な問題への対応が求められる中、問題解決がなかなか進まなかったり上手くいかないケースを、この10年で私たちは事業を通して体感してきました。

「地方に進化を、世界に革新を」をビジョンとし、これまで走ってきた私たちですが、世界がめまぐるしく変化し続けている今、企業の「自ら問題を解決する力」は、ますます求められていると感じます。またそれだけでなく、その“問題解決の速度”を上げていくことも、同時に求められているのです。
そこでプレイノベーションは、この先の10年のミッションを「世の中の問題解決を加速する」とし、世の中の企業・組織の問題解決能力の向上と、スピードアップのために貢献することを私たちの存在意義として再定義しました。

Chat GPTの出現により、AIなどの最新テクノロジーに人間の仕事が奪われるのは時間の問題、と感じていらっしゃる方は多いと思いますが、では今後、人間が果たすべき役割とは何なのでしょうか?

“探究”と“創造”が今後の人間が果たす役割だと私たちは考えています。

本来、探究力や創造力は誰しもが生まれながら持っており、育てていくことができるはずです。

しかし残念ながら現在の世の中の仕組みでは、その可能性を広げるどころか、奪われてしまうケースも少なくありません。

私たちは「より良い世の中の実現」という目的に向けて、人間の探究力や創造力を解き放つことができれば、人類が直面している様々な問題解決が加速できると考えています。その結果として、安心して次世代に安心して地球環境と人間社会を渡すことができる、サステナブルな地球社会が実現できると信じています。

そのような想いを込めて、「探究力と創造力が解き放たれている未来へ」を、次の10年のVisionに設定しました。

また、プレイノベーションのメンバーに求められる行動指針を、以下の4つのValueとしています。

Value

  • Always Explore & Create / 常に探究し創造する

    • 新しい価値を創造するために、成長する環境を主体的につくりあげよう。あそび心と好奇心を大切に、挑戦し続けよう。

  • Ownership as a Pro / プロとしてのオーナーシップを持つ

    • 自らの仕事に責任を持ち、プロとしての自覚とお互いへのリスペクトを持ち続けよう。成果へコミットするためのリーダーシップを全員で発揮しよう。

  • Invest in Collective Intelligence  / チームの知性に投資する

    • 良いチームと良いプロセスのみが良い成果を生み出す。行動し、得た学びを積極的に共有しよう。チームとしての知性を高め、更なる成果を上げることに貪欲になろう。

  • All for Social Evolution / すべては世の中の進化のために

    • 単なるお金稼ぎはしない。ミッション達成のためには手段を選ばない。世の中により大きな貢献を果たせるような思考を持とう。想像や既成概念を超えたソリューションを提供しよう。

私たちプレイノベーションは、これら4つのValueに基づいた採用・育成・評価の仕組みを徹底することで、MissionとVisionの実現に向けて日々、活動していきます。

次の10年に向けた新しい挑戦:「探究型問題解決」と「探究人口」

ここまでご覧いただいた方は、私たちが「探究」というキーワードを今後の中心テーマとして扱っていくということを、感じて下さっているかと思います。

しかしなぜ、福島のベンチャー企業が10周年のタイミングで「探究」を中心テーマに据えたのか、不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

端的に言えば、福島が2011年以降、世界の中でもとりわけ「探究」に取り組んできた地域であるからです。

私たちの考える「探究」の定義

東日本大震災は、地震を発端として津波や原発事故、長期に渡る避難生活、風評被害問題と、様々な問題が複合的に生じさせ、福島県民はそれらに向き合うことを余儀なくされました。言い換えれば、前例も答えもない問題に対して、“自分なりの答え”を導き出すことを、ある日から突然、地域一帯で、かつ長期間に渡り求められるようになったのです。   
 
自分自身で事業を営む経営者にとっては、更に大きな試練となりました。自身や家族の生活だけではなく、社員の生活や、今後の会社のあり方に関しても大きな決断を求められたからです。
その最たる例が、農業を営む事業者さんだと思います。放射線による被害値が数字上は安全とみなされても、消費者に選ばれないという苦しい時期を経験した農家さんは、福島にはたくさんいらっしゃいます。しかし諦めずに消費者と向き合い続け、畑に来てもらって、対面で販売することで、自分の農業を見つめ直すきっかけとなり、結果、今まで以上に“生きがい”をもって農業に取り組むようになったという事例もありました。
 
2020年代に入り、全世界を揺るがしている新型コロナウイルスは、生命と経済の両面で人類を脅かすことになりました。特に飲食業や観光業は大きな打撃を受け、今後のあり方を問われています。突然に前提が大きく変わり、自分たちのあり方を、個人や個社といった単位ではなく、地域社会全体で問われるという意味においては、福島県はその先駆けであり、他に類を見ない地域と言えるのです。
 
今でも現在進行形で大きな問題が存在し、それらと向き合い、探究を実践してきた経験者に溢れてる福島は、「社会課題先進地域」であると同時に「探究先進地域」と言えるのかもしれません。

東日本大震災後、大規模で複雑な問題を抱える福島の地で、私たち株式会社プレイノベーションは、創業から一貫して、“答えのない問題”と向き合ってきました。

その中で私たちが培ってきた「探究型問題解決」の経験と実績を糧として、“答えのない問題”に挑戦するお客様を今後も全力でサポートして参ります。

「探究型問題解決」に関しては、プレイノベーションのコーポレイトサイトでもご説明しておりますので、ご興味ご関心のある方は是非ご一読ください。

これからの10年も、私たちプレイノベーションをどうぞよろしくお願い致します。

追伸:採用情報

プレイノベーションでは一緒に働く仲間を募集しております。
一緒に楽しみながら成長していきたい社員を募集中です!
まずはお話だけでもという方も、お気軽にご連絡ください!


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